兎 穴 を 下る て # アリス は 土手 で 姉 の そば に 座る て いる ます た が 、 何 も する こと が ない た の だ 、 次第 に 疲れる だす ます た 。 一、二 度 、 彼女 は 姉 が 読む で いる 本 を のぞく て 見る た けれど も 、 その 本 に は 絵 も 会話 も ある ます ぬ です た 。 「 じゃ 、 この 本 に は 何 の 使い道 が ある って いう の ? 」 と アリス は 思う ます た 。 「 絵 も 会話 も ない なんて 」 # そして 彼女 は 心 の 中 で あれこれ 考える 始める ます た ( できる 限り 精神 を 集中 する て 。 と いう の は この 日 は 暑い て 、 彼女 は とても 眠い 、 頭 が 朦朧 と する て いる ます た から ) 。 デイジー の 花輪 を 作る の は 楽しい けど 、 立ち上がる て デイジー を 摘む に いく の は 面倒 だ し 。 する と 、 その 時 突然 、 ピンク の 眼 を する た 白い 兎 が 彼女 の 近く に 走る て くる ます た 。 # それ だけ で も 十分 不思議 だ た の だ 、 さらに アリス は 兎 が こう 独り言 を 言う の を 聞く て も 、 おかしい と は 思う ます ぬ です た 。 「 やれやれ ! 遅れる て しまう ぞ ! 」 。 ( 後 で 考える て みる と 、 この こと は 変 だ 思う ない ば なる ない た の だ 、 この 時 は 全て が 全く 自然 だ こと の よう だ 見える た の です ) 。 兎 が 実際 に チョッキ の ポケット から 時計 を 出す て 、 それ を 見つめる 、 そして また 急ぐ 始める と 、 アリス も 走る 始める ます た 。 と いう の は 彼女 は チョッキ を 着る た 兎 や 、 その チョッキ から 出る て くる た 時計 を 今 まで 見る た こと が ない 、 と いう 思い が 心 の 中 に さっと 浮かぶ で くる た から です 。 好奇 心 に 駆る れる て 、 彼女 は 兎 の あと を つく て 野原 を 横切る 、 幸運 だ こと に 、 兎 が 垣根 の 下 の 大きな 兎 穴 に 飛び込む だ の を 見る の だ 、 調度 間に合う ます た 。 # 次 の 瞬間 、 アリス は 兎 の あと を 追う て 飛び込む ます た 。 その 穴 から どう やる て 出る か 、 と は 一 度 も 考える ぬ に 。 # 兎 穴 は 暫く は トンネル の よう だ まっすぐ 続く て いる ます た が 、 突然 が くっ 、 と 落ち込む ます た 。 余り に 突然 だ た の だ 、 アリス は 止まる と する 間 も ない 、 とても 深い 井戸 の 中 に 落ちる て いく ます た 。 # その 井戸 が とても 深い せい か 、 あるいは 彼女 が とても ゆっくり と 落ちる た せい か 、 彼女 は 落ちる て いく 間 に 自分 の まわり を 見回す 、 次 に 何 が 起こる の か を 考える ゆとり が ある ます た 。 最初 に 、 彼女 は 下 を 見る て 、 何 が 自分 を 待ち受ける て いる か を 見つける と する ます た 。 しかし 暗い すぎる て 何 も 見える ます ぬ です た 。 次 に 彼女 は 井戸 の 壁 を 見る ます た 。 する と そこ に は 戸棚 や 本棚 が 一杯 ある こと が 分かる ます た 。 また あちこち に 、 留め 釘 で 止める られる た 地図 や 絵 が ある の も 見える ます た 。 彼女 は 落ちる ながら ある 棚 から 瓶 を 取り出す ます た 。 そこ に は 「 オレンジ マーマレード 」 と ラベル が 貼る れる て いる ます た 。 しかし 残念 だ こと に 、 その 瓶 は 空っぽ です た 。 瓶 を する た だ 落とす 、 誰 か に 当たる て 死ぬ せる て しまう の は イヤ だ た の だ 、 落ちる て いく 間 に 、 また 別 の 戸棚 の 中 に 何 と か 押し込む ます た 。 # 「 さて ! 」 と アリス は 考える ます た 。 「 こんな だ 落ちる た ん だ もの 、 これ から は 階段 を 転げ落ちる た って 、 なん と も 思う ない わ 。 家 に 帰る た 、 みんな 私 の こと を どんな だ 勇敢 か って 思う です ね 。 ええ 、 屋根 の 上 から 落ちる た って 、 痛い なんて 一言 も 言う ない わ 」 ( ← それ は おそらく そう です ) # 下 へ 、 下 へ 、 下 へ 。 いつ まで も 落ちる て いく よう です た 。 「 もう 何 マイル 落ちる た かしら ? 」 アリス は 声 に 出す て 言う ます た 。 「 地球 の 真ん中 近く に 来る て いる だ 違う ない わ ね 。 えーと 。 それ は 4000 マイル 落ちる た 、 って こと だ から 、 そう する と ・ ・ ・ 」 ( お 分かる の よう だ 、 アリス は 学校 の 授業 で この よう だ こと を 幾 つ か 習う ます た 。 そこ に は 彼女 の 話 を 聞く 人 は 誰 も いる ない た の だ 、 これ は 彼女 の 知識 を 披露 する 余り 良い 機会 で は ない た の です が 、 それ で も 復習 に は 良い 練習 です た 。 ) 「 ・ ・ ・ ええ 、 それ が 正しい 距離 だ わ 。 で も 緯度 と 経度 は どう かしら ? 」 ( アリス は 経度 も 緯度 も どう いう もの か 知る て いる ます ぬ です た 。 しかし 、 これ ら は 口 に 出す の だ ふさわしい 重み の ある 言葉 と 思う た の です ) # ま も ない 彼女 は また 始める ます た 。 「 落ちる 続ける て 、 地球 を 突き抜ける た 面白い の だ ね ! 頭 を 下向き に する て 歩く 人々 の 間 に 出る て くる た 、 愉快 です ね ! タイ 商人 、 だ た かしら ・ ・ ・ ( 今回 は 彼女 の 話 を 聞く 人 が 誰 も 居る ない た の は 、 幸い だ こと です た 。 それ は 全く 正しい 言葉 に は 見える ます ぬ です た から ) ・ ・ ・ で も その 国 の 名前 を 聞く ない ちゃ なる ない わ 、 そう です ? 済む ます ぬ が 、 こちら は ニュージーランド かしら 、 それ と も オーストラリア ? ( 彼女 は 話す ながら 礼儀 正しい 振舞う と する ます た が 、 空中 を 落ちる て いる の だ 礼儀 正しく なんて 、 奇妙 だ 話 です 。 あなた は できる ます か ? ) ・ ・ ・ する と 向こう の 人 は 、 なんて 無知 だ 小娘 か 、 って 私 の こと を 思う です ね ! 駄目 よ 、 そんな こと を 訊く て も 意味 ない わ 。 国名 が どこ か に 書く れる てる ない か 、 見る て みる こと に する 」 # 下 に 、 下 に 、 下 に 。 他 に 何 も する こと が 無い た の だ 、 アリス は また 喋る 始める ます た 。 「 ダイナ は 今晩 、 私 が 居る ない て とても 淋しい がる です ね ! ( ダイナ は ネコ です ) 。 お 茶 の 時間 に ミルク 皿 を 出す こと を 、 みんな 忘れる ない と いい ん だ けど 。 ダイナ ! 一緒 に 落ちる て くれる ば いい の だ ! 空中 に は ネズミ は 居る ない と 思う けど 、 コウモリ を 捕まえる と いい わ 。 コウモリ は ネズミ と そっくり だ もの 。 ね ? で も ネコ は コウモリ を 食べる かしら 」 。 そして ここ で アリス は ちょっと 眠い なる 、 寝言 の よう だ 独り言 を いう 続ける ながら 、 「 ネコ は コウモリ を 食べる かしら ? 猫 は コウモリ を 食べる かしら ? 」 そして 時々 「 コウモリ は ネコ を 食べる かしら ? 」 。 お 分かる の よう だ 、 彼女 は どちら の 疑問 に も 答える こと が できる ない た の だ 、 彼女 が どう 言う と 問題 は ない の です た 。 彼女 は 眠り に 落ちる て いく 、 ダイナ と 手 を 繋ぐ で 歩く て いる 夢 を 見る はじめる ます た 。 そして 熱心 だ 言う ます た 。 「 さあ 、 ダイナ 、 本当 の こと を 言う て ごらん 。 コウモリ を 食べる た こと が ある の ? 」 。 その 時 突然 、 ドスン ! ドスン ! と 、 彼女 は 枝 と 枯葉 の 山 に 落ちる ます た 。 落下 行 は 終わる ます た 。 # アリス は 怪我 一 つ ない 、 次 の 瞬間 に は 自分 の 足 で 跳ね起きる ます た 。 彼女 は 上 を 見る ます た が 、 頭上 に は 真っ暗 です た 。 彼女 の 前 に は 別 の 長い 通路 が ある 、 あの 白い 兎 が 急ぐ で 行く の が まだ 見える て いる ます た 。 ぐずぐず する て いる 時間 は ある ます ぬ 。 アリス は 風 の よう だ そこ を 去る 、 兎 に 追いつく と する ます た 。 そして 兎 が 角 を 曲がる 時 、 こう 言う の を 聞く た の です 。 「 ああ 、 耳 と 口ひげ に かける て 、 こんな だ 遅れる て しまう た ! 」 彼女 は 角 を 曲がる 時 に は 、 兎 の すぐ 後ろ に 居る た の です が 、 曲がる 終わる と 兎 は どこ に も 居る ます ぬ です た 。 そこ は 長い 、 天井 の 低い 広間 だ 、 屋根 から 吊るす れる た ランプ の 列 が あたり を 照らす て いる ます た 。 # 広間 の 周り 中 に 扉 が 付ける られる て いる ます た が 、 みんな 鍵 が 掛かる て いる ます た 。 広間 の 片方 から もう 片方 へ 歩く ながら 、 全て の 扉 を 試す て みる ます た が 、 駄目 です た 。 彼女 は 広間 の 真ん中 を 悲しい げ だ 歩く ながら 、 どう やる て ここ から 出る か と 考える ます た 。 # 突然 、 彼女 は 全体 が 硬い 硝子 で 出来る た 、 小さな 三 本 脚 の テーブル に 出くわす ます た 。 そこ に は ちっぽけ だ 金 の 鍵 の ほか に は 、 何 も ある ます ぬ です た 。 最初 、 アリス は その 鍵 が この 広間 の どれ か の ドア の もの だ 、 と 思う ます た 。 けれど も どの 鍵穴 も 大きい すぎる たり 、 また は 鍵 が 小さい すぎる たり する て 、 どんな だ する て も 鍵 は どの 扉 も 開ける られる ます ぬ です た 。 しかし もう 一 度 探す て みる と 、 彼女 は 前 に は 気付く ない た 背 の 低い カーテン を 見つける ます た 。 その 後ろ に は 15 インチ くらい の 小さな ドア が ある ます た 。 彼女 は その 小さな 金 の 鍵 を 差し込む で 見る ます た 。 する と 嬉しい こと に 、 それ は ピッタリ だ た の です ! # アリス が 扉 を 開ける と 、 そこ は 兎 穴 ほど の 大きい さ の 小さな 通路 です た 。 彼女 は 膝 ま づく て 通路 を 覗き込む ます た 。 する と その 先 に は 見る た こと も ない ほど ステキ だ 庭 が 見える ます た 。 その 暗い 広間 から 抜け出す て 、 この 明るい 花々 の 蕾 や 涼しい げ だ 噴水 の 周り を 散歩 する と 、 彼女 は どんな だ 望む だ こと です 。 しかし 頭 さえ も 扉 を 通り抜ける こと が できる ます ぬ です た 。 「 そして 頭 が 通る た と する て も 、 」 と 可哀想 だ アリス は 思う ます た 。 「 肩 が 通る ない ば 意味 ない だ ない の 。 うーん 、 望遠 鏡 の よう だ 体 が 折り畳める と いい ん だ けど ! 初め だけ 、 どの よう だ 畳める か 知る て いる ば 、 後 は できる と 思う ん だ けど 」 。 お 分かる の よう だ 、 おかしな こと ばかり が 続く た の だ 、 アリス は 本当 だ 出来る ない こと など ほとんど ない 、 と 思う はじめる て いる た の です 。 # その 小さな 扉 の 前 で 待つ て いる て も 埒 が あく ない の だ 、 別 の 鍵 や 、 そう だ ない ば せめて 人間 を 望遠 鏡 の よう だ 折りたたむ 法則 を 書く た 本 で も 見つかる ない か と 半分 願う ながら 、 彼女 は テーブル の ところ に 戻る て いく ます た 。 今度 は 小さな 瓶 を 見つける ます た 。 ( 「 そんな 瓶 、 前 見る た 時 に は 確か だ ない た わ 」 、 と アリス は 言う ます た ) 。 瓶 の 首 に は 紙 の ラベル が 貼る て ある 、 「 私 を 飲む なさる 」 と いう 言葉 が 大 文字 で 美しい 印刷 する れる て いる ます た 。 # その 言葉 通り に する の は 悪い こと で は ある ます ぬ が 、 賢い アリス は それ に は 飛びつく ます ぬ です た 。 「 いいえ 。 最初 に きちんと 見る ない ちゃ ね 」 と 彼女 は 言う ます た 。 「 だ 、 その 瓶 に 「 毒 」 と いう 文字 が ある か どう か 、 見る ない ちゃ ね 」 。 と いう の は 彼女 は 、 友達 が 教える て くれる た 簡単 だ ルール を 忘れる た ばかり だ 、 やけど する たり 、 野獣 に 食べる られる たり 、 ほか の 恐ろしい 事柄 に 見舞う れる て しまう た 子供 たち の 話 を 、 いく つ か 読む だ こと が ある た から だ の です 。 その ルール と は 、 こう いう もの です た 。 赤い 熱い 火 棒 は 、 長い 持つ すぎる て いる と 焼く ど する 。 ナイフ で 指 を とても 深い 切る て しまう と 、 大抵 血 が 出る 。 そして 彼女 は 、 もし 「 毒 」 と 書く れる た 瓶 を 飲む すぎる と 、 遅し 早し 、 ほとんど 間違い ない 体 に 害 を 与える て しまう 、 と いう ルール を 忘れる て は いる ます ぬ です た 。 # しかし 、 この 瓶 は 「 毒 」 と は 印す れる て いる ます ぬ です た 。 そこ で アリス は 思い切る て それ を 舐める て みる ます た 。 とても よい 味 です た 。 ( 実際 、 瓶 は チェリー ・ タルト 、 カスタード 、 パイナップル 、 炙る 七 面 鳥 、 タフィー 、 そして 熱い バター ・ トースト が 混ぜ合わさる た よう だ 味 です た ) 。 彼女 は すぐ だ それ を 飲み干す て しまう ます た 。 # 「 なん て ヘン てこ だ 気分 かしら ! 」 と アリス は 言う ます た 。 「 私 は 望遠 鏡 の よう だ 縮む で いう てる だ 違う ない わ 」 # 実際 に そう です た 。 彼女 は 今 、 ほんの 10 インチ しか ある ます ぬ です た 。 そして 小さな ドア を 通う て あの ステキ だ 庭 に いく の だ 調度 よい 身長 に なる た こと が 分かる と 、 彼女 の 顔 は 明るい なる ます た 。 しかし 、 初め に 彼女 は 何 分 か 待つ て 、 これ 以上 縮む ない か どう か を 確かめる ます た 。 彼女 は 少し 神経 質 に なる てる ます た 。 「 だ って そう よ ね 」 と アリス は 独り言 を 言う ます た 。 「 蝋燭 の よう だ 全部 消える て しまう か も しれる ない です 。 そう なる た 、 私 は どんな 風 だ なる の かしら ? 」 そして 彼女 は 蝋燭 が 吹き消す れる た あと 、 蝋燭 の 炎 が どう なる て いる か を 想像 する と する ます た 。 と いう の は 彼女 は 今 まで に その よう だ もの を 見る た こと が ある か どう か 、 覚える て いる ない た から です 。 # 少し する て 、 これ 以上 何 も おきる ない と 分かる と 、 彼女 は すぐ だ 庭 に 行く こと に する ます た 。 しかし 哀れ だ こと に 、 扉 に たどり着く た 時 、 彼女 は あの 小さな 金 の 鍵 を 忘れる た こと に 気付く ます た 。 そして それ を 取る に テーブル に 戻る と 、 鍵 に は 手 が 届く ない こと が 分かる ます た 。 彼女 は 硝子 ごし に 鍵 を はっきり と 見る こと が できる た し 、 テーブル の 脚 を なん と か よじ登る と も する ます た が 、 それ は 余り だ つるつる と 滑る やすい た の です 。 そして 彼女 は 登る の だ 疲れる て しまう と 、 座り込む で 泣く ます た 。 # 「 しっかり する の よ 、 こんな 風 だ 泣く た って 何 の 役 に も 立つ ない わ ! 」 アリス は 少し 厳しい 自分 自身 に 言い聞かせる ます た 。 「 今 すぐ 泣く の を やめる なさる ! 」 彼女 は いつ も は とても よい 忠告 を 自分 自身 に あたう ( もっとも 滅多 だ それ に は 従う ない の です が ) 、 時 に は 眼 に 涙 を 浮かべる ほど 厳しい 自分 自身 を 叱る の です 。 一 度 など 彼女 は 自分 で 遊ぶ で いる た ク ロケット の 試合 だ 、 ズル を する た と いう て 、 自分 自身 の 耳 を 殴りつける た こと すら ある た の です 。 この 奇妙 だ 子供 は 一人 で 二 役 を する たがる 癖 を 持つ て いる ます た 。 「 で も 、 今 は 駄目 だ わ 」 と 可哀想 だ アリス は 思う ます た 。 「 一人 で 二 役 する なんて ! もう 一人 の 立派 だ 人間 の 役 を する だけ の 余裕 が ない わ 」 # 少し する と 、 テーブル の 下 に 小さな 硝子 箱 が ある の が 眼 に とまる ます た 。 開ける て みる と 、 中 に は とても 小さな ケーキ が 入る て いる ます た 。 その 上 に は 「 私 を 食べる なさる 」 と いう 文字 が 、 干す 葡萄 で 書く れる て いる ます た 。 「 で は 、 食べる こと に する ます 」 と アリス は いう 、 「 もし 大きい なる た 、 鍵 に 手 が 届く し 、 もっと 小さい なる ん だ た 、 扉 の する た から 這い出る こと が できる わ 。 どっち に する て も 、 庭 に は 行ける し 、 どっち が 起きる て も 気 に する ない わ 」 # 彼女 は 少し だけ 食べる て 、 心配 そう だ 独り言 を 言う ます た 。 「 どっち かしら ? どっち かしら ? 」 手 を 頭 の 上 に 置く て 、 どっち が 起きる か を 感ずる と ま する た 。 そして 身長 が 変わる ない こと に 気付く て 、 彼女 は 大変 驚く ます た 。 はっきり 言う ば 、 この こと は 人間 が ケーキ を 食べる とき に 普通 起きる こと です 。 しかし アリス は 有る 得る ぬ いく と ばかり を 想像 する てる ます た から 、 そんな 風 だ ありきたり の 生活 が 続く こと が 酷い つまる ない 、 馬鹿馬鹿しい こと の よう だ 思える て いる た の です 。 # と いう の だ 彼女 は 作業 を 続ける 、 すぐ だ ケーキ を 食べる 終える て しまう ます た 。 # 涙 の 水溜り # 「 ろ ん ろ ん 、 ろ ん ろ ん 、 おかしい なる て いく わ ! 」 と アリス は 叫ぶ ます た 。 ( 彼女 は とても 驚く た の だ 、 ちょっと の 間 、 きちんと する た 言葉 を 喋れる ない なる て いる ます た ) 。 「 今 や 世界 一 大きな 望遠 鏡 の よう だ 、 体 が 伸びる て いる わ ! 足 さん 、 さようなら ! 」 ( と いう の は 足 を 見下ろす た とき 、 それ は ほとんど 視野 から 外れる て 行う て しまう て いる た から です た 。 足 は 遠く に なる て いく ます た ) 。 「 私 の 可哀想 だ 小さな 足 ! 誰 が お前 に 靴 や 靴下 を 履く せる たり する の かしら ? 私 が できる ない の だけ は 確実 ね ! あまり だ 遠い すぎる て 、 お前 の 世話 なんか できる ない わ 。 お前 は できる だけ 頑張る て 、 自分 で 自分 の こと を する ない ちゃ ね 。 で も 私 は 足 に 親切 だ する て やる ない ちゃ 」 と アリス は 思う ます た 。 「 だ ない と 足 は 私 の 思う 方 へ 歩く て くれる ない だ し ! えーと 。 クリスマス に は 毎回 、 新しい ブーツ を 買う て やる こと に する 」 # そして 彼女 は どの よう だ する か を 考える 続ける ます た 。 「 ブーツ は 配達 する て もらう ない と ね 」 と アリス は 考える 、 「 で も どんな だ おかしい 見える かしら ね 、 自分 の 足 に プレゼント を 贈る なんて ! それ に あて先 も ヘン よ ! # 暖炉 県 絨毯 市   暖炉 格子 区   アリス の 右足 様   ( アリス より 愛 を 込める て ) # って 、 私 、 なんて 馬鹿 だ こと を 喋る て いる ん だ ! 」 # そう 言う た とたん 、 頭 が 広間 の 天井 に ぶつかる ます た 。 実際 に は 今 や 彼女 の 身長 は 9 フィート 以上 に なる て おる 、 彼女 は すぐ だ 小さな 金 の 鍵 を 取り上げる と 、 庭 の 扉 に 急ぐ ます た 。 # 可哀想 だ アリス ! 腹ばい に なる て 扉 から 庭 を 片目 で 覗き込む の が 、 彼女 に できる 精 一杯 の こと です た 。 しかし そこ を 通り抜ける の は 、 これ まで 以上 に 不 可能 だ よう だ 見える ます た 。 彼女 は 座る て また 泣く 始める ます た 。 # 「 恥 を 知る なさる ! 」 と アリス は いう ます た 。 「 お前 の よう だ 大きな 女の子 が 」 ( こう 言う の も もっとも です 。 今 の アリス は 9 フィート も ある ます から ね ) 「 こんな 風 だ 泣く 続ける なんて ! 今 すぐ 泣く の を やめる なさる 、 命令 よ ! 」 しかし 彼女 は 同じ よう だ 泣く 続ける 、 何 ガロン もの 涙 を 流す ます た 。 仕舞い に は 彼女 の 周り に は 大きな 水溜り が できる ます た 。 水溜り は 4 インチ も の 深い さ が ある 、 広間 の 半分 に まで 広がる て いる ます た 。 # しばらく たつ と 、 遠く の 方 だ 何 やら 小い さ だ パタパタ 言う 足音 が 聞こえる ます た 。 彼女 は 急ぐ で 泣く の を 止める て 、 何 が 来る か を 見る と する ます た 。 それ は あの 白い 兎 が 戻る て くる ところ です た 。 片手 に 羊皮 の 白 手袋 、 もう 片手 に 大きな 扇子 を もつ て 、 素晴らしい 着飾る て いる ます た 。 彼 は 非常 だ 慌てる て 駆け足 する 、 ぶつぶつ と 独り言 を 言う ながら 出 て くる ます た 。 「 ああ ! 公爵 夫人 、 公爵 夫人 ! こんな だ 待つ せる て しまう て 、 凶暴 だ なる てる ない ば いい が ! 」 アリス は やけっぱち に なる て いる て 、 誰 で も いい から 助け を 求める 気 に なる てる ます た から 、 兎 が 彼女 の 傍 に 来る た とき 、 彼女 は 低い 、 おどおど する た 声 で 「 済む ます ぬ 、 よろしい ば ・ ・ ・ 」 と やる ます た 。 兎 は びっくり する て 城 の 皮 手袋 と 扇子 を 落とす 、 できる 限り の 速い さ で 暗がり に 走り去る て しまう ます た 。 # アリス は 扇子 と 手袋 を 拾い上げる ます た 。 広間 は とても 暑い た の だ 、 彼女 は ずっと あおぐ 続ける ながら 喋る ます た 。 「 さてさて ! 今 - 日 は なん て 奇妙 だ こと ばかり だ の かしら ! 昨日 は 普通 通り だ た 。 夜 の うち に 何 か 私 に 変化 で も 訪れる た の かしら 。 考える て みる 。 今朝 起きる た とき 、 私 は 同じ だ た かしら ? 少し 違う た 気 が する た けど 。 で も 私 が 同じ だ ない と する た 、 次 の 疑問 は 、 一体 全体 私 は 誰 ? と いう こと に なる わ ね 。 ひ ー 、 これ って 難問 だ わ ! 」 そして 彼女 は 自分 と 同い年 の 、 知り合い の 子供 たち を 片っ端 から 思い出す はじめる ます た 。 自分 が 、 彼 ら の うち の どれ か に 変身 する て ない か 、 考える ながら 。 # 「 エイダ だ ない の は 確か だ わ 」 と アリス は 言う ます た 。 「 彼女 の 髪 は 長い 巻き毛 だ けど 、 私 の は 全然 巻き毛 だ ない もの 。 マーベル だ は ない の も 確か だ わ 。 なぜ って 、 私 は 何 で も 知る て いる けど 、 彼女 と くる た 、 ほとんど 何 も 知る ない もの ! それ に 、 彼女 は 彼女 で 、 私 は 私 だ し 。 それ に ・ ・ ・ 全く これ は 厄介 だ 問題 ね 。 知る て いる こと を 全部 覚える て いる か どう か 、 試す て みる 。 えーと 。 4 かける 5 は 12 、 4 かける 6 は 13、4 かける 7 は ・ ・ ・ 待つ て ! こんな 調子 だ 、 絶対 に 20 まで たどり着ける ない わ ! 大体 九九 の 表 は 重要 だ ない し 。 地理 に する て みる 。 ロンドン は パリ の 首都 です 。 パリ は ローマ の 首都 です 。 そして ローマ は ・ ・ ・ 駄目 、 これ は 全然 違う 、 確か だ 違う わ ! 私 は マーベル に なる ちゃう た ん だ わ ! 『 どんな だ 小い さ だ ・ ・ ・ 』 を 暗誦 する て みる 。 」 そして 彼女 は 暗誦 の 授業 の 時 の よう だ 、 膝 の 上 に 手 を 組 ん だ 始める た の です た 。 しかし 彼女 の 声 は かすれる て ヘン だ なる て いる て 、 言葉 は 前 と 同じ よう だ は 出る て くる ます ぬ です た 。 # どんな だ 小さな ワニ が 輝く 尻尾 を 改善 する て いく こと だ 、 ナイル 中 の 水 を 注ぐ 全て の 黄金 の 鱗 に ! # どんな だ 楽しい げ だ 鰐 は 笑う こと だ 、   どんな だ 綺麗 だ 爪 を 広げる こと だ 、   そして 小さな 魚 を 誘い込む こと だ ろう   優しい げ だ 笑う 顎 で も って ! #   どんな だ 小さな 働き者 の ミツバチ が 輝く 一 時間 を 改善 する て いく こと だ 一 日 中 蜂蜜 を 集める 全て の 咲く た 花 から ! # どんな だ 巧み だ 蜜蜂 は 巣 を 造る こと だ ! どんな だ 綺麗 だ ワックス を 塗る こと だ ! そして 勤勉 だ 巣 を 埋める こと だ 自分 で 作る た 甘い 食べ物 で も って 。 # 「 こんな の 正しい 文句 だ ない わ 。 」 と アリス は 言う ます た 。 そして 彼女 は 続ける ながら 、 また 眼 を 涙 で 一杯 だ する ます た 。 「 結局 、 私 は マーベル だ た の よ 。 私 は あの ブタ 小屋 の よう だ 小さな 家 に 行く て 住む ない ちゃ なる ない 。 玩具 も ない わ 。 それ に 沢山 の 習い事 が ある わ ! いいえ 、 決心 する た わ 。 もし 自分 が マーベル だ た 、 ここ に 居る ! 誰 か が 上 から 『 出る て きる なさる ! 』 と いう て も 無駄 だ わ 。 私 は 上 を 見上げる て こう 言う だけ 。 『 じゃ 、 私 は 誰 だ の ? それ を 先 に 教える て もらう て 、 それ から その 人 に なる の が 好き だ た 、 私 は 出る て くる わ 。 そう だ ない た 、 誰 か 他 の 人 に なる まで ここ に 居る わ 。 』 - で も 、 」 と アリス は 突然 涙 を 噴き出す ながら 叫ぶ ます た 。 「 誰 か が こっち を 覗く て くれる と いい ん だ けど ! ここ に 一人ぼっち だ いる の は もう 疲れる た わ ! 」 # こう いう と 彼女 は 自分 の 手 を 見下ろす ます た 。 する と 驚く た こと に 、 彼女 は 話 する て いる 間 に 兎 の 小さな 革 手袋 を 付ける て いる た の です 。 「 どう する て こんな こと が 出来る た の かしら ? 」 彼女 は 考える ます た 。 「 私 、 また 小さい なる て いる ん だ わ 。 」 彼女 は 立ち上がる て テーブル に 行く 、 それ を 使う て 身長 を 測る ます た 。 知恵 を 振り絞る て 考える と 、 彼女 は 今 大体 2 フィート の 背丈 だ 、 そして 急速 だ 縮む で いる の です 。 彼女 は すぐ だ この 原因 は 手 に 持つ て いる 扇子 だ と 気付く て 、 慌てる て それ を 落とす ます た 。 危い 縮む で 無くなる て しまう ところ です た 。 # 「 危ない た わ ! 」 と アリス は 突然 の 変化 に 大層 震える て 言う ます た 。 しかし 自分 が まだ 消える て いる ない こと が わかる て とても 喜ぶ ます た 。 「 さあ 、 庭 に 行く ます ! 」 そして 小さな 扉 へ 戻る と 、 できる だけ の 速い さ で 駆け寄る ます た 。 しかし 、 なん と いう 事 です ! 小さな 扉 は また 閉まる て おる 、 小さな 黄金 の 鍵 は また 前 と 同じ よう だ テーブル の 上 に ある ます た 。 「 前 より 事態 は 悪い なる た わ 」 と 可哀想 だ 子供 は 思う ます た 。 「 今 まで こんな だ 小さい なる た こと は 無い た もの ! 無い た ん だ から ! これ は ひどい と 断言 できる わ ! 」 # こう 言う ざま 、 彼女 は 足 を 滑らす ます た 。 そして 次 の 瞬間 、 ざぶん ! と 顎 まで 塩水 に 浸かる ます た 。 最初 に 彼女 が 思う た の は 、 海 に 落ちる た ん だ ない か 、 と いう こと です た 。 「 そう だ と する た 、 汽車 で 帰れる わ 」 と 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 ( アリス は これ まで に 一 度 だけ 海辺 に 行く た こと が ある ます た 。 そして その 経験 から こんな 考え を 持つ て いる ます た 。 イギリス の 海岸 は どこ に 行く て も 海 に は 沢山 の 移動 更衣 車 が ある 、 子供 たち は 木 の シャベル で 砂 を 掘る て おる 、 海 の 家 の 列 が ある 、 その 後ろ は 駅 です た 。 ) しかし 、 すぐ だ 彼女 は 自分 が 涙 の 水溜り に いる こと が 分かる ます た 。 それ は 彼女 が 9 フィート の 大きい さ の 時 に 泣く て 造る た もの です た 。 # 「 こんな だ 泣く ん だ ない た ! 」 と 出口 を 探す て 泳ぐ ながら アリス は 言う ます た 。 「 今度 は 自分 の 涙 で 溺れる て しまう 罰 を 食らう ハメ に なる た わ ! 全く おかしな 話 よ ね ! で も 今日 は 全て の こと が へんてこ だ わ 。 」 # 調度 その 時 、 少し 離れる た ところ で 何 か バ シャ と いう 音 が 聞こえる ます た 。 そして 彼女 は それ が 何 か 確かめる と 、 近く に 泳ぐ で いく ます た 。 最初 、 それ は セイウチ か 河馬 だ と 思う ます た が 、 自分 が 今 は 小さい なる て いる こと を 思い出す と 、 彼女 は すぐ だ それ は 単なる ネズミ だ と いう こと に 気 が つく ます た 。 ネズミ も 彼女 と 同じ よう だ 滑る て 水 に 落ちる た の です 。 # 「 この ネズミ に 話しかける の は 、 」 と アリス は 考える ます た 。 「 意味 が ある こと かしら ? ここ で は 全て の こと が 普通 だ ない から 、 ネズミ も きっと 口 がき ける です 。 どっち に する た って 、 試す て 見る て も 損 は ない わ 。 」 彼女 は 話しかける ます た 。 「 ネズミ よ 、 この 水溜り から 出る に は どう する た いい かしら ? ここ で 泳ぐ で いる の だ とる て も うんざり する た の 、 ネズミ よ ! 」 ( アリス は これ が ネズミ に 話しかける 正しい やる 方 だ と 思う て いる ます た 。 彼女 は そんな こと を する た こと は 無い た の です が 、 兄 の ラテン 語 文法 の 本 の 中 に 、 こう いう の が ある の を 思い出す た の です 。 「 ネズミ は 、 ネズミ の 、 ネズミ へ 、 ネズミ を 、 ネズミ よ ! 」 ネズミ は 幾ら か 怪訝 そう だ 彼女 を 見つめる ます た 。 その 小さな 眼 の 一 つ が 瞬き を する た よう だ 彼女 に は 見える ます た が 、 ネズミ は 何 も 言う ます ぬ です た 。 # 「 たぶん 、 英語 が 分かる ない ん だ わ 」 と アリス は 思う ます た 。 「 ウィリアム 征服 王 と 一緒 に 来る た 、 フランス の ネズミ か も しれる ない 。 」 ( こう 思う た の は 、 アリス に は 歴史 の 知識 が 余り ない 、 歴史 上 の 事件 が どれ ほど 前 に 起きる た の か 、 はっきり と は 分かる ない た から だ の です た 。 ) それ で 彼女 は また 続ける ます た 。 「 ウ エ マ シャ ? ( 私 の ネコ は どこ かしら ? ) 」 それ は 彼女 の フランス 語 の 本 の 最初 の 文章 です た 。 鼠 は 水 から 突然 跳ぶ 出る て 、 恐怖 で 体 全体 が 震える て いる よう です た 。 「 ある 、 御免 なさる ! 」 アリス は この 可哀想 だ 動物 の 気分 を 害す た か と 思う て 、 急ぐ で 大声 で 謝る ます た 。 「 あなた が 猫 嫌い と いう の を すっかり 忘れる てる ます た 。 」 # 「 猫 嫌い だ って ! 」 と 鼠 は キーキー と 感情 的 だ 声 で 叫ぶ ます た 。 「 もし 君 が 僕 だ た 猫 が 好き か い ? 」 # 「 そう ね 、 多分 スキ だ ない です 」 と アリス は 穏やか だ 調子 で 答える ます た 。 「 そんな だ 怒る ない で 。 で も 私 の 猫 の ダイナ を 見せる て あげる たい わ 。 見 さえ する ば 、 猫 を 好き だ なる と 思う わ 。 ダイナ は それ ほど 、 ステキ だ 穏やか だ もの だ の よ 。 」 と アリス は 水溜り で 怠惰 だ 泳ぐ ながら 、 半分 は 自分 に 言い聞かせる よう だ 、 続ける ます た 。 「 そして 暖炉 の 傍 に 座る て ゴロゴロ 言う の 。 前足 を 舐める たり 、 顔 を 洗う たり する ながら - ダイナ は 愛らしい て 柔らかい て 可愛い がる たい なる わ - おまけ に ダイナ は 鼠 捕る の 大した 腕前 を 持つ て いる の よ - あら 、 御免 なさる ! 」 アリス は また 大声 で 謝る ます た 。 今度 は 鼠 は 怒り で 全 身の毛 を 逆立てる て おる 、 彼女 は 自分 が とても 彼 を 怒る せる た と 確か だ 感じる ます た から 。 「 あなた が お 嫌 だ 、 私 たち 、 もう ダイナ の こと は 話す ない よう だ する ます 」 # 「 全く だ ! 」 と 鼠 は 尻尾 の 先 まで 震える ながら 叫ぶ ます た 。 「 まるで 、 そんな こと に つく て 僕 が 話す みたい だ ない か ! 僕 の 一族 は ずっと 猫 嫌い だ ん だ ぞ 。 汚らしい 、 低級 だ 、 卑しい イキ モノ ! 二 度 と その 名前 は 聞く たい ない ね ! 」 # 「 私 も 話す ない わ ! 」 と アリス は 言う て 、 できる だけ 急ぐ で 会話 の 話題 を かえる と する ます た 。 「 あなた は - あなた は 好き です - か - か 、 犬 が ? 」 鼠 は 応える ます ぬ です た の だ 、 アリス は 熱心 だ 続ける ます た 。 「 私 の 家 の 近く に ステキ だ 小さな 狗 が いる の 。 あなた に 見せる て やる たい くらい 。 小さな 輝く 眼 を する た テリア よ 。 ええ 、 長い て カール する た 茶色い 髪 の ! だ 、 物 を 投げる た 取る て くる の 。 それ に 、 ちんちん を する て ご飯 を ねだる の よ 。 それ から 色んな こと が できる わ - 半分 も 覚える てる ない けど - それ から 、 その 犬 は 農家 の もの だ の 。 その 農家 の 人 は 言う てる た わ 。 彼 は とても 役 に 立つ って 、 何百 ポンド もの 値打ち が ある って ! つまり それ は 鼠 を 全部 殺す て しまう から だ ん だ けど - あら 、 待つ て ! 」 と アリス は 済む ない よう だ 声 で 叫ぶ ます た 。 「 彼 を また 怒る せる て しまう た みたい だ わ ! 」 鼠 は 力 いっぱい 彼女 から 泳ぎ去る た の だ 、 その 後 に は 大きな 波 が たつ ます た 。 # それ で 彼女 は 呼びかける ます た 。 「 鼠 さん ! お 願う 戻る て くる て 、 お すき だ ない だ 猫 も 犬 も 話す ます ぬ から ! 」 鼠 は これ を 聞く て 、 向き を 変える て ゆっくり と 彼女 の ところ へ 泳ぐ 帰る ます た 。 鼠 の 顔色 は ひどい 青白い もの です た ( 怒る て いる の ね 、 と アリス は 思う ます た ) 。 そして 低い おびえる た 声 で 言う ます た 。 「 岸 に 行く 、 そ する た 私 の 昔話 を 聞く せる よ 。 そう する ば 、 君 は なぜ この 僕 が 猫 と 犬 が 大嫌い だ の か 、 分かる だ よ 」 # それ は 調度 良い 時間 です た 。 と いう の は 水溜り は 、 落ち込む で くる た 鳥 や 動物 で 酷い 込む で くる た から です 。 あひる と ドードー 、 鸚鵡 に 鷲 の 子 、 その ほか の 奇妙 だ 生物 が そこ に は 居る ます た 。 アリス は 先頭 に 立つ 、 全員 が その 後 に つく て 岸 に 泳ぐ で いく ます た 。 # 政党 集会 レース と 長い 尾 話 # 岸 に 上がる た その 動物 たち は 、 実 に 奇妙 だ なる を する て いる ます た 。 濡れる て 汚れる た 羽 を する た 鳥 たち 、 濡れる て ぺったんこ だ なる た 毛皮 を する た 動物 たち 。 みんな ずぶ濡れ だ 、 不 機嫌 だ 、 不 愉快 です た 。 # 最初 の 疑問 は もちろん 、 どの よう だ する て 乾かす か 、 です た 。 みんな は その 事 に つく て 相談 する ます た が 、 数 分 後 に は 、 アリス は これ まで ずっと 友達 だ た か の よう だ 、 親しい 彼 ら と 話し合える よう だ なる ます た 。 実際 、 彼女 は 鸚鵡 と ひどい 長い 論争 を する た の だ 、 最後 に は 鸚鵡 は すねる て 「 ワシ は お前 さん より 年長 だ ん だ から 、 ずっと よく 知る て いる ん だ 」 と 言う のみ です た 。 で も アリス は 鸚鵡 の 年 を 知る ます ぬ です た から 、 この こと に つく て は 承知 する ます ぬ です た 。 そして 鸚鵡 は 全く 自分 の 年 を あかす と は する ます ぬ です た から 、 それ 以上 は 埒 が あく ない の です た 。 # 最後 に 鼠 が 呼びかける ます た 。 ( 鼠 は その 一座 の 頭 の よう です た ) 。 「 皆 さん 、 座る て 、 僕 の 言う 事 を 聞く て くださる 。 すぐ だ みる ない さん を 十分 だ 乾かす ます よ ! 」 一同 は 全員 、 すぐ だ 鼠 を 真ん中 に する て 大きな 輪 を つくる て 座る ます た 。 アリス は 一生 懸命 、 ねずみ を 見つめる ます た 。 と いう の は 彼女 は すぐ だ 乾かす ない と 、 風邪 を 引く て しまう と 感ずる た から です 。 # 「 えへん ! 」 と 鼠 は もったいぶる て 言う ます た 。 「 皆 さん 用意 は 宜しい です か ? これ は 全く もつ て 、 今 まで 僕 が 耳 に する た 中 で 、 一番 無味 乾燥 だ 話 だ の です よ 。 どう か 静か だ する て くださる ! 『 遠征 の 理由 を 法皇 に 認める られる た ウィリアム 征服 王 は 、 すぐさま イギリス 人 を 従える た 。 と いう の は イギリス 人 は 上 に 立つ もの を 欲する て いる た から だ ある 、 近頃 で は 強奪 や 侵略 が 横行 する て いる た から だ ある 。 マーシャ と ノーザン ブリア の 領主 、 エドウィン と マーカー は ・ ・ ・ 」 # 「 アー ッ 」 と ぶるっ と 震える て 鸚鵡 は 言う ます た 。 # 「 済む ます ぬ が ! 」 と ねずみ は 眉 を 顰める ながら も 、 とても 丁寧 だ 言う ます た 。 「 何 か 仰る ます た か ? 」 # 「 いや 、 ワシ で は ない ! 」 と 鸚鵡 は 急ぐ で いう ます た 。 # 「 あなた だ と 思う た の です が 」 と 鼠 は 言う ます た 。 「 ・ ・ ・ 続ける ます 。 『 マーシャ と ノーザン ブリア の 領主 たる エドウィン と マーカー は 、 ウィリアム 王 に 忠誠 を 誓う た 。 そして 愛国 の 徒 、 カンタベリー の 大 僧正 ス タイ ガン ド だ すら 、 それ を 得策 と 見る て ・ ・ ・ 』 # 「 何 を 見る た ん だ ? 」 と 家鴨 は 言う ます た 。 # 「 それ を 見る て 」 と 、 鼠 は 些か 不 機嫌 に 応える ます た 。 「 もちろん 、 『 それ 』 が 何 を 意味 する て いる か は 、 お 分かる です 」 # 「 『 それ 』 が 何 を 意味 する て いる か ぐらい 、 知る て いる よ 。 ぼく が 何 か 見つける 時 、 」 と 家鴨 は 言う ます た 。 「 それ は 大抵 蛙 か 虫 だ ん だ 。 問題 は 、 大 僧正 が 何 を 見つける た か なる だ 」 # 鼠 は この 質問 を 無視 する て 、 急ぐ で 続ける ます た 。 「 ・ ・ ・ それ 、 つまり 、 エドガー ・ アー セリング と 共 に ウィリアム 王 に 面会 する 、 王座 に つく よう 勧める こと を 、 得策 と 見る た 。 ウィリアム の 行為 は 最初 は 穏健 だ もの だ ある た 。 しかし ノルマン 人 ら の 横暴 は ・ ・ ・ 」 お 嬢 さん 、 具合 は どう です か ? 」 ねずみ は 話す ながら 、 アリス の 方 を 向く ます た 。 # 「 相 変わる ぬ 濡れ て いる わ 」 と アリス は 憂鬱 そう だ 言う ます た 。 「 ちっとも 乾く た よう だ 気 が する ない ん です けど 」 # 「 それ だ ば 、 」 と ドードー は 立ち上がり ざま 、 厳か だ 言う ます た 。 「 会議 を 散会 する 、 より 活動 的 だ 解決 法 の 早急 なり 採択 を 動議 致す ます 。 。 。 」 # 「 日本 語 を しゃべる ! 」 と ワシ の 子 は いう ます た 。 「 そんな 漢字 熟語 の 意味 なんて 、 半分 も 分かる ない よ 。 それ に 、 君 も わかる ない ん だ ない か な ! 」 そして 鷲 の 子 は 笑い を 隠す ため に 首 を かしげる ます た 。 何 羽 か の 鳥 が 、 くすくす と 忍び笑い を する ます た 。 # 「 私 が 言う と する た の は 」 と ドードー は 怒る た よう だ 言う ます た 。 「 我々 を 乾かす 最良 の 方法 は 政党 集会 レース だ 、 と いう こと だ 」 # 「 政党 集会 レース って 何 ? 」 と アリス は 言う ます た 。 アリス は 別段 知る たい は ない た の です が 、 ドードー が まるで 誰 か が きく の が 当然 だ 、 と いう よう だ 一 呼吸 おく て おる 、 そして 誰 も が きく と する ない よう だ の だ 、 そう 言う た の です 。 # 「 うむ 、 」 と ドードー は 言う ます た 。 「 説明 する 最良 の 方法 は 、 それ を する こと だ 。 」 ( そして 、 冬 の 日 に あなた 自身 が この 方法 を 試せる よう だ 、 ドードー が どう いう 風 だ する た か を 教える ます ) # 最初 に ドードー は 円 の よう だ 形 に 、 レース の トラック を 描く ます た 。 ( 「 完璧 だ 円 だ ない て も いい 」 と ドードー は 言う ます た ) 。 それ から 一同 は トラック の あちらこちら に 並ぶ ます た 。 「 1,2 , 3 、 スタート ! 」 は ある ます ぬ です た 。 一同 は 好き だ とき に 走る 、 好き だ とき に 止める ます た 。 だ から レース が いつ 終わる た か どう か 、 定か だ は ある ます ぬ です た 。 しかし 半 時間 か そこ ら 走る 続ける 、 みんな すっかり 元通り に 乾く と 、 ドードー は 突然 言う ます た 。 「 レース 終了 ! 」 そして 一同 は ドードー の まわり に 集まる て 、 喘ぐ ながら 訊く ます た 。 「 だ 、 誰 が 優勝 する た の か な ? 」 # この 質問 に 対する 、 ドードー は 長い 考え込む ます た 。 一 本 指 を 額 に 押し当てる た 格好 で ( シェークスピア の 肖像 だ 、 よく 見かける ポーズ です ) 、 長い 間 座る て いる ます た 。 その 間 、 一同 は 黙る て 待つ て いる ます た 。 最後 に ドードー が 言う ます た 。 「 みんな が 優勝 する た の だ 。 そして 、 全員 が 賞品 を もらう ない ば なる ない 」 # 「 で 誰 が 賞品 を くれる ん だ い ? 」 と 多く の 声 が 尋ねる ます た 。 # 「 誰 って 、 もちろん 彼女 さ 」 と ドードー は 一 本 指 で アリス を 指差す て 言う ます た 。 そして すぐ だ 一同 は 彼女 の 周り に 集まる て 、 「 賞品 ! 賞品 ! 」 と 混乱 する た 様子 で 叫びたてる ます た 。 # アリス は どう する ば いい か 分かる ます ぬ です た が 、 やけくそ に なる て ポケット に 手 を 突っこむ 、 糖菓 の 箱 を 引っ張る 出す と ( 幸い 、 塩水 は 中 まで 染みこむ で いる ます ぬ です た ) 、 みんな に 賞品 と する て 配る ます た 。 調度 一人 一 個 ずつ です た 。 # 「 しかし 、 彼女 も 賞品 を もらう ない ば なる ない だ ? 」 と 鼠 は 言う ます た 。 # 「 もちろん 」 と ドードー は 重々しい 応える ます た 。 「 ポケット の 中 に 、 他 の もの は 入る てる ない か ね ? 」 と アリス の 方 を 向く て 言う ます た 。 # 「 指貫 き だけ だ わ 」 と アリス は 悲しい げ だ 言う ます た 。 # 「 ここ に 持つ て きる なさる 」 と ドードー は 言う ます た 。 # そして 一同 は も 一 度 彼女 の 周り に 集まる 、 ドードー は 「 この 優雅 だ 指貫 き を お 納める 下さる 」 と いう て 、 指貫 を 厳か だ 与える ます た 。 そして この 短い 献辞 が おわる と 、 みんな は 歓声 を あげる ます た 。 # アリス は この こと 全て を ひどい 馬鹿馬鹿しい と 思う ます た が 、 全員 が とても まじめ だ 見える た の だ 、 笑い飛ばす 勇気 は ある ます ぬ です た 。 そして 何 か 言う こと も 思いつく ない た の だ 、 ただ お 辞儀 を する 、 できる だけ 厳粛 そう だ する ながら 、 指貫 き を 受け取る ます た 。 # 次 だ す べし こと は 、 お 菓子 を 食べる こと です た 。 物音 と 混乱 が おく ます た 。 大きな 鳥 たち は 味わう に は これ で は 足りる ない すぎる と 文句 を いう 、 小さな の は 喉 に 詰まる せる 、 背中 を 叩く て もらう ない ば なる ない た から です 。 けれど も 最後 に は それ も 終わる 、 みんな は また 丸い なる て 座る 、 鼠 に 何 か もっと 喋る て くれる と せがむ の です た 。 # 「 自分 の 過去 を 話す て くれる って 約束 する て くれる た です ? 」 と アリス は 言う ます た 。 「 それ に ・ ・ ・ ネ と イ が 嫌い だ 理由 も 」 彼女 は また 怒る せる て しまう か も しれる ない 、 と 恐れる ながら も 囁き声 で 付け加える ます た 。 # 「 ぼく の は 長い て 悲しい 『 お はなし 』 だ ん だ よ ! 」 と 鼠 は ため息 を つく ながら 、 アリス の 方 を 向く て 言う ます た 。 # 「 尾 は 無し と いう て いる の だ 、 長い 尾 が ある わ ね 」 、 と アリス は 鼠 の 尻尾 を 不思議 そう だ 見下ろす ながら 、 言う ます た 。 「 それ に 、 なる で それ が 悲しい の ? 」 。 そして 鼠 が 話 する て いる 間 中 、 彼女 は その こと に つく て 考える 続ける て いる た の だ 、 その 話 に つく て 彼女 が 理解 できる た の は 、 この よう だ もの です た ・ ・ ・ # 「 鼠 が 犬 の 家 に   忍び込む だ が   見つかる て 、   主人 の ゲキ ドン は   こう 言う た 。   『 一緒 に 行く 、   警察 に 突く   出す て やる 。   来 い 、 知る ない   なん て 言う せる ない ぞ 。   裁判 を 受ける   する せる て やる 。   実際 の ところ 、   今朝 は 何 も   する こと が   ない   から な 。 』 # 鼠 は 犬 に いく た 。 「 旦那 様 、 その よう だ 陪審 員 も 裁判 官 も ない 裁判 は 時間 の 無駄 だ ない です か 』 『 オレ が 裁判 官 に 、 オレ が 陪審 に なる て やる 』 と 狡猾 だ 犬 は 言う ます た 。 『 オレ が 動機 を 全部 調べ上げる 、 お前 を 死刑 に する て やる 』 」 # 「 君 は マジメ だ 聞く てる ない ね ! 」 と 鼠 は アリス だ 厳しい 言う ます た 。 「 何 を 考える て いる ん だ い ? 」 # 「 御免 なさる 」 と アリス は 素直 だ 謝る ます た 。 「 5 回 目 の 話 の 腰 に 来る た ところ です ? 」 # 「 腰 だ ない て 結ぶ だ よ ! 」 と 鼠 は するどい 、 大変 怒る た よう だ さけぶ ます た 。 # 「 結び ! 」 と アリス は 言う ます た 。 アリス は いつ も 人 の 助け に なる よう だ 心がける てる ます た から 、 今回 も 辺り を 見回す ながら 「 結び を 解く て いる ん です 、 手伝う ます わ 」 と いう ます た 。 # 「 結び なんか 、 解く て いる ない ! 」 と 鼠 は いく て 、 立ち上がる て 歩き去る と する ます た 。 「 君 は そんな 馬鹿げる た こと を 言う て 、 僕 を 侮辱 する て いる ! 」 # 「 そんな 意味 で 言う た ん じゃん だ ない の よ 、 」 と アリス は 言い訳 する ます た 。 「 で も あなた は 怒る っぽい わ ! そう です ! 」 # 鼠 は 返事 する 代わり に 、 うなる ばかり です た 。 # 「 戻る て お 話 を 終える て 下さる な ! 」 と アリス は 後ろ から 呼びかける ます た 。 そして 他 の 動物 たち も 呼びかけ に 加わる ます た 。 「 ええ 、 お 願う する ます ! 」 しかし 鼠 は いらいら する ながら 頭 を ふる ばかり です た 。 そして 少し 足早 だ 歩みさる と する ます た 。 # 「 話 する て くれる ない なんて 、 なんて 残念 だ ん だ ! 」 と 鼠 が 見える ない なる と すぐ だ 、 鸚鵡 は ため息 を つく ます た 。 そして 蟹 は 娘 に こう いう ます た 。 「 蟹 子 や ! これ は 度 を 失う な 、 と いう 教訓 だ よ ! 」 「 静か だ する て よ 、 ママ ! 」 と 蟹 子 は 少し 怒る た よう だ いう ます た 。 「 ママ に かかる ちゃ 、 大人しい 牡蠣 だ って 怒る せる て しまう よ ! 」 # 「 ダイナ が ここ に いる た な ア 、 本当 に ! 」 と アリス は 特に 誰 に 向ける だ も ない 、 声 に 出す て 言う ます た 。 「 ダイナ は すぐ だ それ を 取る て 来る て くれる の だ ! 」 # 「 えー 、 もし 質問 する て も 宜しい ば 、 ダイナ って 誰 です か ? 」 と 鸚鵡 は 言う ます た 。 # アリス は 熱心 だ 応える ます た 。 と いう の も 彼女 は いつ も 自分 の ペット に つく て 語る たい て 、 うずうず する て いる た から です 。 「 ダイナ は ウチ の 猫 よ 。 信ずる られる ない です けど 、 鼠 を 捕まえる こと に かける ちゃ 、 すごい 腕きき だ の よ ! それ に 、 そう 、 鳥 を 追いかける て いる 姿 と くる た ! ええ 、 ダイナ は 小鳥 を 見る た とたん に 食べる て しまう の よ ! 」 # この 発言 は 一同 の 間 に 大層 だ ざわめき を 引き起こす ます た 。 何 羽 か の 鳥 は すぐ だ だ も 立ち去る と する ます た 。 ある 年 取る た カササギ は たいへん 注意 深い 身支度 を する ながら 言う ます た 。 「 本当 に 帰る ない ば 。 夜 の 空気 は 喉 に よく ない から ね ! 」 カナリア は 震え 声 で 子供 たち だ 言う ます た 。 「 さあ お前 たち 行く よ ! もう ねんね の 時間 だ ! 」 色んな 口実 を つける て 一同 は みんな 立ち去る 、 やがて アリス は 一人 とり残す れる て しまう ます た 。 # 「 ダイナ の こと を いう ない 良い た の だ な ! 」 と アリス は 憂鬱 だ 独り言 を 言う ます た 。 「 ここ じゃ 誰 も ダイナ の こと が 好き だ ない よう だ わ 。 ダイナ は 世界 で 一番 ステキ だ 猫 だ と いう の だ ! ダイナ ! もう 二 度 と 会える ない の か も ! 」 そして ここ で 可哀想 だ アリス は また 泣く 始める ます た 。 と いう の は 彼女 は とても 淋しい て 、 元気 が 出る ない た の です 。 けれど も 少し 経つ と 、 また 遠く で パタパタ いう 足音 が 聞こえる ます た 。 彼女 は 鼠 が 気 を 変える て 、 自分 の 話 を 終える と 戻る て くる た と 半分 期待 する ながら 、 懸命 だ そちら を 見あげる ます た 。 # 兎 が ビル を 送りこむ # それ は 白い 兎 です た 。 兎 は 小走り に ゆっくり と 戻る て くる ます た 。 何 か 探す て いる よう だ 、 歩く ながら しきり だ 辺り を 見回す て いる ます た 。 そして 彼女 は 兎 が こう 独り言 を 言う の を 聞く た の です 。 「 公爵 夫人 ! 公爵 夫人 ! 前足 に かける て ! 毛皮 と 髭 に かける て ! 私 を 処刑 する って こと は 、 フェレット が フェレット だ ある ほど 確実 だ ! 一体 全体 、 どこ に 落とす た ん だ ? 」 アリス は すぐ だ 兎 が 探す て いる の は 扇子 と 白い 羊 革 の 手袋 だ と 気付く 、 彼女 は 親切 だ 自分 も 探す 始める ます た 。 しかし 、 どちら も 見つかる ます ぬ です た 。 彼女 が 水溜り で 泳ぐ で から と いう もの 、 全て が 変わる た よう だ 見える ます た 。 硝子 の テーブル と 小さな 扉 の ある た 大 広間 は 跡形 も ない 消え去る て いる ます た 。 # 彼女 が 探す て いる と 、 ほど ない 兎 は アリス に 気付く て 、 怒る た 声 だ 彼女 だ 言う つける ます た 。 「 おい 、 マリー ・ アン 、 こんな 所 で 何 を する てる ん だ ? すぐ だ 家 に 戻る て 、 手袋 と 扇子 を とる て 来る ! 今 すぐ だ だ ! 」 アリス は 余り だ 吃驚 する た の だ 、 兎 の 勘違い を 正す と も する ぬ に 、 兎 が 指差す 方 へ 向かう て まっしぐら に 駆ける て いく ます た 。 # 「 彼 は 私 を メイド だ と 勘違い する た ん だ わ 」 と アリス は 走る ながら 独り言 を いう ます た 。 「 私 が 誰 か わかる た 、 どんな だ 驚く かしら ね ! で も 扇子 と 手袋 は 取る て 来る て あげる 。 。 。 もし 見つける られる た ら の 話 だ けど 。 」 こう 言う た とき 、 彼女 は 小ざっぱり する た 小さな 家 に 出くわす ます た 。 その 家 の 玄関 に は 明るい 輝く 真鍮 の 門札 が かかる て おる 、 門札 に は 「 白い 野   兎 」 と 彫る れる て いる ます た 。 彼女 は 扇子 と 手袋 を 見つける 前 に 、 本物 の メリー ・ アン に 出会う て 、 家 を 追い出す れる ない か 心配 する ながら 、 ノック も する ない だ 中 に 入る て 階段 を 駆け上がる ます た 。 # 「 全く もつ て おかしな 話 だ わ 、 」 と アリス は 独り言 を 言う ます た 。 「 兎 の 使い を する なんて ! こんな 調子 だ と 、 次回 は ダイナ の 使い を する ない なる ない なる わ ね ! 」 そして 彼女 は その こと を 想像 する 始める ます た 。 「 『 アリス お 嬢 様 、 すぐ だ ここ に いらす て 、 散歩 の 準備 を なさる て 下さる ! 』 『 ばあ や 、 すぐ に 行く わ ! で も 鼠 が 鼠穴 から 出る て 行く ない よう だ 見張る てる ない ば いける ない の 』 。 で も その よう だ ダイナ が 人間 に 命令 する よう だ なる た 、 みんな は ダイナ を 家 に 置く ない なる わ ね ! 」 # この 時 まで に 、 彼女 は 窓辺 に テーブル の ある 、 こざっぱり する た 小さな 部屋 を 見つける て いる ます た 。 そして テーブル の 上 に は ( 彼女 が 思う た 通り に ) 扇子 と 2,3 組 の 小さな 白い 羊 革 の 手袋 が ある ます た 。 扇子 と 手袋 を 取り上げる て 、 部屋 を 出る と する た 調度 その とき 、 彼女 の 眼 は 鏡 の そば の 小さな 瓶 に 気づく ます た 。 今度 は 「 私 を 呑む なさる 」 と いう ラベル は 貼る て ある ます ぬ です た が 、 それ で も 彼女 は 瓶 の コルク を 抜く て 、 口 を つける ます た 。 「 何 か 食べる たり 飲む だり する たび に 、 」 と 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 「 何 か 興味 深い こと が 必ず 起こる って 分かる た わ 。 だ から 、 今度 は この 瓶 を 呑む と どう なる か 、 見る て みる ます 。 また 大きい なる と いい ん だ けど 。 こんな だ ちっぽけ だ いる の だ は 、 すっかり 飽き飽き する た もの ! 」 # 実際 に そう なる ます た 。 そして 彼女 が 考える て いる た より 、 ずっと 早い 変化 は 起きる ます た 。 瓶 を 半分 も 飲む 前 に 、 彼女 の 頭 は 天井 に ぶつかる 、 首 の 骨 が 折れる ない よう だ 、 屈む ない ば なる ます ぬ です た 。 彼女 は いそぐ で 瓶 を 下 に 置く 、 言う ます た 。 「 もう 十分 だ わ 。 。 。 もう これ 以上 大きい なる ない いい けど 。 。 。 全く 、 ドア から 出る られる ない わ ・ ・ ・ あんな だ 沢山 飲む ない ば 良い た の だ ! 」 # 残念 だ こと に 、 もう それ は 遅い すぎる た の です た ! 彼女 の 背 は 伸びる 続ける 、 すぐ だ 彼女 は 床 に 跪く ない ば なる ない なる ます た 。 さらに 、 伸びる ため の 隙間 さえ ない なる 、 彼女 は 片方 の 肘 を ドア に 押し付ける 、 もう 片方 の 腕 を 首 の 周り に 巻きつける て 、 横 に なる ない ば なる ない なる ます た 。 それ で も 彼女 は 大きい なる 続ける 、 仕方なし に 彼女 は 窓 から 一 本 の 腕 を 突き出す 、 一 本 の 足 を 煙突 に 突っ込む 、 言う ます た 。 「 もう 何 が おく て も 、 これ 以上 できる こと は ない わ 。 私 は どう なる て しまう の かしら ? 」 # アリス に とる て 幸い だ こと に 、 魔法 の 小瓶 の 効力 は それ で お しまう だ 、 彼女 は それ 以上 大きい なる ます ぬ です た 。 それ で も それ は とても 不快 です た 。 そして その 部屋 から 抜け出す こと が できる ない よう だ 思える た の だ 、 彼女 が 不幸 だ 思う た の も 無理 は ある ます ぬ です た 。 # 「 家 に 居る た 方 が ずっと 心地よい た わ 」 と アリス は 思う ます た 。 「 家 だ 、 いつ も 大きい なる たり 小さい なる たり する ない し 、 鼠 や 兎 に 命令 する れる たり する ない もの 。 あの 兎 穴 を 降りる たり する ない ば 良い た わ 。 。 。 で も 、 。 。 で も 。 。 。 こんな 生活 も 面白い か も しれる ない わ ね ! 一体 、 私 に 何 が 起きる た の かしら ! お伽話 を 読む だ とき 、 そんな こと は 起こる っこ ない と 思う て いる た けど 、 今 だ 自分 が その お伽噺 の 真っ 只中 に いる の よ ! 私 に つく て 書く れる た 本 が ある て も いい はず だ わ 、 きっと ! 大きい なる た 、 書く こと に する 。 。 。 で も 、 私 、 もう 大きい なる て いる わ 」 と 彼女 は 悲しい そう だ 付け加える ます た 。 「 少ない とも 、 ここ じゃ これ 以上 大きい なる スペース が ない わ 」 # 「 で も それ だ 、 」 と アリス は 考える ます た 。 「 私 は これ 以上 年 を とる ない の かしら ? ある 意味 だ 、 それ は 良い こと ね ・ ・ ・ お ばあ さん に なる ぬ に 済む もの ・ ・ ・ で も それ だ と ・ ・ ・ いつ まで も 勉強 する てる ない ば なる ない だ ない の ! えーっ 、 それ は 困る わ ! 」 # 「 アリス ったら 馬鹿 ね ! 」 と 彼女 は 自分 で 自分 の 疑問 に 答える ます た 。 「 ここ で どう やる て 勉強 する と いう の ? この 部屋 は 私 だけ で 精 一杯 だ の だ 、 これ 以上 教科 書 を 開く 余裕 なんか 全然 ない わ 」 # そして 彼女 は 質問 する 側 に 立つ たり 、 答える 側 に 立つ たり する て 、 うまい 具合 に 会話 を 続ける ます た 。 しかし 何 分 か する と 、 外 で 声 が する た の だ 、 会話 を やめる て 耳 を そばだてる ます た 。 # 「 メリー ・ アン ! メリー ・ アン ! 」 と 声 は 言う ます た 。 「 すぐ だ 私 の 手袋 を 持つ て くる ん だ ! 」 そして 階段 を パタパタ と 駆け上がる 足音 が する ます た 。 アリス は 兎 が 彼女 を 探す に 来る た の だ と 知る て 、 家 が 揺れる ほど 、 ぶるぶる 震える ます た 。 彼女 は 今 や 兎 の 何千 倍 も 大きい なる て おる 、 兎 を 恐い がる り 必要 なんて ない と いう こと を 、 すっかり 忘れる て いる た の です 。 # すぐ だ 兎 は ドア の ところ まで 来る て 、 それ を 開ける と する ます た 。 が 、 ドア を 内側 に 開ける と する て も 、 アリス の 肘 が それ に きつい 押し当てる られる て いる ます た から 、 うまい 行く ます ぬ です た 。 アリス は 兎 が こう 言う の を 聞く ます た 。 「 じゃ 、 回る こむ で 窓 から 入る 」 # 「 そう は 問屋 が 卸す ない わ ! 」 と アリス は 思う ます た 。 そして 兎 が 調度 窓 の 下 まで 来る た の を 見計らう て 、 突然 腕 を 伸ばす 、 空 を 掴む ます た 。 何 も 捕まえる られる ない た の です が 、 小さな 金切り 声 と 何 か が 落ちる 音 、 それ から ガラス が 割れる の が 聞こえる ます た 。 その 音 から 彼女 は 兎 が 胡瓜 の 温室 か 何 か その よう だ もの に 落ちる た ん だ 、 と 思う ます た 。 # 次 に 聞こえる た の は 、 怒声 です た 。 。 。 兎 の 怒声 です 。 。 。 「 パット ! パット ! どこ に いる ん だ ? 」 そして 始めて 聞く 声 が する ます た 。 「 はい 、 こちら に おる ます ! 林檎 を 掘る て おる ます です 、 旦那 様 ! 」 # 「 なる だ って 、 林檎 を 掘る て いる だ と ! 」 と 兎 の 怒声 。 「 ここ だ ! 助ける て くれる ! 」 ( さらに 何 枚 か 、 硝子 の 割れる 音 ) # 「 さあ パット 、 あの 窓 に いる の は 何 か 、 教える て くれる 」 # 「 もちろん 腕 だ ある ます です 、 旦那 様 ! 」 ( 彼 は 「 うん だ 」 と 発音 する た ) # 「 腕 だ と 、 この 馬鹿 ! あんな でかい 腕 が ある か ? 窓 一杯 の 大きい さ だ ぞ ! 」 # 「 それ が ある の だ ある ます 、 旦那 様 。 なん と 言う れる と 、 腕 だ ある ます 」 # 「 そう か 、 いずれ に する 、 腕 に 用 は 無い 。 すぐ に 片付ける ! 」 # この 会話 が 終わる と 、 しばらく 静か だ なる 、 時々 「 イヤ だ ある ます 、 旦那 様 。 イヤ と いう た イヤ だ ん だ ある ます ! 」 「 言う れる た 通り に やる 、 臆病 者 が ! 」 と いう よう だ 囁き声 が 聞こえる ばかり です た 。 そして 最後 に 彼女 は 腕 を また 伸ばす 、 空 を 掴む ます た 。 今度 は 二 つ の 小さな 金切り 声 と 、 もっと 沢山 の 硝子 が 割れる 音 が する ます た 。 「 なん て 沢山 の 胡瓜 の 温室 が ある ん です ! 」 と アリス は 思う ます た 。 「 あの 人 たち 、 次 に 何 を する の かしら ! 窓 から 私 を 引きずる 出す って 言う ん だ 、 そう する て もらう たい わ ! ここ に は もう これ 以上 いる たい ない もの ! 」 # 何 も 物音 が する ない 時間 が しばらく 続く ます た 。 そして 最後 に 小さな 荷車 が ゴト ゴト いう 音 と 、 とても 多く の 声 が 同時 喋る の が 聞こえる ます た 。 彼女 は こんな 声 を 聞く ます た 。 「 もう 一 本 の 梯子 は どこ だ ? ・ ・ ・ いや 、 おれ は 一 本 だけ だ 。 ビル が 持つ てる ぞ ・ ・ ・ ビル ! 持つ て 来る ! ・ ・ ・ ここ だ 、 この 角 に 立てる ・ ・ ・ 違う 、 最初 に 繋げる ん だ ・ ・ ・ まだ 半分 の 高い さ に も 届く ない ぞ ・ ・ ・ おっ 、 うまい 行く た ぞ 。 細かい こと は 気 に する な ・ ・ ・ そら 、 ビル ! この ロープ を 掴む ん だ ・ ・ ・ 屋根 は もつ か な ? ・ ・ ・ 気 を つける 、 その 瓦 は ぐらぐら する ぞ ・ ・ ・ お 、 落ちる て いく ぞ ! 頭 に 気 を つける ! 」 ( 大きな 衝突 音 ) ・ ・ ・ 「 おい 、 誰 が 落とす た ん だ ? ・ ・ ・ ビル だ ・ ・ ・ 誰 が 煙突 を 降りる ? ・ ・ ・ いる ぬ や 、 オレ は いや だ ! お前 が やる よ ! ・ ・ ・ オレ だ って イヤ だ よ ・ ・ ・ ビル に やる せる ・ ・ ・ こい 、 ビル ! ご 主人 様 が お前 に 煙突 を 降りる 、 と 仰る て いる ぞ ! 」 # 「 あら 、 じゃ ビル が 煙突 を 降りる こと に なる た の ね 」 と アリス は 言う ます た 。 「 みんな 嫌 だ 事 は 何 で も ビル に 押し付ける ちゃう の ね ! 私 、 ビル と 一緒 に 居る の は イヤ だ わ 。 この 暖炉 は 確か だ 狭い けど 、 少し は 蹴り上げる こと が できる と 思う わ ね ! 」 # 彼女 は できる だけ 長い 煙突 の 中 に 足 を 突っ込む で 待つ ます た 。 する と 小さな 動物 が ( 彼女 は それ が どんな 動物 か は 分かる ます ぬ です た ) 煙突 の 中 で ごそごそ いう の を 聞く ます た 。 それ が 彼女 の 真上 に まで 来る た 時 、 彼女 は 独り言 を いう ます た 。 「 これ が ビル ね 」 。 そして 鋭い 蹴り を 一 つ くれる て やる 、 次 に 何 が 起こる か 待つ ます た 。 # 最初 に 彼女 が 聞く た の は 「 ビル が 飛ぶ で いく ぞ ! 」 と いう 人々 の 声 です た 。 そして 兎 の 声 が 続く ます た 。 。 。 「 受け止める 、 垣根 の 傍 に いる 奴 ! 」 そして 静か だ なる て 、 また 混乱 する た 声 が おく ます た 。 。 。 「 頭 を 上 に しる ・ ・ ・ ブランデー を 飲む せる ・ ・ ・ 喉 に 詰まる せる な ・ ・ ・ どう だ 、 気分 は ? 何 が ある た ん だ ? 話す て くれる ! 」 # 最後 だ 小さい 弱弱しい キーキー 声 が する ます た 。 ( 「 ビル だ わ 」 と アリス は 思う ます た ) 「 えーと 、 ほとんど 分かる ない ん だ よ ・ ・ ・ もう いい よ 、 ありがと 。 もう 良い なる た 。 。 。 で も あんまり 驚く た もん だ から 、 うまい 言える ない ・ ・ ・ ぼく が 知る て いる の は 、 吃驚 箱 の よう だ 、 何 か が ぼく に 向かう て くる た こと だけ さ 。 だ 、 ぼく は と いう ば 、 ロケット の よう だ ぶっ飛ぶ で しまう た ん だ ! 」 # 「 うん 、 飛 ん だ よ ! 」 と みんな は 言う ます た 。 # 「 家 を 焼き払う ない なる ぬ な ! 」 と 兎 の 声 が 言う ます た 。 そこ で アリス は できる だけ 大声 を 出す て 「 もし そんな こと する た 、 ダイナ を けしかける わ よ ! 」 # すぐ だ 死ぬ だ よう だ 沈黙 が 訪れる ます た 。 アリス は 考える ます た 。 「 次 は 何 を する の かしら ! もし 知恵 が ある ん だ 、 屋根 を とる です けど 。 」 1,2 分 後 、 人々 は また 動く 始める ます た 。 アリス は 兎 が こう いう の を 聞く ます た 。 「 手押し 車 一杯 だ いい だ 、 最初 は 。 」 # 「 手押し 車 一杯 の 何 かしら ? 」 と アリス は 思う ます た 。 しかし 彼女 は 長い 考える 必要 は ある ます ぬ です た 。 と いう の も 次 の 瞬間 に は 、 窓 から 小石 の 雨 が うなり声 を 上げる て 飛ぶ で くる た から です 。 幾 つ か の 小石 は 、 彼女 の 顔 に 当たる ます た 。 「 やめる させる ない と 」 と 彼女 は 独り言 を 言う て 、 大声 を あげる ます た 。 「 こんな こと 、 二 度 と する ない 方 が いい わ よ ! 」 する と 辺り は また 死ぬ だ よう だ 静か だ なる ます た 。 # アリス は 小石 が 床 に 落ちる と 、 みんな 小さな ケーキ に なる て いる こと に 気付く て 驚く ます た 。 そして アイデア が ひらめく ます た 。 「 もし ケーキ を 食べる た 」 と 彼女 は 考える ます た 。 「 身長 が 変わる はず だ わ 。 これ 以上 大きい なる こと は 有る 得る そう も ない から 、 小さい なる はず だ わ 、 きっと 」 # それ で 彼女 は ケーキ を 一 つ 、 飲み込む ます た 。 嬉しい こと に 、 彼女 は すぐ に 縮む 始める ます た 。 ドア を 通り抜ける られる ほど 小さい なる と 、 すぐ だ 彼女 は 家 を 抜け出す 、 大変 多く の 小さな 動物 や 鳥 が 外側 で 待つ て いる の を 見つける ます た 。 哀れ だ 小 トカゲ の ビル は 、 二 匹 の モルモット に 支える られる て 真ん中 に 居る ます た 。 モルモット は 瓶 から ビル に 何 か を 与える て いる ます た 。 彼 ら は アリス が 現れる と すぐ だ 、 彼女 めがける て 走る 出す ます た 。 しかし 彼女 は 力 の 限り 走りぬける 、 安全 だ 木 の 茂み の 中 に 逃げ込む ます た 。 # 「 最初 に する ない ば なる ぬ いく と は 、 」 と アリス は 森 を ぶらぶら 歩く ながら 言う ます た 。 「 元通り の 大きい さ に 戻る こと よ 。 そして 次 だ す べし こと は あの ステキ だ 庭 に 戻る 道 を 見つける こと よ 。 これ が 一番 いい 計画 だ わ 」 # それ は 疑い も ない 上等 だ 、 とても 簡潔 だ 計画 の よう だ 見える ます た 。 たった 一 つ の 困難 は 、 どの よう だ それ を 始める ば いい か 、 全く 検討 も つく ない と いう こと です た 。 そして 彼女 が 森 の あちこち を 懸命 だ 見回す て いる うち に 、 頭 の 真上 で 小さな 鋭い 吠え声 が する ます た 。 彼女 は 急ぐ で 見上げる ます た 。 # 巨大 だ 子犬 が 大きな 目 だ 彼女 を 見下ろす て いる ます た 。 そして そっと 前足 を 伸ばす 、 彼女 に 触る と する ます た 。 「 おお 、 よし よし ! 」 と アリス は なだめる よう だ 言う て 、 頑張る て 口笛 を 吹く と する ます た 。 しかし 彼女 は 犬 が お腹 を すく せる て いる ん だ ない か と 思う て 、 ずっと 酷い おびえる て いる ます た 。 もし そう だ 、 どんな だ なだめる た 所 で 、 彼女 は 食べる られる て しまう だ から です 。 # ほとんど 無 意識 的 だ 、 彼女 は 小さな 棒切れ を 拾う て 、 子犬 に 伸ばす ます た 。 すぐ だ 子犬 は 喜び を あらわ だ する て 、 空中 に 跳びあがる ます た 。 そして 棒切れ に 跳ぶ かかる て 噛み付く ます た 。 アリス は 大きな 薊 の 後ろ に 隠れる て 、 難 を 逃れる ます た 。 そして 彼女 が 反対 側 から 出る て くる た とき 、 子犬 は また 棒切れ に 向かう て 突進 する 、 それ を 掴む と する て 転ぶ ます た 。 アリス は 、 これ は まるで いつ 踏み潰す れる か びくびく する ながら 荷車 と 遊ぶ で いる よう だ もの だ 、 と 思う ながら 、 薊 の 周り を 走り回る ます た 。 する と 子犬 は 棒切れ に 向かう て 続ける て 突撃 する 、 ほんの 少し 走る て は ずっと 戻る て くる の を 繰り返す ます た 。 その 間 中 ずっと 吠える 続ける 、 最後 に は する た を 口 から 出す て ハアハア 言う ながら 、 遠く の 方 で 座り込む で しまう ます た 。 大きな 目 は 半分 閉じる て いる ます た 。 # これ は アリス に とる て は 逃げだす チャンス です た 。 そこ で 彼女 は すぐ だ 脱走 を 開始 する 、 息 が 切れる て 、 くたくた だ なる まで 走る ます た 。 子犬 の 吠え声 は 遠く の 方 で かすか だ 聞こえる だけ です た 。 # 「 で も 、 なんて 可愛い 子犬 だ た の かしら ! 」 と アリス は 言う ながら 、 金鳳 花 に よりかかる て 身体 を 休める 、 その 葉 で 自分 を 扇ぐ ます た 。 「 本当 、 あの 犬 に 芸 を 教える て やる たい た けど 、 もし ・ ・ ・ もし 、 私 が それ が できる だけ の 大きい さ が ある た だ ね ! やれやれ ! もう 一 度 大きい なる ない なる ぬ いく てく と 、 忘れかける てる た わ ! えーと ・ ・ ・ どう する ば いい の かしら ? 何 か 食べる たり 飲む だり する ば いい ん だ と は 思う けど 、 問題 は 何 を ? っ て こと ね 」 # 問題 は 確か だ 「 何 を ? 」 です た 。 アリス は 花々 や 草 の 葉 など の 辺り を 見回す ます た が 、 その 状況 で 食べる たり 飲む だり する の だ 相応しい よう だ 物 を 見つける こと が できる ます ぬ です た 。 彼女 の 傍 に は 、 彼女 と 同じ ぐらい の 背丈 の 大きな 茸 が 生える て いる ます た 。 彼女 は その 下 を 見る 、 両側 を 見る 、 後ろ を 見る と 、 その 上 に 何 が ある か も 見る て やる 、 と いう 考え が 湧く ます た 。 # 彼女 は つま先 で 伸び上がる 、 茸 の 恥 を 覗く て みる ます た 。 彼女 の 視線 は すぐ だ 大きな 芋虫 に ぶつかる ます た 。 芋虫 は 上 に 座る て 腕 を 組む で 黙る て 長い 水 煙管 を 吸う て おる 、 アリス や その ほか の 事柄 に は 全然 興味 が ない よう です た 。 # 芋虫 の 忠告 # 芋虫 と アリス は 暫く の 間 、 黙る て お 互い 見詰める 合う て いる ます た 。 とうとう 芋虫 は 口 から 水 煙管 を 離す 、 のろのろ と 眠い 声 だ 彼女 に 語りかける ます た 。 # 「 お前 は なにもの だ ? 」 と 芋虫 は いう ます た 。 # これ は 会話 の 始まり と する て は 、 余り ワクワク する よう だ もの で は ある ます ぬ です た 。 アリス は 少し 臆病 だ なる て 、 「 私 ・ ・ ・ 芋虫 さん 、 私 は 今 現在 、 自分 が 何もの か 、 ほとんど 分かる ない ん です 。 。 。 今朝 起きる た 時 に は 自分 が 「 何もの か 」 分かる て いる た ん です が 、 それ から 何 回 か 変わる ちゃう た ん だ 。 」 # 「 それ は 何 を 意味 する て いる の か な ? 」 と 芋虫 は ピシッと いう ます た 。 「 自分 自身 が なにもの か 、 説明 する なさる ! 」 # 「 自分 自身 を 説明 できる ない ん です 、 ごめん なさる 、 芋虫 さん 」 と アリス は 言う ます た 。 「 なぜ って 、 私 は 自分 自身 だ ない ん です もの 、 ね ? 」 # 「 意味 不明 だ 」 と 芋虫 は いう ます た 。 # 「 これ 以上 はっきり する せる こと は できる そう も ない ん です 」 と アリス は 礼儀 正しい 答える ます た 。 「 と いう の は まず 、 私 は 自分 自身 を 説明 できる ない から です 。 それ に 、 一日 で こんな だ いく つ もの 違う た 大きい さ に なる なんて 、 とっても 頭 が ごちゃごちゃ する ん です 」 # 「 そう だ も ない だ 」 と 芋虫 は 言う ます た 。 # 「 うーん 、 たぶん 、 貴方 は まだ その よう だ 経験 が お あり だ ない ん です 。 」 と アリス は 言う ます た 。 「 で も 蛹 に なる ば ・ ・ ・ あなた も お 分かる に なる と 思う ます わ ! いつ か 、 きっと ・ ・ ・ それ から 蝶 に なる た 時 に は 、 ちょっと 変 だ 気持ち に なる ん だ ない て ? 」 # 「 ちっとも 。 」 と 芋虫 は 言う ます た 。 # 「 そう ね 、 あなた の 感じ は 違う か も しれる ない わ 。 」 と アリス は 言う ます た 。 「 だ けど 、 私 は とっても ヘン だ 感ずる た の よ 」 # 「 私 、 私 と いう が 一体 」 と 芋虫 は 軽蔑 する た よう だ 言う ます た 。 「 お前 は 何 者 だ ? 」 # そこ で 会話 は 振り出し に 戻る ます た 。 アリス は 芋虫 の あまり だ 短い セリフ に 少し ムカムカ する てる ます た が 、 なん と か 我慢 する て 、 重々しい 言う ます た 。 「 まず あなた が 自己 紹介 する べし だ ない て ? 」 # 「 どう する て ? 」 と 芋虫 は 言う ます た 。 # これ は もう 一 つ の 難問 だ 、 アリス は いい 理由 を 思いつく こと が 出来る ます ぬ です た 。 そして 芋虫 は ひどい 不 愉快 そう だ 見える た の だ 、 彼女 は 背中 を 向ける ます た 。 # 「 戻る て 来る ! 」 芋虫 は 彼女 を 呼ぶ ます た 。 「 大事 だ こと を 言う ぞ ! 」 # 確か だ 、 芋虫 は 何 か 告げる て くれる よう です た 。 アリス は 振り向く て 、 戻る て くる ます た 。 # 「 癇癪 を 抑える 」 と 芋虫 は 言う ます た 。 # 「 それ だけ ? 」 と アリス は できる だけ 怒り を 飲み込む ながら 言う ます た 。 # 「 いや 」 と 芋虫 は 言う ます た 。 # アリス は 他 に する こと が ない た の だ 、 待つ て みる と 思う ます た 。 最後 に は 何 か 聞く に 値 する こと を 言う て くれる か も しれる ない 、 と 。 暫く の 間 、 芋虫 は 何 も 言う ぬ に プカプカ やる てる ます た が 、 やっと 腕 を 伸ばす 、 また 水 煙管 を 口 から 離す て 言う ます た 。 「 それ で 、 お前 は 自分 が 変わる た と 思う て いる の か ね ? 」 # 「 そう だ ん です 、 芋虫 さん 」 と アリス は 言う ます た 。 「 前 の よう だ 、 はっきり と 物事 を 覚える て いる られる ない ん です 。 それ に 、 十分 と 続ける て 同じ 大きい さ だ 居る られる ない ん です ! 」 # 「 何 を 覚える てる られる ない の か ね ? 」 と 芋虫 。 # 「 えーと 、 『 どんな だ 小さな 働き蜂 が 』 を 暗誦 する と する た ん です けど 、 全然 違う 詩 に なる ちゃ っ うん です ! 」 と アリス は 悲しい そう だ 言う ます た 。 # 「 『 年 だ ね 、 ウィリアム 父 さん 』 を 暗誦 する なさる 」 と 芋虫 。 # アリス は 両手 の 指 を 組む で 、 始める ます た 。 。 。 # 「 年 だ ね 、 ウィリアム 父 さん 」 と 若者 は 言う た 。 「 父 さん の 髪 は 真っ白 だ 。 それ だ の だ 、 ずっと 頭 で 立つ 続ける て いる ・ ・ ・ そんな 年 だ の だ 大丈夫 か い ? 」 # 「 若い 頃 は 」 と ウィリアム 父 さん は 若者 だ 言う た 。 「 そう する と 脳 を 痛める ん だ ない か と 思う てる た 。 だ が 、 今 じゃ そんな こと は 全然 ない こと が 分かる た 。 さあ やる ぞ 、 何 回 で も やる ぞ 」 # 「 年 だ ね 、 」 と 若者 は 言う た 。 「 前 に も 言う た よう だ 、 こんな だ 異常 だ 太い ちゃう て 。 それ で も ドア の ところ で 宙返り する ・ ・ ・ 頼む よ 、 その 理由 を 教える て くれる ? 」 # 「 若い 時 に 、 」 と 白髪 の 賢い 者 は 言う た 、 「 手足 を しなやか だ する て いる た もの だ この 軟膏 を 使う て な ・ ・ ・ 1 箱 1 シリング だ ・ ・ ・ 少し 買う ぬ か ? 」 # 「 年 だ ね 、 」 と 若者 は 言う た 、 「 父 さん の 顎 は 弱い なる て 脂身 以外 は 噛める ない な 、 で も 父 さん は 鵞鳥 を 骨 ごと 丸齧り する た 。 。 。 頼む よ 、 その 秘訣 を 教える て くれる ? 」 # 「 若い 頃 は 、 」 と 父 さん は 言う た 、 「 法律 に 没頭 する た もん だ 、 そして 母 さん と 色々 論争 する た もん だ 、 だ から 顎 の 筋肉 が 強い なる て 、 死ぬ まで は もつ さ 」 # 「 年 だ ね 、 」 と 若者 は 言う た 、 「 眼 も ほとんど 前 の よう だ は しっかり 見える ない だ 、 で も 父 さん は 鼻 の 上 に 鰻 を 乗せる て バランス を とる てる ・ ・ ・ どう する て そんな だ 凄い ん だ い ? 」 # 「 もう 三 つ も 質問 に 答える て やる た ぞ 、 」 と 父 さん は 言う た 、 「 いい 気 に なる ん だ ない ! そんな 下る ない 話 に 一 日 中 付き合う て いる られる と で も 思う て いる の か ? 出 て 行く 、 さも ない と 階段 から 蹴り落とす ぞ ! 」 # 老人 の 快楽 と 、 どの よう だ する て それ を 得る か # 「 年 だ ね 、 ウィリアム 父 さん 」 と 若者 は 言う た 、 残る た 少し ばかり の 髪 は 白い 。 「 元気 だ ね 、 ウィリアム 父 さん 。 健康 だ 老人 だ 、 頼む よ 、 その 健康 の 秘訣 を 教える て くれる 」 # 「 若い 時 に 」 と ウィリアム 父 さん は 答える た 、 「 青春 は すぐ 去る て しまう と 知る てる た 。 だ から 最初 に 健康 と 活力 を 浪費 する ない た 。 最後 に 必要 だ なる か も しれる ない から な 」 # 「 年 だ ね 、 ウィリアム 父 さん 」 と 若者 は 言う た 、 「 青春 の 楽しみ が 過ぎ去る た の だ 父 さん は 過ぎ去る た 時間 を 嘆く と する ない 。 頼む よ 、 その 理由 を 教える て くれる 」 # 「 若い 頃 に 」 と ウィリアム 父 さん は 答える た 。 「 青春 は 長い は 続く ない と 知る てる た 。 だ から 将来 を 考える て 、 何 で も やる た 。 後 で 決して 後悔 する ない よう だ な 」 # 「 年 だ ね 、 ウィリアム 父 さん 」 と 若者 は 言う た 。 人生 は 急ぐ で 過ぎる て いく の だ 、 父 さん は 楽しい そう だ 、 死 と 談笑 する の が 好き だ 。 頼む よ 、 その 理由 を 教える て くれる 」 # 「 オレ は 楽しい ん だ 、 息子 よ 」 と ウィリアム 父 さん は 答える た 。 「 気持ち を 大いなる 目標 に 向ける て いる の だ な 。 若い 頃 に 神 を 知る た ! そして 主 は オレ の 年 を お 忘れる に なる て いる ない 」 # 「 正しい 言える てる ない な 」 と 芋虫 は 言う ます た 。 # 「 完璧 だ 無い た です 」 と アリス は おどおど と 言う ます た 。 「 幾 つ か の 文句 は 違う てる と 思う ます 」 # 「 初め から 終わり まで 間違う て いる 」 と 芋虫 は ピシャリ と 決め付ける ます た 。 そして 何 分 か 、 沈黙 が 続く ます た 。 # 芋虫 が 最初 に 口 を 開く ます た 。 # 「 どんな 大きい さ に なる たい ? 」 と 尋ねる ます た 。 # 「 あら 、 大きい さ に 関する て は 適当 だ いい ん です 」 と アリス は 急ぐ で 答える ます た 。 「 ただ 、 誰 で も そんな だ 頻繁 だ 変わる の は 好き だ ない です ? 」 # 「 知る ぬ 」 と 芋虫 は 言う ます た 。 # アリス は 今 まで こんな だ 突っかかる て 来る られる た こと は ある ます ぬ です た の だ 、 段々 腹 が 立つ て くる ます た 。 # 「 今 は 満足 する て いる の か ? 」 と 芋虫 。 # 「 えーと 、 できる た 、 もう ちょっと 大きい なる たい か な ? なん て 」 と アリス は 言う ます た 。 「 3 インチ なんて 、 惨め だ 高い さ です 」 # 「 いや 、 大変 良い 高い さ だ ! 」 と 芋虫 は 後足 で 直立 する て 、 怒る た よう だ 言う ます た 。 ( 芋虫 は きっかり 3 インチ です た ) # 「 で も 、 私 は その 高い さ に 慣れる てる ない ん です ! 」 と アリス は 哀れ っぽい 声 で 泣きつく ます た 。 そして 思う ます た 。 「 この イキ モノ が 、 こんな だ 怒る っぽい ない いい の だ ! 」 # 「 じき に 慣れる さ 」 と 芋虫 は 言う て 、 水 煙管 を 口 に くわえる 、 また 吸う 始める ます た 。 # 今度 は アリス は 虫 が また 喋る たい なる まで 辛抱 強い 待つ ます た 。 1,2 分 する と 、 芋虫 は 口 から 煙管 を 離す 、 1,2 回 欠伸 を する 、 ぶるっ と 身震い する ます た 。 そして 茸 から 下りる て 、 「 片側 は 大きい なる 。 もう 片側 は 小さい なる 」 と いう ながら 、 草 の 中 に 這う 去る て いく ます た 。 # 「 片側 の 何 ? もう 片側 の 何 ? 」 と アリス は 考える ます た 。 # 「 茸 だ よ 」 と 芋虫 は 彼女 の 声 が 聞こえる た か の よう だ 言う ます た 。 そして 次 の 瞬間 に は 見える ない なる て しまう ます た 。 # アリス は 茸 を 少し の 間 、 茸 を じっと 見つめる ながら 、 どっち が どっち 側 だ の だ か 、 と 考える て いる ます た 。 それ は 完全 だ 円形 です た の だ 、 彼女 は これ は 難問 だ と 思う ます た 。 しかし 、 最後 に 彼女 は 茸 の 傘 に そる て 腕 を 出来る だけ 伸ばす て 、 それぞれ の 手 で 茸 の 縁 を 千切る 取る ます た 。 # 「 さて 、 どっち が どっち か な ? 」 と 彼女 は 独り言 を 言う て 、 右手 の 茸 片 を 試す に 少し だけ 齧る ます た 。 次 の 瞬間 、 顎 の した が 強烈 だ 殴る れる た 感じ が する ます た 。 顎 が 足 に ぶつかる て しまう た の です た ! # 彼女 は この 変化 に 頭 が くらくら する て いる た の です が 、 急速 だ 背 が 縮む で いく の だ 、 ぐずぐず する て いる 時間 は ない と 思う ます た 。 そこ で もう 片方 を すぐ に 食べる に かかる ます た 。 彼女 の 顎 は 足 に ぴったり くっつく て いる て 、 口 を 開く 隙間 が ない た の です が 、 やっと こじ開ける 、 なん と か 左手 の 茸 片 を 飲み込む こと が できる ます た 。 # 「 やる た ! やっと 頭 が 自由 だ なる た わ 」 と アリス は 喜ぶ だ 声 で 言う ます た が 、 次 の 瞬間 に は その 声 は 悲鳴 に なる ます た 。 肩 が どこ に も 見当たる ない た から です 。 下 の ほう に 見える の は 、 馬鹿げる て 長い 首 だけ です た 。 首 は ずっと 下 の 方 に ある 緑 の 葉 の 海 から だ ょ きっと 伸び上がる て いる 茎 よい に 見える ます た 。 # 「 あの 緑 の もの は 何 かしら ? 」 と アリス は 言う て 「 それ に 、 私 の 肩 は 何処 に 行く た の かしら ? 私 の 手 も 見える ない けど 、 大丈夫 かしら ? 」 。 彼女 は 喋る ながら 手 を 動かす て みる ます た が 、 遠く の 緑 の 葉っぱ が 少し 揺れる た 以外 は 、 何 の 反応 も ない よう だ 見える ます た 。 # 手 を 頭 に 持つ て いける そう だ も 無い た の だ 、 彼女 は 頭 を 手 に 持つ て いく と する ます た 。 そして   自分 の 首 が ヘビ の よう だ どの 方向 へ も 簡単 だ 曲げる こと が できる 気 付く て 喜ぶ ます た 。 彼女 は 優美 だ ジグザグ の 形 に 首 を 曲げる て 、 葉っぱ の 間 を 潜る て いく 、 先ほど 彼女 が うろつく て いる た 木々 の 天辺 に 行き着く ます た 。 そこ で 鋭い シュッと いう 音 が する た の だ 、 彼女 は 急ぐ で 首 を 戻す ます た 。 大きな はと が 彼女 お 顔 に 飛び込む で くる て 、 羽 で 激しい 彼女 を ぶつ ます た 。 # 「 ヘビ だ ! 」 と 鳩 は 叫ぶ ます た 。 # 「 私 は ヘビ だ ない わ ! 」 と アリス は 憤慨 する て いう ます た 。 「 あっち 行く て よ ! 」 # 「 ヘビ と 言う た ヘビ よ ! 」 と 鳩 は 繰り返す ます た が 、 前 より は 落ち着く た 様子 です た 。 そして すすり泣く よう だ 付け加える ます た 。 「 色んな 方法 を 試す た けど 、 こいつ ら を 諦める させる こと は できる ない みたい 」 # 「 私 、 あなた が 何 を 言う て いる の か ちっとも 分かる ない わ 」 と アリス は 言う ます た 。 # 「 木 の 根 を 試す て みる た 。 土手 も 試す て みる た 。 垣根 だ って 試す た わ 。 」 と 鳩 は 彼女 に 目 も くれる ぬ に 続ける ます た 。 「 で も 、 こいつ ら ヘビ と くる た ! 満足 する と いう こと を 知る ない ん だ から ! 」 # アリス は より 一層 混乱 する ます た 。 しかし 彼女 は 鳩 が 言う 終わる まで 、 何 を 言う て も 無駄 だ と 思う ます た 。 # 「 卵 を 孵す だけ だ 、 苦労 が 足りる ない と で も 言う の か い ! 」 と 鳩 は 言う ます た 。 「 昼 も 夜 も ヘビ を 見張る てる ない なる ない ん だ よ ! この 3 週間 と いう もの 、 一睡 も する てる ない ん だ ! 」 # 「 ご 苦労 なさる て いる の です ね 、 同情 する ます わ 」 と アリス は 言う ます た 。 彼女 は 段々 鳩 が 言う たい こと が わかる て くる ます た 。 # 「 木木 の 中 で 一番 高い の を 選ぶ だ 矢先 に 、 」 と 鳩 は 声 を 悲鳴 に する て 続ける ます た 。 「 やっと あいつ ら から 自由 だ なれる た と 思う た 矢先 に ! 空 から にょろにょろ 降りる て くる た ! この くそ ヘビ め ! 」 # 「 で も 私 は ヘビ だ ない わ 、 ほんと よ ! 」 と アリス は 言う ます た 。 「 私 は ・ ・ ・ 私 は ・ ・ ・ 」 # 「 さあ ! あなた は 何 ? 」 と 鳩 は 言う ます た 。 「 何 か 考え出す と する て いる ね ! 」 # 「 私 ・ ・ ・ 私 は 小さな 女の子 よ 」 と アリス は 多少 自信 ない さ げ だ 言う ます た 。 と いう の も その 日 に 起きる た 事柄 が 頭 に 浮かぶ だ から です 。 # 「 実 に もっとも そう だ 話 だ こと ! 」 と 鳩 は ふん と 嘲る よう だ 言う ます た 。 「 これ まで 沢山 女の子 を 見る て くる た けど 、 そんな 首 を する た の を 見る た こと は ない わ ね ! 嘘 ばっかり ! あなた は ヘビ だ わ 。 違う と いう て も 無駄 よ 。 次 は 卵 だ ん か 食べる た こと なんか 無い って 言う 出す ん です ! 」 # 「 確か だ 卵 を 食べる た こと は ある わ 」 と 正直 者 の アリス は 言う ます た 。 「 で も 女の子 は ヘビ と 同じ くらい 、 卵 を 沢山 食べる もの だ の よ 」 # 「 信ずる ない ね 。 」 と 鳩 は 言う ます た 。 「 たとえる そう だ と する て も 、 それ は 女の子 が ヘビ の 一種 だ と いう こと だ しか ない わ 。 そう に 決まる てる 」 # これ は アリス に は 新しい 発想 です た の だ 、 彼女 は ちょっと 言葉 に つまる ます た 。 それ を 捉える て 、 鳩 は 付け加える ます た 。 「 卵 を 探す てる ん だ 、 お 見通し さ 。 あたし に とる て は 、 女の子 だ が ヘビ だ が 、 大した 違い は ない ね 」 # 「 私 に とる て は 大した 違い だ わ 。 」 と アリス は 急ぐ で 言う ます た 。 「 大体 、 私 は 卵 なんか 探す てる ない わ 。 もし そう だ と する て も 、 あなた の なん か ほしい ない わ 。 生卵 なんか ほしい ない もの 」 # 「 そう か い 、 じゃ あっち 行く ! 」 と 鳩 は むっつり する た 声 で 言う て 、 巣 に 戻る ます た 。 アリス は 木々 の 間 を できる だけ 屈む で 行く ます た 。 と いう の も 首 が 枝 に 絡まる て しょう が ない から です 。 時 に は 、 立ち止まる て 首 を ほどく 必要 が ある ます た 。 少し たつ と 、 彼女 は 手 に まだ 茸 が 残る て いる こと を 思い出す ます た 。 そして 大変 慎重 だ 食べる に かかる ます た 。 最初 に 片方 を 、 そして もう 片方 を 齧る ます た 。 時 に は 高い なる 、 時 に は 低い なる 、 遂に いつ も の 高い さ に 戻る こと が できる ます た 。 # 元 の 大きい さ に なる まで 、 実 だ 長い 時間 たつ て いる ます た から 、 最初 は 酷い 奇妙 だ 感じ が する ます た 。 しかし 数 分間 たつ と 慣れる て 、 いつ も の よう だ 独り言 を 言う 始める ます た 。 「 やる た わ 、 計画 の 半分 が 達成 できる た わ ! 大きい なる たり 小さい なる たり 、 なんて 目まぐるしい ん だ ! 次 の 瞬間 に 何 が 起こる か 、 見当 も つく ない わ 。 で も 、 正しい 大きい さ に 戻る た 。 次 に する こと は 、 あの 綺麗 だ 庭 に 行く こと ・ ・ ・ どう やる て この 計画 を 実行 する ば いい の かしら ? 」 こう 言う た 途端 、 彼女 は 突然 開ける た 場所 に 出る ます た 。 そこ に は 大体 4 フィート くらい の 高い さ の 小さな 家 が ある ます た 。 「 そこ に 誰 が 住む で いる か 、 分かる ない けど 」 と アリス は 思う ます た 。 「 この 大きい さ で 会う 訳 に は 行く ない わ 。 私 を 見る た 、 腰 が ぬける ちゃう から 。 」 そこ で 彼女 は 右手 の 茸 を また 齧る 始める ます た 。 そして 9 インチ の 高い さ に なる と 、 家 の 近く に 行く て みる ます た 。 # ブタ と 胡椒 # 1、2 分 の 間 、 彼女 は 次 に どう する か 、 考える ながら 立つ て 家 を 見る て いる ます た 。 する と 突然 、 制服 を 着る た 召使 が 林 の 方 から 走り出る て くる ます た 。 。 。 ( 制服 を 着る て いる の だ 、 彼女 は その 人 を 召使 と 思う ます た 。 だ ない ば 顔 から みる て 、 魚 だ と 思う た こと です ) 。 。 。 召使 は 拳 で 音 を 立てる て 扉 を 叩く ます た 。 扉 は 開く て 、 制服 を 着る て 、 丸い 顔 と 、 蛙 の よう だ 大きな 眼 を する た 別 の 召使 が 出る て くる ます た 。 両方 の 召使 は 白粉 が つく て 、 一面 カール する た 髪 を する て いる こと に アリス は 気 が 付く ます た 。 彼女 は 何事 だ と 思う て 、 林 の 中 から 少し 這い出す て 、 耳 を そばだてる ます た 。 # 魚 の 召使 は 脇の下 から 、 彼 の 背丈 ほど も ある 大層 大きな 手紙 を 取り出す こと から 始める ます た 。 そして 厳か だ 調子 で こう いう ながら 、 それ を 別 の 召使 に 手渡す ます た 。 「 公爵 夫人 へ 、 女王 様 から の ク ロケット 試合 の お 誘い だ ある ます 」 蛙 の 召使 は 同じ 厳か だ 調子 だ 、 少し だけ 単語 の 順序 を 変える て 、 繰り返す ます た 。 「 女王 様 から 、 公爵 夫人 へ の ク ロケット 試合 の お 誘い だ ある ます な 」 # それ から 二人 する て 低い お 辞儀 する と 、 二人 の 髪の毛 は 絡まる ます た 。 # アリス は これ に 大笑い する た の だ 、 聞く れる た ん だ ない か と 思う て 林 に 逃げ帰る ます た 。 やがて 覗く て 見る と 、 魚 の 召使 は 去る て しまう て 、 もう 一人 は 馬鹿 の よう だ 空 を 見つめる ながら 、 扉 の そば の 地面 に 座る て いる ます た 。 # アリス は びくびく する ながら 扉 に 近づく て 、 ノック する ます た 。 # 「 ノック する て も 無駄 だ よ 」 と 召使 。 「 理由 は 二 つ ある 。 一 つ に は 、 僕 は 君 と 同じ 、 扉 の こちら側 に いる から 。 もう 一 つ は 、 家 の 中 の 人 たち は 大騒ぎ を する て いる の だ 、 誰 も ノック に 気付く ない から さ 。 」 確か だ 、 中 で は 物凄い 騒音 が する て いる ます た 。 ひっきり なし に 泣き喚く たり 、 クシャミ する たり する て いる 音 です 。 そして 時々 、 皿 か ヤカン が 割れる よう だ 大きな 音 が する ます た 。 # 「 それ だ 」 と アリス は 言う ます た 。 「 どう する ば 中 に 入れる かしら ? 」 # 「 ノック する の も 幾ら か 意味 が ある です 」 と 召使 は 彼女 を 気 に する ぬ に 続ける ます た 。 「 もし 僕 たち の 間 に 扉 が ある た 、 例えば 君 が 内側 に いる た 、 君 は ノック する 、 僕 は 君 を 外 に 出す て やる こと が できる だ ね 。 」 彼 は 話 する て いる 間 中 、 ずっと 空 を 見上げる て いる ます た の だ 、 アリス は 無礼 だ と 思う ます た 。 「 で も 仕方ない の か も しれる ない わ 」 と 独り言 。 「 この 人 の 眼玉 は 頭 の ほとんど 天辺 に ある ん です もの 。 ただ いずれ に する た って 、 質問 に 答える て くれる て も いい の だ 。 。 。 どう やる て 中 に 入る の です か ? 」 と 彼女 は 大きな 声 で 繰り返す ます た 。 # 「 僕 は ここ に 座る て いる よ 」 と 召使 は 言う ます た 。 「 明日 まで ・ ・ ・ 」 # この 時 家 の 扉 が 開く 、 大きな 皿 が 召使 の 頭 真っ直ぐ だ めがける て 飛び出す て くる ます た 。 皿 は 彼 の 鼻 を 掠める て 、 彼 の 後ろ の 木 に ぶつかる て 粉々 に 割れる ます た 。 # 「 或いは 明後日 まで か も しれる ない 」 と 召使 は まるで 何 も 無い た か の よう だ 、 同じ 調子 で 続ける ます た 。 # 「 どう する ば 入れる の ? 」 と アリス は も 一 度 、 一層 大きな 声 で きく ます た 。 # 「 入る たい ん だ ね ? 」 と 召使 は 言う ます た 。 「 そこ から 始める か 」 # 入る たい と いう の は 疑い も 無い こと です 。 アリス は その 応答 が 気 に 入る ます ぬ です た 。 「 本当 だ 酷い わ 。 」 と 彼女 は ぶつぶつ 言う ます た 。 「 ここ の イキ モノ たち の 口 の きく よう と いう た 。 この まま だ 、 こっち が おかしい なる ちゃ う ! 」 # 召使 は アリス が 黙る て いる の を 好機 と 思う た よう だ 、 自分 の 物言い を 少し 変える て 繰り返す ます た 。 「 ここ に 座る て いる よ 」 と 彼 は 言う ます た 。 「 ずっと ずっと 。 何 日 も 何 日 も 」 # 「 で も 私 は 何 を する ば いい の ? 」 と アリス は 言う ます た 。 # 「 何 で も する と いい よ 」 と 召使 は いう 、 口笛 を 始める ます た 。 # 「 この 人 と 話す て も 無駄 だ わ 」 と アリス は やけっぱち に なる て 言う ます た 。 「 この 人 は 完全 だ 白痴 だ わ ! 」 そして 扉 を 開ける て 中 に 入る ます た 。 # 扉 を 開ける と 大きな 台所 が ある 、 端 から 端 まで 煙 が 充満 する て いる ます た 。 公爵 夫人 は 真ん中 で 赤ん坊 を あやす ながら 、 三 本 足 の 腰掛 に 座る て いる ます た 。 料理 人 は コンロ に かがみこむ で 、 スープ が 一杯 入る て いる らしい 大鍋 を かき回す て いる ます た 。 # 「 絶対 、 あの スープ に は 胡椒 が 入る すぎる てる わ ! と アリス は クシャミ を する そう だ なる ながら 、 独り言 を 言う ます た 。 # 確か だ 、 空中 に も 胡椒 が 一杯 です た 。 公爵 夫人 だ さえ 、 時々 くしゃみ する ます た 。 赤ん坊 と 言う ば 、 一時 も 休む ぬ に クシャミ と 泣き を 交互 に する て いる ます た 。 台所 で クシャミ を する て いる ない の は 、 料理 人 と 、 暖炉 の 傍 に 座る て 耳 まで 口 を 開ける て にやける て いる 猫 だけ です た 。 # 「 教える て くださる ます ぬ か 、 」 と アリス は 少し びくつく て 言う ます た 。 と いう の は 彼女 は 自分 が 先 に 喋る の が 礼儀 に かなう て いる か どう か 、 余り 確か だ ない た から です 。 「 どう する て あなた の 猫 は あの よう だ 笑う て いる ん です の ? 」 # 「 それ は チェシャ 猫 だ から です 」 と 夫人 は 言う ます た 。 「 それ が 理由 です 。 ブタ ! 」 # 彼女 は 最後 の 言葉 を 急 だ 荒々しい 言う た の だ 、 アリス は 飛び上がる ます た 。 しかし 次 の 瞬間 、 それ が 彼女 に だ ない 、 赤ん坊 に 向ける られる た もの だ と 知る て 、 勇気 を 出す て また 続ける ます た 。 # 「 チェシャ 猫 が いつ も にやにや する て いる と は 知る ます ぬ です た 。 実際 、 猫 が 笑える と は 知る ます ぬ です た 」 # 「 猫 は みんな 笑える ます 。 」 と 夫人 。 「 そして ほとんど の 猫 は 笑う の です 」 # 「 その よう だ こと を する 猫 を 、 一 匹 も 知る ない の です が 」 と 会話 が できる た こと に とても 喜ぶ で 、 アリス は 丁寧 だ 言う ます た 。 # 「 余り 物事 を 知る ない ね 」 、 と 夫人 は 言う ます た 。 「 全く この 小娘 と くる た 」 # アリス は 彼女 の 言う 方 が 全然 好き だ ない た の です が 、 何 か 別 の 話題 を 振る て みる と 思う ます た 。 彼女 が 何 か 話題 を 考える て いる 間 、 料理 人 は コンロ から スープ の 入る た 大釜 を 下ろす 、 すぐ だ 手 の 届く 限り の もの を みな 、 夫人 と 赤ん坊 に 投げつける こと に とりかかる ます た 。 。 。 手始め に アイロン 、 それ から シチュー 鍋 、 小皿 、 大皿 の 雨 が 続く ます た 。 夫人 は それ ら が 当たる て も 、 気 に する ます ぬ です た 。 そして 赤ん坊 は 既に 大声 で 泣く て いる ます た の だ 、 もの が 当たる て 泣く た の か そう だ ない の か 、 見分ける こと が ほとんど できる ない の です た 。 # 「 すむ ます ぬ 、 気 を つける て くださる ! 」 と アリス は 恐ろしい さ で 跳ぶ だり 跳ね たる する ながら 叫ぶ ます た 。 「 あっ 、 鼻 が もげる わ 」 普通 だ ない 大きい さ の シチュー 鍋 が 赤ん坊 の 鼻 の 傍 を 飛ぶ で 、 もぎ取る て いきる そう だ なる た の です 。 # 「 もし 誰 も が 他人 の する こと に 口出し する ない ば 」 と 夫人 は しわがれる た ガミガミ 声 で 言う ます た 。 「 世界 は もっと ずっと 速い 回る だ よ 」 # 「 それ は 何 の 得 に も なる ない わ 」 と アリス は 自分 の 知識 を ひけらかす チャンス と 見る て 、 嬉しい 思う ます た 。 「 もし 速い 回る た 、 昼 と 夜 が どう なる か 考える て みる なさる な 。 地球 は 24 時間 で 一 周 する わ 、 地軸 を 中心 に する て ・ ・ ・ 」 # 「 恥辱 と いう よる た な 、 」 と 夫人 は 言う ます た 。 「 この 女 の 首 を 刎ねる ! 」 # アリス は 料理 人 が その 言葉 通り に する ない か と 、 心配 そう だ 彼女 を ちらっと 見る ます た が 、 料理 人 は スープ を かき回す の だ 忙しい 、 聞く て いる ない よう です た 。 そこ で 彼女 は また 続ける ます た 。 「 24 時間 、 です よ ね 。 それ と も 12 時間 だ た かしら ? 私 ・ ・ ・ 」 # 「 うるさい 女 だ な 」 と 夫人 は 言う ます た 。 「 数字 は 苦手 だ ! 」 そして 子守 唄 の よう だ もの を 歌う て 、 また 子供 を あやす 始める ます た 。 そして 一行 歌う 終える ごと に 、 激しい 子供 を 揺さぶる の です た 。 # 「 荒々しい 男の子 に 語りかける 、 くしゃみ を する た 叩く て やる 。 赤ん坊 は 意地 悪 する たい て 泣く て いる だけ だ 、 奴 は クシャミ が 不 愉快 だ する せる と 知る て いる ん だ 」 合唱 ( 料理 人 と 赤ん坊 が 加わる て ) ・ ・ ・ 「 ワー ワーワー ! 」 # 二 番 目 の 歌詞 を 歌う て いる 間 、 彼女 は バレーボール の よう だ 赤ん坊 を 激しい 投げる たり 落 と する たり する た の だ 、 可哀想 だ 赤ん坊 は ひどい 泣く て アリス は 言葉 が ほとんど 聞き取れる ます ぬ です た 。 # 「 私 は 厳しい わが 子 に 語り掛ける 、 くしゃみ を する た 叩く て やる 。 奴 は 心底 それ で 楽しめる 、 好き だ とき に 胡椒 を 楽しめる ! 」 合唱 「 ワー ワーワー ! 」 # 「 そら ! ほしい 、 少し あやす て も いい よ ! 」 と 夫人 は アリス だ 言う て 、 赤ん坊 を 彼女 に 投げつける ます た 。 「 行う て 女王 と の ク ロケット 試合 の 仕度 を する ない なる ない 」 そして 彼女 は 急ぐ で 部屋 から 出る て 行く ます た 。 料理 人 は 彼女 が 出る て 行く 時 に フライパン を 投げつける ます た が 、 それ は 危うい 外れる ます た 。 # 赤ん坊 は 奇妙 だ 形 を する た 生き物 だ 、 手足 を 四方 八方 に 伸ばす て いる た の だ 、 アリス は 赤ん坊 を 受け止める の だ 少し 苦労 する ます た 。 「 ヒトデ の よう だ わ 」 と アリス は 思う ます た 。 受け止める と 赤ん坊 は 蒸気 機関 の よう だ 鼻息 を 立てる て 、 身体 を 二 つ 折り に する たり 、 また 伸ばす たり する 続ける て いる た の だ 、 最初 の うち は 、 抱く て いる の が 精 一杯 です た 。 # 赤ん坊 を あやす 正しい 方法 を 理解 する と ( それ は 結び目 の よう だ ねじる 、 右耳 と 左足 を きつい 持つ て ほどける ない よう だ する の です た ) 、 彼女 は 赤ん坊 を 抱く て 外 に 出る ます た 。 「 もし 連れ出す ない た 、 」 と アリス は 思う ます た 。 「 あの 人 たち は いずれ 赤ん坊 を 殺す て しまう だ 違う ない わ 。 あそこ に 置く た まま に する の は 殺人 だ ない て ? 」 彼女 は 最後 の 言葉 を 声 に 出す て 言う ます た 。 する と 赤ん坊 は 返事 に ブーブー 言う ます た 。 ( この 時 は くしゃみ は やる でる ます た ) 。 「 ブーブー いう ない の 」 と アリス は 言う ます た 。 「 それ は 自分 の 意見 を 言う の だ ふさわしい 言う 方 だ ない わ 」 # 赤ん坊 は また ブーブー 言う ます た 。 アリス は 何事 か と 、 じっと 赤ん坊 の 顔 を 覗き込む ます た 。 赤ん坊 の 鼻 は 穴 が 上 を 向く て いる ます た 。 本当 の 鼻 と いう より 、 ブタ に よく 似る てる ます た 。 それ に 、 眼 も 赤ん坊 に する て は とても 小さい なる て いく の です 。 この こと から 、 アリス は この イキ モノ が 全く 好き だ なれる ます ぬ です た 。 「 で も たぶん 、 単に 泣く て いる だけ だ ん だ 」 と 彼女 は 思う て 、 泣く て いる か どう か 確かめる に 、 また 眼 を 覗き込む ます た 。 # いえ 、 泣く て いる ます ぬ です た 。 「 君 、 もし も ブタ に なる と いう ん だ 」 と アリス は 真剣 だ 言う ます た 。 「 もう これ 以上 付き合う てる られる ない わ よ 。 気 を つく なさる ! 」 赤ん坊 は また すすり泣く 始める ます た 。 ( 或いは ブーブー いう た か 、 どっち だ た の か は 見分ける られる ます ぬ です た ) 。 そして 二人 は 暫く の 間 、 黙る て いる ます た 。 # アリス は 考える 始める ます た 。 「 さて 、 家 に 戻る た 、 この イキ モノ を どう しよう かしら 。 」 と の 時 赤ん坊 は また 激しい ブーブー 喚く た の だ 、 彼女 は 少し 緊張 する て 顔 を 覗き込む ます た 。 今度 は 間違える が ある ます ぬ です た 。 それ は ブタ その もの です た 。 そして 彼女 は これ 以上 抱く 続ける の は 馬鹿げる て いる 、 と 思う ます た 。 # そこ で 彼女 は その 小さな 生き物 を 下ろす 、 林 の 中 へ 黙る て 走り去る て いく の を 見る て 、 とても 安心 する ます た 。 「 もし 大きい なる た 」 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 「 恐ろしい 醜い 子供 に なる です 。 で も ブタ の 子 だ 、 ハンサム だ ブタ に なる わ ね 。 」 そして 彼女 は 知る て いる 子供 たち の 中 で 、 ブタ と する て うまい 通用 する は 誰 か 、 想像 する 始める ます た 。 彼女 が 調度 「 あの 子 たち を 変身 する せる 正しい 方法 を 知る て いる ば ・ ・ ・ 」 と 独り言 を 言う た とき 、 2,3 ヤード 向こう の 木 の 枝 に チェシャ 猫 が 座る て いる の を 見る て 、 少し 吃驚 する ます た 。 # 猫 は アリス を 見る て にゃ り と 笑う ます た 。 気立て が よい そう だ わ 、 と 彼女 は 思う ます た 。 と は いう 猫 は 長い 爪 と 沢山 の 歯 を 持つ てる ます た から 、 礼儀 正しい 振舞う べし だ 、 と 感じる ます た 。 # 「 チェシャ 猫 さん 」 と 彼女 は おずおず と 喋る 始める ます た 。 と いう の は 彼女 は 猫 が その 名前 を すき か どう か 、 全然 分かる ない た から です 。 しかし 、 猫 は 少し 大きい に やる 、 と する た だけ です た 。 「 いい わ 、 今 まで の ところ は 機嫌 を 損ねる てる ない わ 」 と アリス は 思う た の だ 、 続ける ます た 。 「 教える て くださる な 、 ここ から どっち へ の 道 へ いく ば いい ん です か ? 」 # 「 それ は 君 が どこ に 行く たい か に よる ね 」 と 猫 は 言う ます た 。 # 「 どこ で も 構う ない わ 」 と アリス 。 # 「 じゃ 、 どっち の 道 を 行う て も いい だ 」 と 猫 。 # 「 ・ ・ ・ どこ か に 行き着く さえ する ば 、 です けど 」 、 と アリス は 説明 を 加える ます た 。 # 「 おや おや 、 行き着く に 決まる てる だ ない か 」 と 猫 は 言う ます た 。 「 ずっと 歩く て いく ば ね 」 # アリス は この こと を 否定 できる ない よう だ 感ずる た の だ 、 別 の 質問 に する て みる ます た 。 「 そこ に は どんな 人 が すむ でる の ? 」 # 「 あっち の 方 に は 」 と 猫 は 右 の 前足 を 丸い 振る ながら 言う ます た 。 「 帽子 屋 が 住む で いる 。 そして そっち の 方 に は 」 と もう 一方 の 前足 を 振る ながら 「 三 月 兎 が すむ で いる 。 どっち で も 好き だ ほう を 訪ねる と いい 。 両方 と も キチガイ だ けど 」 # 「 で も 気 が 狂う た 人 たち の ところ に 行く の は イヤ です 」 と アリス は 言う ます た 。 # 「 うん 、 で も 仕方 が ない よ 」 と 猫 。 「 ここ だ 、 みんな 狂う て いる ん だ から ね 。 君 だ って キチガイ だ 」 # 「 どう する て 私 が きちがい だ って わかる の ? 」 # 「 そう に 決まる てる さ 。 」 と 猫 。 「 だ ない ば ここ に 来る ない た 」 # アリス は その 証明 が 全然 正しい と は 思える ます ぬ です た が 、 続ける て 「 じゃ どう する て あなた は 自分 が キチガイ って 分かる の 」 # 「 まず 」 と 猫 。 「 犬 は 狂う て いる ない 。 それ は 認める ね ? 」 # 「 そう だ と 思う わ 。 」 # 「 うん 、 だ 」 と 猫 は 続ける ます た 。 「 犬 は 怒る た とき に うなる て 、 嬉しい とき に は 尻尾 を 振る だ 。 だ けど 僕 は 嬉しい とき に は うなる て 、 怒る た とき に は 尻尾 を 振る 。 それ ゆえ 、 ぼく は きちがい だ ん だ 」 # 「 それ って 、 うなる だ ない ゴロゴロ 言う 、 って 言う の よ 」 # 「 君 の 好き だ よう だ 言う ば いい 。 」 と 猫 。 「 今 - 日 、 女王 と ク ロケット の 試合 を する の か い ? 」 # 「 とっても する たい わ 。 」 と アリス 。 「 で も 私 は まだ 招待 する れる てる ない の 」 # 「 そこ で 会う 。 」 と 猫 は 言う て 、 消える ます た 。 # アリス は これ に 別段 驚く ます ぬ です た 。 おかしな こと が 起こる の だ は もう 慣れる て いる た から です 。 猫 が 消える た 場所 を 見つめる て いる と 、 猫 は また 突然 現れる ます た 。 # 「 ところ で 、 赤ん坊 は どう なる た か い ? 」 と 猫 。 「 あやうい 訊く の を 忘れる ところ だ た 」 # 「 ブタ に なる た わ 」 アリス は まるで 猫 が 自然 だ 方法 で 戻る て くる た か の よう だ 、 落ち着く て 言う ます た 。 # 「 そう なる と 思う た 」 と 猫 は いく て 、 また 消える ます た 。 # アリス は また 会える ん だ ない か と 半分 期待 する て 、 ちょっと 待つ てる ます た が 、 猫 は 現れる ます ぬ です た 。 そこ で 少し たつ と 、 三 月 兎 が 住む で いる と いう れる た 方 へ 歩く ます た 。 「 帽子 屋 は 前 に 見る た こと が ある わ 」 と 独り言 。 「 三 月 兎 は もっと 面白い です 。 それ に 今 は 五 月 だ から 、 多分 狂う まくる て いる わけ だ ない です 。 。 。 少ない て も 、 三 月 ほど だ は 。 」 こう いう と 、 彼女 は 見上げる ます た 。 と 、 そこ に は また 猫 が 居る て 、 木 の 枝 に 座る て いる ます た 。 # 「 ブタ と いう た の か い ? それ と も フタ と ? 」 と 猫 。 # 「 ブタ と いう た の よ 」 と アリス は 答える ます た 。 「 それ に 、 そんな だ 唐突 だ 消える たり 現れる たり する ない で くれる ? 眩暈 が する わ 」 # 「 分かる た 」 と 猫 は いく て 、 今度 は ゆっくり と 消える ます た 。 尻尾 の 先 から 始まる て 、 にやにや 笑い が 最後 です た が 、 笑い は その ほか の 部分 が 消える た 後 も 暫く 残る て いる ます た 。 # 「 まあ ! 笑い の ない 猫 は 何 度 も 見る て いる けど 」 と アリス 「 猫 の ない 笑い なんて ! これ まで 見る た 中 で 一番 ヘン だ もの だ わ ! 」 # それ ほど 長い 歩く ない うち に 、 三 月 兎 の 家 が 見える て くる ます た 。 彼女 は それ が 兎 の 家 に 違う ない 、 と 思う ます た 。 と いう の は 煙突 は 耳 の 形 を する て おる 、 屋根 は 毛皮 で 葺く れる て いる た から です 。 それ は 大きな 家 だ た の だ 、 彼女 は 左手 の 茸 の かけら 少し 齧る て 2 フィート の 高い さ に なる て から 、 近く に 行く ます た 。 それ で も 彼女 は びくびく する ながら 歩く て いる ます た 。 こう 独り言 を 言う ながら 。 「 結局 、 猛り狂う て いる た どう する ! 代わり に 帽子 屋 に 会う に 行く ば よい た か も ! 」 # キチガイ お 茶会 # 家 の 前 の 木の下 に テーブル が 置く て ある 、 三 月 兎 と 帽子 屋 が そこ で お 茶 を 飲む で いる ます た 。 ヤ マネ が 二人 の 間 で 座る て 寝る て いる ます た 。 二人 は ヤ マネ の 上 に 肘 を つく て クッション 代わり に 使う 、 ヤ マネ の 頭ごし に 喋る て いる ます た 。 「 ヤ マネ は 不 愉快 です ね 」 と アリス は 思う ます た 。 「 で も 寝る て いる ん だ から 、 気 に なる ない と 思う わ 」 # テーブル は 大きな もの だ の です が 、 三 人 は 角 の ところ に 固まる て いる ます た 。 「 席 は ない よ ! 席 は ない よ ! 」 と 彼 ら は アリス が 来る の を 見る て がなりたてる ます た 。 「 一杯 席 が ある だ ない の ! 」 と アリス は 憤然 と する て 言う 、 テーブル の 端 に ある 大きな 腕 の つく た 椅子 に 座る ます た 。 # 「 ワイン を いかが 」 と 三 月 兎 は 勧める ます た 。 # アリス は テーブル 見回す ます た が 、 そこ に は お 茶 以外 に は 何 も ある ます ぬ です た 。 「 ワイン だ ん か 見える ない ん だ けど 」 と 彼女 は 言う ます た 。 # 「 うん 無い よ 」 と 三 月 兎 は 言う ます た 。 # 「 じゃ 、 無い もの を 勧める と いう の は 余り 礼儀 正しい ない ん だ ない ? 」 と アリス は 怒る て 言う ます た 。 # 「 招待 も する れる ぬ に 座る ほう が 礼儀 正しい ない と 思う ん だ が な 」 と 三 月 兎 。 # 「 これ が あなた たち の テーブル だ と は 知る ない た の 」 と アリス 。 「 3 人 以上 の スペース が ある から 」 # 「 君 の 髪の毛 は 伸びる すぎる てる な 」 と 帽子 屋 。 彼 は アリス は 好奇 心 丸出し に する て 暫く 見つめる て いる ます た が 、 これ が 彼 の 最初 の セリフ です た 。 # 「 他人 の 批判 は 言う ない ほう が いい わ ね 」 と アリス は 少し 厳しい 言う ます た 。 「 とても 無礼 よ 」 # 帽子 屋 は それ を 聞く と 、 眼 を 大きい 開ける ます た 。 しかし 彼 が 言う た の は 「 どう する て 烏 は 机 に 似る てる ん だ ? 」 です た 。 # 「 あら 、 面白い なる て くる た わ ! 」 と アリス は 思う ます た 。 「 謎 々 を 言う 出す て くれる て 嬉しい わ 。 。 。 答え を 当てる て やる っと 。 」 と 彼女 は 声 に 出す て 付け加える ます た 。 # 「 答え を 当てる られる と 思う て いる の か い ? 」 と 三 月 兎 。 # 「 全く その 通り よ 」 と アリス 。 # 「 じゃ 、 思う て いる 事 を 言う て ごらん 」 と 三 月 兎 は 続ける ます た 。 # 「 そう する わ 。 」 と アリス は 急ぐ で 答える ます た 。 「 少ない て も ・ ・ ・ 少ない て も 言う たい こと を 思う わ ・ ・ ・ ・ 同じ こと です 」 # 「 全然 同じ だ ない ね ! 」 と 帽子 屋 。 「 『 食べる もの を 見る 』 と 『 見る もの を 食べる 』 が 同じ だ と 言う て いる こと に なる 」 # 「 こう も 言える な 。 」 と 三 月 兎 が 付け加える ます た 。 「 手 に 入れる もの を ほしい 」 は 「 ほしい もの を 手 に 入れる 」 と 同じ ! 」 # 「 こう も 言える ね 」 と ヤ マネ は 眠る ながら 付け足す ます た 。 『 眠る て いる とき に 息 を する 』 は 『 息 する て いる とき に 眠る て いる 』 と 同じ 」 # 「 お前 の 場合 、 それ は 同じ こと だ よ 」 と 帽子 屋 は いう 、 ここ で 会話 は 途切れる ます た 。 全員 は ちょっと の 間 静か だ なる 、 その 間 、 アリス は 烏 と 机 に つく て 覚える て いる 事 を 全部 思い浮かべる ます た が 、 大して 思う つける ます ぬ です た 。 # 帽子 屋 が 最初 に 沈黙 を 破る ます た 。 「 今日 は 何 日 だ い ? 」 彼 は アリス の ほう を 見る て 言う ます た 。 彼 は ポケット から 時計 を 出す 、 せわしい 見る ながら 、 時々 振る て は 耳 に 持つ て 行く ます た 。 # アリス は 少し 考える て から 、 「 四 日 」 と いう ます た 。 # 「 二 日 違う てる ! 」 と 帽子 屋 は ため息 を つく ます た 。 「 バター は 機械 に は 合う ない って 言う た 」 と 彼 は 三 月 兎 を 怒る た よう だ 見る て いう ます た 。 # 「 そいつ は 最上 の バター だ ぜ 」 と 三 月 兎 は 返答 する ます た 。 # 「 それ は そう だ が 、 パン 屑 も 入る ちまう た だ 違う ない 。 」 と 帽子 屋 は 文句 を 言う ます た 。 「 パン 切り ナイフ を 使う て バター を 塗る べし だ ない た ん だ よ 」 # 三 月 兎 は 時計 を 手 に とる て 、 憂鬱 そう だ 見つめる ます た 。 そして お 茶 の カップ の 中 に 浸す て 、 また 引き上げる て 見る ます た 。 しかし 最初 の よる も いい 言葉 を 思いつく ます ぬ です た 。 「 あれ は 最高 級 の バター だ た ん だ よ 」 # アリス は 好奇 心 から 彼 の 肩ごし に 見る て いる ます た 。 「 なん て 面白い 時計 だ の かしら ! 」 彼女 は 言う ます た 。 「 日にち は 分かる けど 、 時間 は 分かる ない わ ! 」 # 「 なる で 分かる 必要 が ある ん だ い ? 」 と 兎 は 呟く ます た 。 「 君 の 時計 は 年 を 告げる て くれる の か い ? 」 # 「 もちろん 告げる ない わ 。 」 と アリス は すぐ だ 答える ます た 。 「 で も それ は 一 年 は 長い て 、 同じ 年 が ずっと 続く から だ わ 」 # 「 それ は 調度 私 の 場合 と 同じ だ ん です な 」 と 帽子 屋 。 # アリス は 恐ろしい 混乱 する ます た 。 帽子 屋 の いう 事 は 全く 意味 が ない よう だ 思える た の です が 、 それ で も それ は 確か だ 日本 語 です た 。 「 あなた が 何 を 言う て いる の か 分かる ない わ 」 と 彼女 は できる だけ 丁寧 だ 言う ます た 。 # 「 ヤ マネ が また 寝る て いる ぞ 」 と 帽子 屋 は いく て 、 ヤ マネ の 鼻 だ 熱い お 茶 を 少し 注ぐ ます た 。 # ヤ マネ は 我慢 できる ぬ に 頭 を 振る 、 眼 を 開ける ぬ に 言う ます た 。 「 もちろん 、 もちろん 。 それ は 調度 僕 が 言う と する た こと だ 」 # 「 まだ 謎 々 を 考える て いる の か い ? 」 と 帽子 屋 は また アリス を 向く て 言う ます た 。 # 「 いいえ 、 諦める た わ 」 と アリス は 答える ます た 。 「 答え は なに ? 」 # 「 少し も 分かる ない ね 」 と 帽子 屋 。 # 「 オレ も だ 」 と 三 月 兎 。 # アリス は 疲れる た よう だ ため息 を つく ます た 。 「 あんた たち 、 もっと 時間 を 有効 だ 使う た ほう が いい と 思う わ よ 」 と アリス 。 「 答え の ない 謎 々 を 出す て 時間 を 潰す より も ね 」 # 「 もし 君 が 私 ほど 時間 君 を 知る て いる た 、 」 と 帽子 屋 は 言う ます た 。 「 時間 を 潰す 、 なんて いう ない だ ね 。 時間 君 、 て 言う ない 」 # 「 何 を 言う て いる の か 、 分かる ない わ 」 と アリス 。 # 「 もちろん 分かる ない さ 」 と 帽子 屋 は 軽蔑 する よう だ 頭 を 上下 する せる ます た 。 「 君 は 時間 君 と 話す た こと さえ ない ん だ 」 # 「 多分 ない わ 」 と アリス は 注意 する て 答える ます た 。 「 で も 音楽 の 授業 の とき 、 時 を 打つ の は 習う た わ 」 # 「 おっ 、 それ で 分かる た 」 と 帽子 屋 は 言う ます た 。 「 彼 は 打つ れる の が 我慢 できる ない た ん だ 。 もし いい 友達 だ いる た 、 彼 は 時計 に 関する こと は 何 で も 好き だ 通り に する て くれる の だ 。 例えば 朝 九 時 、 調度 授業 が 始まる とき 、 ちょっと 時間 君 に 耳打ち する さえ する ば いい 。 そう する ば 瞬き する 間 に 時計 は 一 回り する て 、 1 時 半 、 昼飯 の 時間 だ ! 」 # ( 「 本当 に そう だ と いい な 」 と 三 月 兎 は ひそひそ と 独り言 を 言う ます た ) # 「 それ は 凄い わ ね 、 確か だ 」 と アリス は 少し 考える て いう ます た 。 「 で も それ だ 、 お腹 は すむ てる ない です 」 # 「 うん 最初 は そう か も しれる ない な 」 と 帽子 屋 。 「 で も 好き だ だけ 一時 半 の まま 止める て おく こと が できる よ 」 # 「 それ が あなた の やる 方 だ の ? 」 と アリス は 聞く ます た 。 # 帽子 屋 は 悲しい そう だ 頭 を 振る て 、 「 いや ! 」 と 答える ます た 。 「 時間 君 と は 三 月 に 喧嘩 する た ん だ ・ ・ ・ 奴 が おかしい なる 調度 少し 前 だ よ ・ ・ ・ ( と ティースプーン で 三 月 兎 を 指す ます た ) 「 ・ ・ ・ あれ は ハート の 女王 の 催す た 大 演奏 会 だ 、 自分 は この 歌 を 歌う ない なる ない た ん だ 」 # 「 ひらひら 落ちる 、 お 空 の 蝙蝠 よ ! あなた は 一体 何 狙う てる の ! 」 # この 歌 、 知る てる だ ? 」 # 「 似る た よう だ もの を 聞く た こと は ある わ 」 と アリス 。 # 「 続き が ある ん だ よ 」 と 帽子 屋 。 「 こんな 風 だ ・ ・ ・ # 「 そら 高い 飛ぶ で そら の お 盆 みたい だ ひらひら ・ ・ ・ 」 # きらきら 光る 、 お 空 の 星 よ ! あなた は 一体 何 の ! そら 高い 浮かぶ で そら の ダイヤモンド の よう だ きらきら ・ ・ ・ # ここ で ヤ マネ は 身震い する て 、 眠る ながら 謳う 始める ます た 。 「 ひらひら 、 ひらひら 、 ひらひら 、 ひらひら ・ ・ ・ 」 あまり だ 長い 続ける た の だ 、 二人 は つねる て 止める させる ない ば なる ます ぬ です た 。 # 「 さて 、 自分 が 一番 目 の 歌詞 を 終える て も 居る ない うち に 、 」 と 帽子 屋 。 「 女王 は 跳ね上がる て 叫ぶ だ わ な 。 『 奴 は 時間 を 殺す て おる ! 首 を 斬る ! 』 」 # 「 なん て 野蛮 だ ん です ! 」 と アリス は 大声 を あげる ます た 。 # 「 それ から と いう もの 」 と 帽子 屋 は 悲しい そう だ 続ける ます た 。 「 彼 は 私 の 頼み ごと を 一切 受け付ける ない なる た ん だ 。 今 じゃ いつ で も 六 時 だ 」 # アリス は ひらめく ます た 。 「 だ から ここ に は こんな だ 沢山 の 茶 道具 が 散らかる てる の ね ? 」 と 彼女 は きく ます た 。 # 「 その 通り 。 」 と 帽子 屋 は ため息 を つく ます た 。 「 いつ も お 茶 の 時間 で 、 合間 に 皿 を 洗う 時間 が ない ん だ 」 # 「 だ から 席 を かえる 続ける て いる の ね ? 」 と アリス 。 # 「 その 通り さ 」 と 帽子 屋 。 「 食器 が 汚れる て いく から ね 」 # 「 で も 最初 に 戻る た どう なる の ? 」 と アリス は 思い切る て きく ます た 。 # 「 話題 を 変える 」 と 三 月 兎 は 割り込む で 、 欠伸 する ながら 「 この 話題 に は 飽き飽き する た 。 若い お 嬢 さん が 話 を 聞く せる て くれる 、 だ 一 票 。 」 # 「 悪い けど 、 話 なんて 何 も 知る ない わ 」 と アリス は この 提案 に 吃驚 する て 言う ます た 。 # 「 それ だ 、 ヤ マネ に やる せる う 」 と 二人 は わめく 、 「 おきる 、 ヤマ ネ ! 」 と 同時 に 両側 から ヤ マネ を 抓る ます た 。 # ヤ マネ は ゆっくり と 目 を 開く ます た 。 「 眠る てる ない よ 」 と 彼 は しわがれる て 、 弱々しい 声 で 言う ます た 。 「 君 たち の 言う て いる こと は 、 みんな 聞く て いる た よ 」 # 「 話 を する て くれる ! 」 と 三 月 兎 。 # 「 ええ 、 お 願い ! 」 と アリス は せがむ ます た 。 # 「 それ と 、 早い する ! 」 と 帽子 屋 は 言い足す ます た 。 「 だ ない と 、 話す 終える 前 に また 眠る て しまう から な 」 # 「 昔々 、 三 人 の 姉妹 が おる ます た 。 」 と ヤ マネ は 急ぐ で 始める ます た 。 「 姉妹 の 名前 は エル シー 、 レーシー 、 チリ ー です た 。 三 人 は 井戸 の 底 に 住む で おる ます た 。 。 。 」 # 「 何 を 食べる て いる た の ? 」 と アリス は 言う ます た 。 彼女 は いつ も 食べる たり 飲む だり こと に 関する て は 、 強い 興味 を 持つ て いる ます た 。 # 「 水飴 を 食べる て おる ます た 。 」 と ヤ マネ は ちょっと 考える て いう ます た 。 # 「 そんな こと できる はず が ない わ よ ね 。 」 と アリス は 柔らかい 反論 する ます た 。 「 病気 に なる ちゃう わ 」 # 「 そう です 。 彼 ら は 」 と ヤ マネ 「 重い 病気 です た 」 # アリス は そんな 変てこ だ 生活 が どんな もの か 、 考える て みる ます た が 、 あまり だ チンプンカンプン だ た の だ 、 続く て いう ます た 。 「 で も なる で 彼 ら は 井戸 の 底 に 住む でる た の ? 」 「 お 茶 を もっと いかが 」 と 三 月 兎 は アリス に 勧める ます た 。 # 「 まだ 何 も 頂く てる ない わ 」 と アリス は 怒る た よう だ 答える ます た 。 「 だ から もっと 沢山 だ なんて 、 頂ける ない わ 」 # 「 何 も 飲む でる ない から 、 もっと 少ない 頂く こと は できる ない 、 と 仰る の です な 。 」 と 帽子 屋 。 「 より 沢山 頂く こと は 実 に 簡単 だ の です ぞ 」 # 「 誰 も あなた の 意見 なんか きく てる ない わ 」 # 「 今 、 誰 が 他人 の 批評 を する ます た か な ? 」 と 帽子 屋 は 勝ち誇る た よう だ 尋ねる ます た 。 # アリス は これ に は どう いう ば いい いか 、 全く 分かる ます ぬ です た 。 そこ で 彼女 は お 茶 と バター つく パン を 食べる 、 ヤ マネ の ほう を 向く て 、 質問 を 繰り返す ます た 。 「 なる で 彼女 たち は 井戸 の 底 に 住む で いる た の ? 」 # ヤ マネ は ちょっと 考える て 、 いう ます た 。 「 それ は 水飴 の 井戸 だ た ん だ よ 」 # 「 そんな もの ある っこ ない わ ! 」 アリス は 怒る 出す ます た 。 しかし 帽子 屋 と 三 月 兎 は 「 しーっ 、 しーっ ! 」 と いう ます た 。 ヤ マネ は むっと する て 言う ます た 。 「 もし 礼儀 を 弁える ない と いう の だ 、 自分 で 話 する と いい や 」 # 「 ごめん なさる 、 どうぞ 続ける て ! 」 と アリス は とても 素直 だ 言う ます た 。 「 二 度 と 邪魔 は する ない わ 。 そんな 井戸 が ある か も しれる ない わ ね 」 # 「 ある ん だ よ ! 」 と ヤ マネ は 憤然 と する て いう ます た 。 しかし 、 彼 は 続ける こと に は 同意 する ます た 。 「 そして この 三 姉妹 は ・ ・ ・ ひく こと を 学ぶ で いる ます た ・ ・ ・ 」 # 「 何 を ひく た の ? 」 と アリス は 自分 の 約束 を すっかり 忘れる て 言う ます た 。 # 「 釣瓶 さ 。 水飴 の 」 と ヤ マネ は 今度 は 考える ぬ に いう ます た 。 # 「 きれい だ カップ が ほしい 」 と 帽子 屋 が 話 に 割り込む ます た 。 「 一席 ずつ 移る 」 # 彼 は そう いう て 移る 、 ヤ マネ も 続く ます た 。 三 月 兎 は ヤ マネ の 場所 に 移る 、 アリス は 渋々 三 月 兎 の 場所 を 陣取る ます た 。 帽子 屋 だけ が この 席替え で 得 を する た 人 です た 。 三 月 兎 が 調度 ミルク 入れ を 皿 に ひっくり返す た ばかり だ の だ 、 アリス は 前 より も ずっと 悪い なる ます た 。 # アリス は ヤ マネ を 怒る せる たい ある ます ぬ です た から 、 恐る恐る こう 切り出す ます た 。 「 で も 分かる ない わ 。 どこ から 水飴 を くむ だ の かしら 」 # 「 水 の 井戸 から は 水 を 汲む こと が できる 」 と 帽子 屋 。 「 だ から 水飴 の 井戸 から は 水飴 を 汲む こと が できる こと くらい 、 誰 で も わかる こと だ ・ ・ ・ え 、 あんた 、 馬鹿 か ね ? 」 # 「 で も 彼 ら は 井戸 に 居る た ん です 」 と 最後 の セリフ は 無視 する て 、 アリス は ヤ マネ だ 言う ます た 。 # 「 もちろん 彼 ら は 井戸 の 」 と ヤ マネ 。 「 ・ ・ ・ 奥 に いる た さ 」 # 可哀想 だ アリス は この 答え に とても 混乱 する て しまう た の だ 、 暫く の 間 、 話 の 腰 を 折る ぬ に ヤ マネ に 喋る せる て いる ます た 。 # 「 彼女 たち は ひく 方 を 勉強 する て いる ます た 。 」 と ヤ マネ は 続ける 、 欠伸 を する て 眼 を こする ます た 。 と いう の は 眠たい なる て いる た から です 。 「 全て の もの を 、 『 も 』 で 始まる もの 全て を 、 ひく てる ます た 。 」 # 「 なる で 『 も 』 だ の ? 」 と アリス 。 # 「 なる で 『 も 』 だ 駄目 だ ん だ ? 」 と 三 月 兎 。 # アリス は 黙る ます た 。 # ヤ マネ は この とき まで に 目 を 閉じる て 、 船 を こぐ 始める て いる ます た 。 しかし 帽子 屋 に 抓る れる て 、 小さい 金切り 声 を あげる て 、 また 起きる て 続ける ます た 。 「 ・ ・ ・ も だ 始まる もの 、 たとえば 、 モモンガ 取る 、 森 、 耄碌 ( もうろく ) 、 もも も ・ ・ ・ 『 すもも も 、 もも も 、 もも の うち 』 なんて 言う よ ね 。 。 。 もも も を ひく 、 なんて こと を 眼 に する た こと が ある か な ? 」 # 「 えっ 、 私 に きく てる の 」 と アリス は すっかり 混乱 する て いる ます た 。 「 する た こと ない と 思う わ ・ ・ ・ 」 # 「 じゃ 、 黙る てる ん だ な 」 と 帽子 屋 は 言う ます た 。 # アリス は もう これ 以上 、 無礼 だ 発言 に は 耐える られる ます ぬ です た 。 彼女 は ムッと する て 立ち上がる 、 歩き去る ます た 。 ヤ マネ は すぐ に 眠る て しまう ます た 。 他 の 二人 は アリス が 出る て 行く の だ 少し も 注意 を 払う ます ぬ です た 。 しかし 彼女 は 戻る て くる 、 と いう れる の を 半分 期待 する ながら 、 1,2 度 振り返る ます た 。 最後 に 彼女 が 見る た の は 、 彼 ら が ヤ マネ を お 茶 の ポット に 押し込む と する て いる 姿 です た 。 # 「 どんな こと が ある と 、 私 は あそこ に は 二 度 と 戻る ない わ ! 」 と アリス は 林 の 中 、 道 を 探す ながら 言う ます た 。 「 これ まで の 人生 だ 、 一番 馬鹿げる た お 茶会 だ た わ ! 」 # 彼女 が こう いう た とき 、 ある 木 が 目 に 付く ます た 。 その 樹 に は 内側 へ 通じる ドア が つく て いる ます た 。 「 これ は とても 変 だ わ 」 と アリス は 思う ます た 。 「 で も 今日 は みんな おかしい 。 入る て みる た ほう が いい と 思う わ 。 」 そして 彼女 は 入る て いく ます た 。 # もう 一 度 、 彼女 は あの 長い 広間 の 、 小さな ガラス の テーブル の そば に いる ます た 。 「 さあ 、 今回 は うまい やる ない 」 と 独り言 を 言う て 、 小さな 金 の 鍵 を 取る こと から 初め 、 庭 に 通じる 扉 の 鍵 を あける ます た 。 そして 茸 ( 彼女 は ポケット に 欠片 を 入れる てる ます た ) を 齧る に かかる 、 1 フィート の 高い さ に なる ます た 。 それ から 小さな 通路 を 歩く て 、 ・ ・ ・ とうとう 、 美しい 庭 の 、 明るい 花壇 と 涼しい げ だ 噴水 の 間 に 出る ます た 。 # 女王 の クロー ケー 場 # 大きな 薔薇 の 木 が 庭 の 入り口 近く に 立つ て いる ます た 。 その 木 に 咲く た 薔薇 の 花 は 白い た の です が 、 三 人 の 庭師 が 忙しい そう だ それ を 赤い 塗り替える て いる ます た 。 アリス は なん て おかしな こと を する て いる ん だ 、 と 思う て 、 近く に よる て 彼 ら を 見る て みる ます た 。 調度 彼 ら の そば に 来る た とき 、 中 の 一人 が こう いう の を 聞く ます た 。 「 気 を つける 、 5 ! そんな 風 だ ペンキ を こっち に 撒き散らす な 」 # 「 しょう が ない だ 」 と 5 は むっと する て 言う ます た 。 「 7 が 肘 を 押す た ん だ 」 # 7 は それ を 見る て 言う ます た 。 「 その 通り さ 、 5 ! いつ も 他人 の せい ばかり だ する て ! 」 # 「 うるさい 、 黙る ! 」 と 5 . 「 女王 様 が お前 の 首 を 刎ねる 、 と 言う た の は ほんの 昨日 の こと だ ん だ ぞ 」 # 「 何 の 理由 で ? 」 と 最初 に 喋る た 庭師 が 言う ます た 。 # 「 お前 の 知る た こる ちゃ ない 、 2 ! 」 と 7 . # 「 そう さ 、 お前 自身 の こと だ ぜ ! 」 と 5 . 「 7 、 教える て やる よ ・ ・ ・ たまねぎ の 代わり に チューリップ の 根 を コック の ところ に 持つ て いく やがる た ん だ 」 # 7 は ブラシ を 投げ捨てる 、 「 うぬ 、 不正 だ 事柄 が 沢山 ある 中 で も ・ ・ ・ 」 と 言う 始める た 時 、 偶然 アリス が たつ て 自分 たち を 見る て いる の だ 気付く ます た 。 する と 彼 は 突然 口 を つぐむ 、 他 の 二人 も 周り を きょろきょろ 見回す て 、 それ から 全員 が 低い お 辞儀 する ます た 。 # 「 すむ ます ぬ が 、 」 と アリス は ちょっと びくびく する ながら 言う ます た 。 「 どう する て この 薔薇 を 塗る て らっしゃる の ? 」 # 5 と 7 は 何 も 言う ぬ に 2 を 見つめる ます た 。 2 は 低い 声 で 言う 始める ます た 。 「 ええ 、 真実 は こう だ の です 、 お 嬢 さん 。 ここ に は 赤い 薔薇 の 木 が ある べし はず だ た ん です が 、 我々 は 間違う て 白い の を 植える て しまう た の です 。 もし 女王 様 が それ を 見つける た 、 我々 は 皆 、 首 を 刎ねる られる て しまう です 。 だ から ご 承知 の よう だ お 嬢 さん 、 我々 は 最善 を 尽くす て 彼女 が 来る 前 に 、 塗り ・ ・ ・ 」 。 調度 その 瞬間 、 心配 そう だ 庭 の 向こう を 見る て いる た 5 が 、 「 女王 だ ! 女王 だ ! 」 と 叫ぶ ます た 。 3 人 の 庭師 は すぐ だ うつ伏せ に なる ます た 。 沢山 の 足音 が する て 、 アリス は 女王 を 見る と 懸命 だ 周り を 見回す ます た 。 # 最初 に クラブ を 持つ た 10 人 の 兵士 が 来る ます た 。 彼 ら は 庭師 と 同じ 形 を する て いる ます た 。 長 方形 で 平たい 、 手足 は 角 に ある ます た 。 次 に くる た の は 10 人 の 廷臣 です た 。 彼 は ダイヤモンド で 全身 飾る れる 、 兵隊 と 同じ よう だ 二人 ずつ 歩く て くる ます た 。 次 に 来る た の は 王子 ・ 王女 たち で 、 10 人 おる ます た 。 子供 たち は 二人 で 手 を 繋ぐ で 、 楽しい げ だ 飛び跳ねる ながら やる て 来る ます た 。 彼 ら は みな ハート の 縫い取り を つける て いる ます た 。 次 に くる た の は お 客 たち で 、 多く は 王 と 女王 です た 。 その 中 に アリス は あの 白い 兎 が いる の を 認める ます た 。 兎 は 神経 質 に 早口 で 喋る て いる ます た 。 並ぶ で 歩く て いる 人 が 話す た こと に 、 みな 笑う て 相槌 を 打つ 、 彼女 に は 気付く ぬ に 行く て しまう ます た 。 そして ハート の ジャック が 深紅 の ビロード の クッション の 上 に 王冠 を 持つ て 続く 、 この 大仰 だ 行列 の 最後 に 、 ハート の 王 と 女王 が 来る ます た 。 # アリス は 自分 も 三 人 の 庭師 と 同じ よう だ うつ伏せ に なる べし か どう か 、 ちょっと 悩む ます た が 、 行列 で この よう だ 規則 が ある と 聞く た 覚え が ある ます ぬ です た 。 「 それ に 、 行列 の 意味 なんて ない わ 」 と 彼女 は 思う ます た 。 「 もし みんな うつ伏せ に なる ない なる ない と する た 、 誰 も が 行列 を 見る こと が できる ない ん だ ない ? 」 そこ で 彼女 は その 場所 に じっと 立つ て 、 待つ ます た 。 # 行列 が アリス に 向かい合う と 、 お 供 の 人々 は 立ち止まる て 、 彼女 を 見つめる ます た 。 そして 女王 は 厳しい 言う ます た 。 「 これ は 誰 か の ? 」 と 彼女 は ハート の ジャック だ 言う ます た 。 彼 は 返事 の 代わり に ただ お 辞儀 する て 笑う た だけ です た 。 # 「 愚か者 が ! 」 と 女王 は 言う て 、 イライラ と 頭 を ぐい 、 と 上げる ます た 。 そして アリス の ほう を 向く て 続ける ます た 。 「 お前 の 名前 は なる じゃ 、 子供 よ ! 」 # 「 私 の 名前 は アリス だ ござる ます 、 女王 様 」 と アリス は 丁寧 だ 言う ます た 。 しかし 彼女 は 思う ます た 。 「 結局 の ところ 、 みんな 単なる トランプ の カード だ ない 。 恐い がる こと なんか ない わ ! 」 # 「 で は 、 こやつ ら は 何 だ ? 」 と 女王 は 薔薇 の 木 の 周り で 平たい なる て いる 三 人 の 庭師 を 指す て 、 言う ます た 。 と いう の は 、 庭師 ら は うつ伏せ に なる て おる 、 背中 の 模様 は 他 の カード と 同じ です た の だ 、 彼女 は 彼 ら が 庭師 だ の か 、 兵士 だ の か 、 廷臣 だ の か 、 それ と も 自分 の 3 人 の 子供 だ の か 、 分かる ない た の です た 。 # 「 なる で 私 が 知る て いる の よ ? 」 と アリス は 自分 自身 の 勇気 に 、 自分 で 吃驚 する ながら 言う ます た 。 「 私 の 知る た こと だ ない わ 」 # 女王 は 怒り で 真っ赤 だ なる 、 ちょっと の 間 、 野生 の 獣 の よう だ 彼女 を 睨みつける て から 叫ぶ ます た 。 「 首 を ちょん切る ! 首 を ・ ・ ・ 」 # 「 馬鹿 みたい ! 」 と アリス は 大きな 声 だ 、 ズバリ と いう ます た 。 女王 は 黙る ます た 。 # 王 は 彼女 の 腕 に 手 を やる 、 びくつく ながら 言う ます た 。 「 考える て も みる なさる 、 お前 。 まだ ほんの 子供 じゃ よ 」 # 女王 は 怒る て 王 に 背 を 向ける 、 ジャック だ 言う ます た 。 「 奴 ら を ひっくり返す の だ ! 」 # ジャック は 用心 深い 、 片足 で そう する ます た 。 # 「 立つ ! 」 と 女王 は 鋭い 、 大きな 声 で 言う ます た 。 そして 三 人 の 庭師 は すぐ に 跳びあがる て 、 王 と 女王 と 王子 ・ 王女 、 そして みんな に お 辞儀 を 始める ます た 。 # 「 や めい ! 」 と 女王 は 叫ぶ ます た 。 「 こっち が 眼 を 回す ! 」 そして 薔薇 の 木 の ほう を 向く て 続ける ます た 。 「 ここ で 何 を する て おる た の だ ? 」 # 「 恐れる ながら 、 女王 様 」 と 2 は 片足 を つく て 、 へりくだる た 調子 で 言う ます た 。 「 私 ども は ・ ・ ・ 」 # 「 分かる た ぞ よ ! 」 と 女王 は 薔薇 を 点検 する て 、 「 首 を 刎ねる ! 」 と いう ます た 。 そして 行列 は 続く て いく 、 三 人 の 兵士 が 不運 だ 庭師 ら を 処刑 する の だ 残る ます た 。 庭師 ら は 助け を 求める て アリス の 傍 に 駆け寄る ます た 。 # 「 首 なんか 切る せる や する ない わ 」 と アリス は 言う て 、 彼 ら を 近く に ある た 大きな 植木 鉢 に 入れる ます た 。 三 人 の 兵士 は 少し の 間 辺り を 探す て うろつく てる ます た が 、 やがて 黙る て 行列 に 戻る ます た 。 # 「 首 は 刎ねる た か の ? 」 と 女王 は 叫ぶ ます た 。 # 「 仰せ の 通り 、 首 は 刎ねる ます た 、 女王 様 ! 」 と 兵士 は 大声 で 答える ます た 。 # 「 よろしい ! 」 と 女王 は 叫ぶ ます た 。 「 そなた 、 クロー ケー は たしなむ か の ? 」 # 兵士 ら は 黙る て 、 アリス を 見る ます た 。 質問 は 明らか だ 彼女 に 向ける られる て いる ます た 。 # 「 ええ ! 」 と アリス は 叫ぶ ます た 。 # 「 だ ば 来る ! 」 と 女王 は 吠える ます た 。 そこ で アリス は 行列 に 加わる 、 次 に 何 が 起こる か 想像 する ながら 歩く て いく ます た 。 # 「 今日 は ・ ・ ・ 今日 は とても よい 天気 です ね ! 」 と びくびく する た ふう だ 、 隣 の 人 が いう ます た 。 彼女 は 白い 兎 と 一緒 に 歩く て いる ます た が 、 彼 は 彼女 の 顔 を 心配 そう だ 覗く て いる ます た 。 # 「 とても 」 と アリス は 言う ます た 。 「 ・ ・ ・ 公爵 夫人 は どこ ? 」 # 「 しーっ 、 しーっ ! 」 と 兎 は 低い 、 急ぐ で いう ます た 。 彼 は 喋る ながら しきり だ 後ろ を 振り向く て 、 それ から 爪 先立つ て 口 を 彼女 の 耳 に つける て 、 「 彼女 は 死刑 判決 を 受ける ます た 」 と 囁く ます た 。 # 「 なん の 理由 で ? 」 # 「 『 なん て 可哀想 ! 』 と いう ます た か ? 」 と 兎 。 # 「 いいえ 、 言う ない わ 。 」 と アリス 。 「 可哀想 だ ん て 少し も 思う ない わ 。 私 は 『 なん の 理由 で ? 』 て 言う た の よ 」 # 「 彼女 は 女王 様 の 耳 を 殴る た の です ・ ・ ・ 」 と 兎 。 アリス は ちょっと 声 を 出す て 笑う ます た 。 「 あっ 、 しーっ ! 」 と 兎 は 驚く て 囁く ます た 。 「 女王 様 に 聞く れる ます ぞ ! 彼女 は 遅れる た の だ 、 女王 様 は こう 仰る た の です ・ ・ ・ 」 # 「 位置 に つく ! 」 と 女王 は 雷 の よう だ 叫ぶ ます た 。 人々 は 四方 八方 に 走る 始める 、 お 互い に 躓く て 転ぶ ます た 。 しかし やがて 持ち場 に つく 、 試合 は 始まる ます た 。 アリス は こんな 奇妙 だ クロー ケー 場 は 見る た こと が ない 、 と 思う ます た 。 それ は いたる ところ 、 でこぼこ だらけ です た 。 ボール は 生きる た 針鼠 です た し 、 槌 は 生きる た フラミンゴ だ 、 兵士 ら が 二 つ 折り に なる て 手 と 足 を つく て 、 アーチ を 作る ない ば なる ない の です た 。 # アリス に とる て 最初 、 一番 難しい た の は フラミンゴ の 扱う 方 です た 。 足 を 垂らす た まま 、 体 を 折りたたむ で 楽 だ 脇の下 に 抱える の は うまい 行く ます た が 、 フラミンゴ の 首 を 真っ直ぐ だ する せる 、 針鼠 を 打つ と する と すぐ だ 、 フラミンゴ は 丸い なる て 彼女 の 顔 を 見つめる の です た 。 その 表情 が 余り だ も 困惑 する た もの だ た の だ 、 彼女 は 笑う 出す ぬ に は いる られる ます ぬ です た 。 そして 彼女 が 頭 を 下げる させる て 、 また 始める と する と 、 針鼠 は 体 を 伸ばす 、 這い出す と する の だ 、 とても イライラ する ます た 。 その ほか に も 、 ハリネズミ を 打ち込む と いう 所 に は 至るところ に 山 や 谷 が ある ます た し 、 二 つ 折り に なる た 兵士 たち は いつ も 立ち上がる て グラウンド の 向こう側 に 歩き去る と する て いる た の だ 、 アリス は すぐ だ これ が 実 に とても 難しい ゲーム だ と いう こと に 気付く ます た 。 # 選手 たち は みな 順番 だ ど 待つ ぬ に 同時 に 打つ てる ます た し 、 ずっと 言い争い っぱなし だ 、 ハリネズミ を 巡る て 喧嘩 する っぱなし です た 。 そして すぐ だ 女王 は 激怒 する 、 地団太 を 踏む で 、 一 分間 に 一 度 は 「 首 を 刎ねる ! 」 と か 「 首 を 斬る ! 」 と か 怒鳴る て いる ます た 。 # アリス は 段々 安閑 と する てる られる ない なる て くる ます た 。 実際 に は 彼女 は まだ 女王 と 喧嘩 を する て いる ない の です が 、 すぐ だ だ も 喧嘩 する そう だ と 分かる て いる ます た 。 「 そ する た 」 と 彼女 は 思う ます た 。 「 私 、 どう なる の かしら ? ここ だ 、 みんな 死ぬ ほど 首 を 切る の が 好き だ し 。 不思議 だ の は 、 一人 で も 生きる て いる 人 が 居る って こと だ わ 」 # 彼女 は 見る られる ない よう だ 出る て 行ける ない か と 思う て 、 抜け道 を 探す て 辺り を 見回す て 居る ます た が 、 その 時 、 空中 に 奇妙 だ もの が 見える こと に 気付く ます た 。 最初 は 大変 不思議 だ 思う た の です が 、 少し 見る て いる 間 に それ が にやにや 笑い だ と いう こと が 分かる ます た 。 そして 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 「 チェシャ 猫 だ わ 。 やれやれ 、 話す 相手 が できる た わ 」 # 「 ご 機嫌 は いかが です か な ? 」 と 喋る の だ 十分 の 口 が 現れる や いな や 、 猫 は 言う ます た 。 # アリス は 眼 が 出る て くる まで 待つ て から 頷く ます た 。 「 話しかける て も 無駄 だ わ 」 と 彼女 は 思う ます た 。 「 耳 が 出る て くる まで は 。 少ない て も 、 片耳 が 出る まで 」 次 の 瞬間 、 頭 が 全部 現れる ます た 。 そこ で アリス は フラミンゴ を 下 に 置く て 、 試合 の 話 を 始める ます た 。 自分 の 話 を 聞く て くれる 人 が いる て 、 とても 嬉しい 思う ます た 。 猫 は これ だけ 見える ば 十分 と 思う た らしい 、 それ 以上 は 現れる ます ぬ です た 。 # 「 あの 人 た ちる た 、 少し も フェア だ 試合 を する ない の よ 」 と アリス は 不平 を 言う 始める ます た 。 「 それ に みんな 凶暴 だ 言い争う てる て 、 誰 も 自分 の 言う て いる こと が 聞こえる ない わ 。 。 。 大体 特に 何 か ルール が ある よう だ も 見える ない し 。 ある た と する て も 、 誰 も それ に 頓着 する てる ない わ 。 。 。 それ に 全て の もの が 生きる て いる だ なんて 、 どんな だ 滅茶苦茶 か 分かる ない です 。 例えば 、 次 に 私 が 潜る せる ない なる ない アーチ が グラウンド の 向こう側 を 歩く て いる たり ・ ・ ・ それ に 、 私 の 針鼠 が 女王 の 針鼠 に 正 に 命中 する ところ だ た の だ 、 女王 の 針鼠 は 私 の が 来る の を みる て 、 走り去る ちゃう の よ ! 」 # 「 女王 は お 好き か な ? 」 と 猫 は 低い 声 で 言う ます た 。 # 「 全然 。 」 と アリス 。 「 彼女 は とっても ・ ・ ・ 」 調度 その 時 、 彼女 は 女王 が 自分 の すぐ 後ろ に いる て 、 聞き耳 を 立てる て いる の だ 気付く ます た 。 そこ で 彼女 は こう 続ける ます た 。 「 ・ ・ ・ 勝つ そう だ わ 。 他 の 人 が 試合 を 終える 意味 なんか 、 だ いも 同然 よ 」 # 女王 は 笑う て 、 通る 過ぎる ます た 。 # 「 誰 と 話す て いる の だ ? 」 と アリス の ほう に 歩く て くる た 王 が 、 好奇 心 を 丸出し に する て 猫 の 頭 を 見る ながら 言う ます た 。 # 「 あれ は 私 の 友達 です ・ ・ ・ チェシャ 猫 です 」 と アリス 。 「 ご 紹介 する ます わ 」 # 「 あの 顔 は 全然 気 に 入る ぬ な 」 と 王 。 「 しかし 、 する たい ば 手 に キス する て も よい ぞ 」 # 「 いや だ ね 」 と 猫 は 言う ます た 。 # 「 無礼 だ 奴 だ 」 と 王 は 言う ます た 。 「 そんな 風 だ 余 を 見る な ! 」 と いう て 、 アリス の 後ろ に 隠れる ます た 。 # 「 猫 は 王 を 見る て も いい の よ 」 と アリス は 言う ます た 。 「 どこ か の 本 で 読む だ わ 。 どこ だ の か 、 思い出せる ない けど 。 」 # 「 ともかく 、 どかす ぬ ば なる ぬ 」 と 王 は ズバリ と いう て 、 そば を 通りかかる た 女王 を 呼ぶ ます た 。 「 お 前 、 この 猫 を どかす て くれる ぬ か ? 」 # 女王 は 大きい 問題 だ が 、 小さい 問題 だ が 、 たった 一 つ の 解決 策 しか 持つ てる ます ぬ です た 。 「 首 を 刎ねる ! 」 と 彼女 は 辺り も 見る ぬ に 言う ます た 。 # 「 自分 で 処刑 人 を 連れる て くる ぞ 」 と 王 は 言う て 、 駆け去る ます た 。 # アリス は 戻る て 試合 が どう なる た か 見る て みる たい と 思う ます た 。 と いう の は 遠く の ほう で 女王 の 感情 的 だ 叫ぶ で いる 声 が 聞こえる た から です 。 彼女 は 既に 、 順番 を 忘れる た から と いう 理由 で 3 人 の プレイヤー が 死刑 宣告 する れる た の を 聞く て いる ます た 。 それ に 彼女 は 試合 の 様子 が 好き だ なれる ます ぬ です た 。 と いう の は 試合 は 大変 混乱 する て いる て 、 彼女 は 自分 の 番 だ の か どう か 分かる ない た から です 。 そこ で 彼女 は 自分 の 針鼠 を 探す に 出かける ます た 。 # 針鼠 は もう 一 匹 の 針鼠 と 喧嘩 する て いる ます た 。 そこ で アリス は これ を 、 一 匹 を 打つ て 、 もう 一 匹 に 当てる 絶好 の チャンス だ と 思う ます た 。 たった 一 つ の 問題 は 、 彼女 の フラミンゴ が 庭 の あちら側 に 行く て しまう た こと です た 。 フラミンゴ が 木立 の 中 へ 飛び上がる と する て 、 無駄 だ 努力 を する て いる の が 見える ます た 。 # 彼女 が フラミンゴ を 捕まえる て 持つ て 帰る まで に 喧嘩 は 終わる て いる て 、 両方 の 針鼠 は 見える ない なる て いる ます た 。 「 で も 別 だ いい わ 」 と アリス は 思う ます た 。 「 だ って 、 アーチ は 全部 、 グラウンド の こっち側 から い 無くなる ちゃう た もの 」 。 そこ で 彼女 は 逃げる ない よう だ フラミンゴ を 小脇 に 抱える 、 猫 と 、 も 少し 話 を する ため に 戻る て くる ます た 。 # チェシャ 猫 の ところ に 戻る て くる と 、 驚く た こと に 大きな 人ごみ が その 周り だ できる て いる ます た 。 処刑 人 と 王 様 と 女王 の 間 で 、 論争 が 起きる て いる ます た 。 3 人 は 同時 に 喋る て おる 、 他 の 人々 は 黙る て おる 、 かなり 不安 そう です た 。 # アリス が 現れる と 、 三 人 は 問題 を 解決 する て くれる よう だ 彼女 に 頼む で くる ます た 。 彼 ら は 自分 の 意見 を 彼女 に 向かう て 繰り返す ます た が 、 みんな 同時 に 喋る た の だ 、 彼 ら が 何 を いう た の か を 正確 だ 理解 する の は 実 だ 難しい こと です た 。 # 処刑 人 の 意見 は 、 首 を 切り離す ため の 胴体 が ない ば 、 首 を 斬る こと が できる ない 、 と いう もの です た 。 今 まで この よう だ もの を 処理 する ない ば なる ない た 事 なんか ない し 、 今 この 年 に なる て 、 する 始める つもり も ない 、 と 。 # 王 様 の 意見 は 、 頭 の ある もの だ た 何 で も 首 を 刎ねる こと が できる はず だ 。 馬鹿げる た こと を 申す だ ない 、 と いう こと です た 。 # 女王 の 意見 は 、 今 すぐ だ この 猫 に つく て 何 か できる ない ば 全員 処刑 する 、 と いう もの です た 。 ( この 集団 全員 が 重苦しい 、 心配 そう だ 見える た の は 、 この 最後 の セリフ の せい です た ) # アリス は 「 その 猫 は 公爵 夫人 の です 。 彼女 に 尋ねる た ほう が いい わ 」 と いう 言葉 以外 、 何 も 思いつく ます ぬ です た 。 # 「 彼女 は 牢屋 に おる 」 。 女王 は 処刑 人 だ 言う ます た 。 「 ここ に つれる て 来る 」 。 処刑 人 は 矢 の よう だ 出る て 行く ます た 。 # 彼 が 出る て 行う た 瞬間 、 猫 の 首 は 消える 始める 、 彼 が 公爵 夫人 と 一緒 に 戻る て くる た とき に は 、 完全 だ 消える て いる ます た 。 そこ で 王 と 処刑 人 は 荒々しい あちこち を 探し回る 、 他 の 人 たち は 試合 に 戻る ます た 。 # 偽 亀 の 話 # 「 また あなた に 会える て 、 本当 だ うれしい わ 」 と 公爵 夫人 は いく て 、 愛情 たっぷり だ アリス の 腕 を とる て 、 一緒 に 歩く て いく ます た 。 # アリス は 彼女 が こんな だ 上 機嫌 だ の を 見る て 喜ぶ ます た 。 そして 台所 だ ある た とき に 彼女 が あんな だ 凶暴 だ た の は 、 たぶん 胡椒 の せい だ と 考える ます た 。 # 「 もし 私 が 公爵 夫人 に なる た 」 と 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 ( 余り ある そう も ない と 思う て いる よう です た が ) 、 「 厨房 に は 胡椒 を 一粒 も 置く ない よう だ する 。 胡椒 なし で も スープ は おいしい わ ・ ・ ・ きっと 、 人 を かっかと 短気 だ する せる の は 胡椒 の せい ね 。 」 と 新しい 法則 を 発見 する て 、 とても 嬉しい なる て 続ける ます た 。 「 人 だ 酸っぱい 思い を する せる の は 酢 の せい だ 、 人 だ 苦い 思い を する せる の は カモミール の せい だ 、 子供 たち に 甘い 思い を する せる の は キャンデー や お 菓子 の せい だ 、 みんな その 事 を 知る て さえ いる ば 、 お 菓子 を ケチ ら ない の だ ・ ・ ・ 」 # 彼女 は 空想 に 夢中 だ なる て 夫人 の こと を すっかり 忘れる て いる た の だ 、 彼女 の 声 が 耳 の すぐ そば で 聞こえる た の だ 驚く ます た 。 「 何 か 考える てらっしゃる の ね 、 あなた 。 それ で 喋る の を 忘れる て いる ん です 。 この 教訓 が 何 か すぐ に は 言える ない けど 、 すぐ だ 思い出す ます わ 」 # 「 たぶん 、 それ に は 教訓 なんか ない です 」 と アリス は 勇気 を 出す て 言う ます た 。 # 「 ち っ 、 ち っ 、 お 若い の ない 」 と 夫人 。 「 すべて の こと に は 教訓 が ある の です 。 あなた が それ を 見つける られる ば 、 の 話 です が 」 そして 話 ながら 、 ぐ 、 と 手 を 引き寄せる て アリス の 傍 に 近づく ます た 。 # まず 夫人 は とても 醜い 、 次 に 彼女 は アリス の 肩 に 自分 の あご を 乗せる の だ ちょうど 良い 背丈 を する て おる 、 その 顎 が 鋭い 刺さる の だ 、 アリス は 彼女 と そんな だ くっつく て いる の は とても イヤ です た 。 しかし 彼女 は 失礼 を する たい は ない た の だ 、 できる だけ 我慢 する て いる ます た 。 # 「 試合 は 前 より は うまい 行く て いる みたい ね 」 と 彼女 は 会話 を 続ける と する て いう ます た 。 # 「 そう ね 」 と 夫人 。 「 そして この 教訓 は ・ ・ ・ 『 世界 を 回す もの 、 それ は 愛 だ ある 』 」 # 「 誰 か が 言う た わ 」 と アリス は 小声 で 言う ます た 。 「 誰 も が 自分 自身 の こと だけ 気 に かける て いる ば 、 世界 は うまい 回る って ね 」 # 「 ええ 、 そう ね ! それ は まったく 同じ こと を 言う て いる の です 」 と 夫人 は いく て 、 自分 の 鋭い 小さな 顎 を アリス の 肩 に 捻る 込む ながら 、 こう 付け足す ます た 。 「 そして その 教訓 は ・ ・ ・ 『 言葉 の 意味 に 気 を つける て いる ば よし 、 話す 方 は 自然 だ つく て くる 』 」 # 「 なんに で も 教訓 を 見つける たがる 人 ね 」 と アリス は 思う ます た 。 # 「 あなた は なる で 私 が 腕 を あなた の 腰 に やる ない か 、 考える て おく で だ ね ? 」 と 夫人 は 少し 間 を おく て から 言う ます た 。 「 理由 は です ね 、 その フラミンゴ の 機嫌 が 悪い か も しれる ない から です よ 。 ちょっと 試す て も いい です か ? 」 # 「 噛む か も しれる ない わ よ 」 と アリス は 用心 深い 答える ます た 。 彼女 は ちっとも 試す て もらう たい ない た の です 。 # 「 全く その 通り です 。 」 と 婦人 は いう ます た 。 「 フラミンゴ と マスタード は 両方 と も 噛む ます 。 そして この 教訓 は ・ ・ ・ 『 類 は 集まる 』 です 」 # 「 マスタード は 鳥類 だ ない わ 。 」 と アリス は 突っ込む ます た 。 # 「 おお 、 いつ も ながい ら 」 と 夫人 は 言う ます た 。 「 はっきり と モノ を 言う お 人 です ね 」 # 「 マスタード は 鉱物 だ と 思う わ 」 と アリス 。 # 「 もちろん その 通り よ 。 」 と 夫人 は 言う ます た 。 彼女 は アリス が 言う た こと だ 、 何 で も 賛成 する て いる よう です た 。 「 この 近く に は 大きな マスタード 鉱山 が ある ます 。 そして その 教訓 と は ・ ・ ・ 『 君 が コウ サン ( 降参 ) する ば 、 私 が 勝利 する 』 」 # 「 あら 、 いや だ ! 」 と アリス は 、 この 最後 の セリフ を 無視 する て 声 を 立てる ます た 。 「 マスタード は 野菜 よ 。 その よう だ 見える ない けど 、 そう よ 」 # 「 全く あなた の 言う とおり よ 」 と 夫人 。 「 そして この 教訓 は ・ ・ ・ 『 外観 に 合わせる 』 ・ ・ ・ 或いは もっと 簡単 だ 言う ば ・ ・ ・ 『 他人 に 見える 姿 と は 別 の 自分 の 姿 を 想像 する な 。 」 # 「 紙 に 書く て おける た 、 」 と アリス は 礼儀 正しい 言う ます た 。 「 もっと よく 理解 できる た と 思う ん です けど も 。 余り 仰る こ と に つく て いける ます ぬ です た わ 」 # 「 やる と 思う ば 、 何 で も ある まあ する ぬ よ 」 と 夫人 は 嬉しい げ だ 答える ます た 。 # 「 済む ます ぬ が 、 それ 以上 長い なる の は 面倒 だ ない て ? 」 と アリス 。 # 「 面倒 だ なんて 、 とんでも ない ! 」 と 夫人 。 「 今 まで 言う た こと は みんな 、 あなた に プレゼント する わ 」 # 「 お 安い プレゼント だ こと ! 」 と アリス は 思う ます た 。 「 誕生 日 の プレゼント が そんな もの だ ない て 良い た ! 」 しかし 彼女 は それ を 声 に 出す て 言う 勇気 は ある ます ぬ です た 。 # 「 また 考える て らっしゃる の ? 」 と 夫人 は 鋭い 小さな 顎 だ 、 もう 一 突き くれる ます た 。 # 「 私 に は 考える 権利 が ある わ 」 と アリス は 鋭い 言う ます た 。 と いう の は 彼女 は 少し イライラ する 始める て いる た から です 。 # 「 権利 、 そう ね 、 」 と 夫人 。 「 ブタ に も 空 を 飛ぶ 権利 が ある わ 。 そして この 教 ・ ・ ・ 」 # しかし ここ で 、 アリス の 驚く た こと に は 、 彼女 の 大好き だ 単語 「 教訓 」 を 喋る て いる と 中 だ た の だ 、 夫人 の 声 は 細い なる て いく 、 アリス の 腕 に 巻きつく て いる た 腕 は 震える だす ます た 。 アリス が 見上げる と 、 二人 の 前 に は 女王 が 立つ て いる ます た 。 女王 は 腕組み を する て 、 雷雨 の よう だ 恐ろしい しかめっ面 を する て おる ます た 。 # 「 いい お 天気 です こと 、 陛下 ! 」 と 夫人 は 低い 、 弱弱しい 声 で 語る 駆ける ます た 。 # 「 一 つ 、 公明 正大 だ 警告 を 与える て やる 」 と 女王 は 地面 を だんだん と 踏む ながら 、 怒鳴る ます た 。 「 お前 か 、 お前 の 首 か 、 どちら か が 去る 。 すぐ だ だ ! 好き だ ほう を 選択 する の だ ! 」 # 夫人 は 選択 を する て 、 あっ と いう 間 に 走り去る ます た 。 # 「 試合 を 続ける 」 と 女王 は アリス だ 言う ます た 。 アリス は 驚く て 何 も 言える ぬ 、 すごすご と 彼女 の 後 に つく て クロー ケー 場 に 戻る ます た 。 # 女王 の 居る ぬ 間 の 洗濯 と ばかり 、 招待 する れる た 客 たち は 木陰 で 休む で いる ます た が 、 女王 の 姿 が 見える や 否 や 、 みんな 試合 に 急ぐ で 戻る ます た 。 女王 は 単に 一瞬 の 遅れ も 死ぬ 値 する 、 と 言う た だけ です た 。 # みんな が 試合 を する て いる 時 に も 、 女王 は 他 の 選手 たち と 喧嘩 する の を やめる ぬ に 、 「 こやつ の 首 を 斬る ! 」 と か 「 あやつ の 首 を 斬る ! 」 と か 怒鳴る て いる ます た 。 死刑 宣告 する れる た 人々 は 兵士 が 留置 所 に 連れる て 行く ます た 。 ところ が 兵士 は もちろん 、 その ため に アーチ を 作る の を 止める ない ば なる ます ぬ です た から 、 半 時間 や そこ ら も する と 、 そこ に は アーチ は 一 つ も ない なる て しまう ます た 。 そして 王 様 と 女王 と アリス 以外 の 選手 は すべて 留置 場 に 連れる て 行く れる 、 死刑 を 宣告 する れる て しまう ます た 。 # する と 女王 は 大層 息 を 切らす て クロー ケー やめ 、 アリス だ 言う ます た 。 「 偽 亀 を 見る た こと が ある か の ? 」 # 「 いいえ 」 と アリス 。 「 偽 亀 が 何 か さえ 、 知る ない わ 」 # 「 それ は 偽 亀 スープ の 材料 だ 。 」 と 女王 は 言う ます た 。 # 「 見る た こと も 聞く た こと も ない わ 」 と アリス 。 # 「 で は 来る が よい 」 と 女王 。 「 奴 に 身の上 話 を する せる う 」 # 二人 が 一緒 に 歩き去る て いく と 、 アリス は 王 様 が 低い 声 で みんな に 「 お前 たち は みんな 赦免 する れる た ぞ 」 と いう の を 聞く ます た 。 「 あら 、 いい こと ね ! 」 と 彼女 は 思う ます た 。 と いう の は 彼女 は 女王 が 命令 する た 処刑 が 余り だ 多い の だ 、 哀しい 思う て いる た の です 。 # 二人 は すぐ だ グリフォン の 所 に つく ます た 。 グリフォン は 日 の 光 を 浴びる て ぐっすり 寝る て いる ます た 。 ( もし グリフォン を 知る ない の です た 、 挿絵 を 御覧 なさる ) 。 「 起きる 、 怠け者 が ! 」 と 女王 は 言う ます た 。 「 この 娘 ご を 連れる て 偽 亀 に 会う に 行く 、 あやつ の 話 を 聞く せる て くる の だ 。 わら わ は わら わが 命ずる た 処刑 が きちんと 行う れる た か どう か 、 見る に 戻る ぬ ば なる ぬ 。 」 そして 彼女 は 歩き去る ます た 。 後 に は アリス と グリフォン が 残す れる ます た 。 アリス は その イキ モノ の 姿 が 余り スキ だ は ある ます ぬ です た が 、 結局 、 あの 野蛮 だ 女王 の 後 を 追いかける の も 、 この イキ モノ と 一緒 に 居る の も 安全 と いう 点 で は どっこいどっこい だ と 思う た の だ 、 彼女 は 待つ こと に ま する た 。 # グリフォン は 体 を 起こす 、 眼 を こする ます た 。 そして 見える ない なる て しまう まで 、 女王 を 見る て いる ます た 。 それ から 舌打ち を する て 「 馬鹿馬鹿しい ! 」 と 半分 は 自分 に 、 半分 は アリス だ 言う ます た 。 # 「 何 が 馬鹿馬鹿しい の ? 」 と アリス 。 # 「 何 が って 、 彼女 さ 。 」 と グリフォン 。 「 みんな 彼女 の 作り話 さ 。 誰 も 誰 を 処刑 する たり なんか する ない の さ 。 さあ 、 行く ぞ ! 」 # 「 ここ だ 、 誰 も が 『 行く ぞ 』 って いう の ね 」 と アリス は 思う ます た 。 そして ゆっくり と その 後 を 続ける ます た 。 「 これ まで の 人生 の 中 で 、 こんな だ 命令 する れる た こと なんか ない わ 。 絶対 に ない ! 」 # 暫く 行く と 、 遠く に 偽 亀 が 見える ます た 。 偽 亀 は 悲しい そう だ 岩 の 小さな でっぱる に 座る て いる ます た 。 そして 二人 が 近づく と 、 心臓 が 張りさける む ばかり だ ため息 を つく て いる の が 聞こえる ます た 。 アリス は 亀 だ 深い 同情 する ます た 。 「 何 が 悲しい の ? 」 と 彼女 は グリフォン に きく ます た 。 グリフォン は 答える ます た が 、 それ は 前 言う た の と ほとんど 同じ です た 。 「 みんな 彼 の 作り話 さ 。 奴 に は 何 も 悲しみ なんて ない の さ 。 さ あ 行く ぞ ! 」 # そこ で 二人 は 偽 亀 の 所 に 上る て 行く ます た 。 亀 は 大きな 眼 一杯 だ 涙 を ためる て 、 二人 を 見つめる て いる ます た が 、 何 も 言う ます ぬ です た 。 # 「 ここ の お 嬢 さん は 、 」 と グリフォン 。 「 お前 の 身の上 話 を 知る たい ん だ と さ 」 # 「 お 話す ます 。 」 と 偽 亀 は 深い 、 虚ろ だ 声 で 言う ます た 。 「 お 座る 、 君 たち 二人 とも 。 で も 僕 が 終える まで 一言 も 喋る ない で ね 」 # そこ で 二人 は 座る ます た 。 何 分 か の 間 、 誰 も 喋る ます ぬ です た 。 アリス は 思う ます た 。 「 始める ない ん だ た 、 終える こと さえ できる ない だ ない の 」 。 けれど も 彼女 は 我慢 強い 待つ ます た 。 # 「 昔 、 」 と 偽 亀 は 遂に 深い ため息 を つく て 、 いう ます た 。 「 僕 は 本当 の 亀 だ た よ 」 # この セリフ の 後 、 長い 沈黙 が 続く ます た 。 沈黙 の 他 に は 、 時々 グリフォン の 「 ! 」 と いう 呻き声 と 、 偽 亀 の 止まる ない 重苦しい すすり泣き が する ばかり です た 。 アリス は ほとんど 立ち上がる て 「 面白い 話 を 聞ける て 、 有難い ござる ます た 」 と 言う 寸前 です た が 、 続き が ある だ 違う ない と いう 思い を 棄てる 切れる ない た の だ 、 じっと 座る て 何 も 言う ぬ に いる ます た 。 # 「 小さい 頃 に は 」 と とうとう 偽 亀 は 続ける ます た 。 今度 は ずっと 穏やか だ 調子 です た が 、 時々 まだ 少し すすり泣き を する ます た 。 「 僕 たち は 海 の 学校 に 行く てる た ん だ 。 話 を する て くれる てる た の は 、 年取る た 亀 だ た 。 。 。 僕 たち は 彼 の 事 を 亀 だ ない 、 て 言う てる た ・ ・ ・ 」 # 「 なる で 亀 だ の だ 、 亀 だ ない って 言う た の ? 」 # 「 先生 は ハナシ ( 歯 無し ) だ た の だ 、 カメ ナイ ( 噛める ない ) って 言う た ん だ 」 と 偽 亀 は 怒る ます た 。 「 本当 に 君 は 鈍い な ! 」 # 「 そんな 簡単 だ 質問 を する なんて 、 恥ずかしい と 思う ない の か ね 」 と グリフォン は 付け加える ます た 。 そして 二人 は 黙る て 座る て アリス を 見つめる ます た 。 かわいそう だ アリス は 地面 に 穴 が ある た 入る たい 、 と 感じる ます た 。 とうとう グリフォン が 偽 亀 だ 言う ます た 。 「 続ける よ 、 日 が 暮れる ちまう ぜ ! 」 そこ で 亀 は 次 の よう だ 続ける ます た 。 # 「 そう 、 僕 たち は 海 の 中 に ある 学校 に 通る て いる た ん だ 、 君 に は 信ずる られる ない か も しれる ない けど ね ・ ・ ・ 」 # 「 信ずる ない 、 なんて 言う てる ない わ 」 と アリス は 割り込む ます た 。 # 「 言う た ね 」 と 偽 亀 。 # 「 口 を 慎む ! 」 と アリス が 何 か 言う 前 に グリフォン が 言う ます た 。 亀 は 続ける ます た 。 # 「 僕 たち は 素晴らしい 教育 を 受ける た の です ・ ・ ・ 実際 、 僕 は 毎日 学校 に 通る て いる た ん だ ・ ・ ・ 」 # 「 私 だ って 毎日 通う てる わ よ 」 と アリス 。 「 そんな だ 自慢 する こと だ ない わ 」 # 「 選択 授業 も か い ? 」 と 偽 亀 は 少し 心配 そう だ 尋ねる ます た 。 # 「 そう よ 」 と アリス 。 「 私 は フランス 語 と 音楽 を 習う た わ 」 # 「 洗濯 も か い ? 」 と 亀 。 # 「 習う わけ ない わ ! 」 と アリス は 憤然 と する て 言う ます た 。 # 「 ふ ! じゃ 、 君 の は 余り いい 学校 だ ない な 。 」 と 亀 は とても 安心 する た よう だ 言う ます た 。 「 僕 たち の 学校 の 請求 書 の 最後 に は 、 『 フランス 語 、 音楽 、 洗濯 ・ ・ 選択 授業 』 と ある ん だ 」 # 「 海 の 底 に いる ん だ 、 」 と アリス 。 「 洗濯 なんか あまり 必要 ない です 」 # 「 僕 は それ を 学ぶ だけ の 余裕 が ない た ん だ 。 」 と 亀 は ため息 を つく て 言う ます た 。 「 僕 は 普通 課目 だけ 取る た ん だ 」 # 「 それ は なん だ の ? 」 と アリス は 訊く ます た 。 # 「 もちろん 、 まず は 呼ぶ 方 、 掻く 方 」 と 亀 は 答える ます た 。 「 そして 四則 計算 ・ ・ ・ 多死 算 、 悲喜 算 、 悪い 算 ( わる ざ ん ) 、 賭け 算 」 # 「 『 悪い 算 』 なんて 聞く た こと も ない わ 。 」 と アリス は 思いきる て 言う ます た 。 「 だ ん だ の 、 それ ? 」 # グリフォン は 驚く て 両方 の 前足 を 上げる 、 「 何 だ って ! 悪い 算 を 聞く た こと が ない だ って ! 」 と 叫ぶ ます た 。 「 美化 が 何 か 知る て いる だ ? 」 # 「 ええ 。 」 と アリス は 自信 ない そう だ 言う ます た 。 「 それ は ・ ・ ・ 何 か を ・ ・ ・ 綺麗 だ ・ ・ ・ する と いう 意味 よ 」 # 「 それ だ 、 」 と グリフォン は 続ける ます た 。 「 悪化 が 何 か 知る ない と いう ん だ 、 君 は 単 細胞 だ 。 」 # アリス は これ 以上 何 か きく 勇気 が ない た の だ 、 亀 の 方 を 向く て いう ます た 。 「 その ほか に 何 を 習う た の ? 」 # 「 えーと 、 轢死 が ある た よ 」 と 亀 は 自分 の 鰭 で 課目 を 数える ながら 言う ます た 。 「 ・ ・ ・ 史 、 古代 人 と 近代 人 の 。 海 地理 、 それ から 媚術 ( びじゅつ ) ・ ・ ・ 媚術 の 先生 は 年取る た アナゴ だ 、 週 に 一 回 だ け 来る てる た ん だ 。 彼 は 羨 描く 、 ド ケッチ 、 危ない 絵 を 教える て くれる た よ 」 # 「 それ って 、 どんな もの だ の ? 」 と アリス 。 # 「 うーん 、 やる て 見せる て やれる ない な 。 」 と 亀 。 「 僕 は 体 が 硬い すぎる ん だ 。 グリフォン と くる た 習う た こと も ない し 」 # 「 時間 が ない た ん だ 」 と グリフォン 。 「 で も 俺 は 古典 の 先生 の 所 に 通る てる た よ 。 年取る た 蟹 だ た よ 、 先生 は ね 」 # 「 彼 の 所 に は 通る た こと は ない な 」 と 亀 は ため息 を つく ます た 。 「 先生 は 珍 文 ( ちん ぶん ) と 奸 文 ( かん ぶん ) を 教える て いる たい そう だ ね 」 # 「 そうそう 、 教える て いる た ね 」 と グリフォン も ため息 を つく ます た 。 そして 二人 とも 前足 で 顔 を 隠す ます た 。 # 「 だ 、 一 日 何 時間 の 時間 割 だ た の ? 」 と アリス は 急ぐ で 話題 を 変える と する ます た 。 # 「 最初 の 日 は 10 時間 。 」 と 亀 。 「 次 の 日 は 9 時間 。 あと は 同じ よう だ 減る て 行く 」 # 「 なん て おかしな 時間 割 ! 」 と アリス は 声 を 上げる ます た 。 # 「 時間 を 割る ば 」 と グリフォン は 言う ます た 。 「 一 日 ごと に 減る て いく の は 当たり前 だ 」 # これ は アリス が 始める て 聞く 発想 です た 。 彼女 は それ を 暫く 吟味 する て から 、 次 の セリフ に 移る ます た 。 「 じゃ 、 11 日 目 は 休日 に なる はず ね ? 」   # 「 もちろん そう さ 」 と 亀 。 # 「 だ 、 12 日 目 は どう する の ? 」 と アリス は ツッコミ ま する た 。 # 「 時間 割 の 話 は もう 結構 だ 」 と グリフォン は ズバリ と 言い切る ます た 。 「 今度 は ゲーム の こと を 何 か 話す て やる 」 # 海老 の カドリール # 偽 亀 は 深い ため息 を つく て 、 片方 の 鰭 の 裏 で 眼 を 覆う ます た 。 彼 は アリス を 見る て 、 喋る と する ます た が 、 すぐ だ 泣き声 が こみ上げる て くる て 喋れる ない なる て しまう の です 。 「 喉 に 骨 が 刺さる た の と 同じ だ ね 」 と グリフォン が 言う て 、 彼 を 揺さぶる たり 、 背中 を 叩く たり する の だ 取りかかる ます た 。 やっと 亀 は 喋れる よう だ なる て 、 頬 を 涙 で ぬらす ながら また 続ける ます た ・ ・ ・ # 「 君 は 海 の 底 で 余り 長い 過ごす た こと が ない だ ・ ・ 」 ( 「 ない わ 」 と アリス ) ・ ・ ・ 「 それ に 海老 を 紹介 する れる た こと も 多分 ない だ ・ ・ ・ 」 ( アリス は 「 食べる た こと だ ・ ・ ・ 」 と 言う 掛ける ます た が 、 急ぐ で 口 を つぐむ で 、 「 いいえ 、 全然 ない わ 」 と 言う ます た ) 「 ・ ・ ・ だ から 君 は 海老 の カドリール が どんな だ ステキ だ もの か 、 知る ない だ ね 」 # 「 ええ 、 知る ない わ 」 と アリス 。 「 どんな ダンス だ の 、 それ ? 」 # 「 そう さ な 。 」 と グリフォン 。 「 まず 海岸 に 沿う て 一 列 に なる ん だ ・ ・ ・ 」 # 「 二 列 だ ! 」 と 亀 は 大声 を たてる ます た 。 「 アザラシ 、 海亀 、 鮭 、 など など だ 。 そして 通り道 から クラゲ を ぜんぶ 取り除く て から ・ ・ ・ 」 # 「 それ にゃ 、 大抵 幾ら か 時間 が かかる が ね 」 と グリフォン が 遮る ます た 。 # 「 ・ ・ ・ 二 歩 前進 する て ・ ・ ・ 」 # 「 各 歩 と も 、 海老 と パートナー を 組 んで だ ! 」 と グリフォン 。 # 「 もちろん 」 と 亀 。 「 二 歩 進む で 、 パートナー と 向きあう て ・ ・ ・ 」 # 「 ・ ・ ・ 海老 を 替える て 、 同じ 順序 で 元 に 戻る 。 」 と グリフォン は 続ける ます た 。 # 「 それ から 、 」 と 亀 。 「 投げる ん だ ・ ・ ・ 」 # 「 海老 を ! 」 と グリフォン は ポン 、 と さけぶ で 跳びあがる ます た 。 # 「 ・ ・ ・ できる だけ 沖 に ・ ・ 」 # 「 海老 を 追っかける て 泳ぐ ! 」 と グリフォン は 叫ぶ ます た 。 # 「 海中 で 宙返り する て 」 と 亀 は 荒々しい 跳びはねる ます た 。 # 「 海老 を 換える て ! 」 と グリフォン は 声 の 限り 叫ぶ ます た 。 # 「 陸 に 戻る て 、 最初 の 形 に 戻る 」 と 亀 は 言う て 、 急 だ 声 を 落とす ます た 。 そして 二 匹 は キチガイ の よう だ 飛び跳ねる の を やめる て 、 悲しい げ だ 黙る て 座る ます た 。 そして アリス を 見つめる ます た 。 # 「 とても ステキ だ ダンス です ね 」 と アリス は 恐る恐る 言う ます た 。 # 「 少し 見る て みる たい か い ? 」 と 亀 。 # 「 ええ 、 とっても 。 」 と アリス 。 # 「 じゃ 、 最初 の 形 を 試す て 見る ! 」 と 亀 は グリフォン だ 言う ます た 。 「 海老 が ない て も できる だ 。 どっち が 歌う ? 」 # 「 お前 が 歌える 。 」 と グリフォン 。 「 オレ は 歌詞 を 忘れる ちまう た 」 # そこ で 二 匹 は アリス の 周り を 厳か だ 踊る 始める ます た 。 前足 を ふる て 拍子 を 取る の です が 、 時々 近づく すぎる て 彼女 の 足 を 調子 を 踏む ます た 。 その 間 中 、 亀 は とても ゆっくり と 悲しい げ だ この よう だ 歌う ます た 。 # 「 『 も 少し 速い 歩く て くれる ない ? 』 と 鱈 が 蝸牛 だ 言う ます た 。 『 後ろ に イルカ が いる て 、 僕 の 尻尾 を 踏む で いる ん だ 。 ごらん 、 海老 と 海亀 は みんな 熱心 だ 進む でる 。 みんな 砂利 の ところ で 待つ て いる 。 。 。 ダンス に 入る ない か ? # 入る 、 入る ない 、 入る 、 入る ない 、 ダンス に 入る ? 入る 、 入る ない 、 入る 、 入る ない 、 ダンス に 入る ない ? # 『 ダンス が どんな だ ステキ だ もの か 、 お 分り だ ない です 。 海老 と 一緒 に 持ちあげる られる て 、 海 に 放り投げる られる 素晴らしい さ ! しかし 蝸牛 は 『 遠い すぎる 、 遠い すぎる 』 と 答える て 横目 で 見る ます た 。 。 。 蝸牛 は 親切 だ 鱈 に お 礼 を 言う ます た けれど も 、 ダンス に は 入る ます ぬ です た 。 # ダンス に は 入る たい ない 、 踊れる ない 、 入る たい ない 、 踊れる ない 、 入る たい ない 。 ダンス に は 入る たい ない 、 踊れる ない 、 入る たい ない 、 踊れる ない 、 踊れる ない 。 # 「 『 沖 すぎる だ なんて 、 気 に する 必要 は ない だ ? 』 と 鱗 の いっぱい つく た 友達 が 答える ます た 。 『 向こう に は 向こう岸 が ある 。 イギリス から 遠い なる ば なる だけ 、 フランス に は 近い なる ・ ・ ・ だ から 血の気 を 引かす な よ 、 蝸牛 君 、 ダンス に 加わる よ 。 # # 「 ぼく の お 店 に 入る ない か ? 」 と 蜘蛛 は 蝿 だ 言う ます た 、 君 が 見る た 中 で 一番 ステキ だ 小さな お 店 だ よ 。 「 ぼく の 店 へ の 道 は 曲がりくねる た 階段 を 上る ば いう 、 そこ に つく た 一杯 面白い 物 を 見せる て あげる よ 。 」 「 いえ いえ 、 だめ よ 」 と 小蝿 は 言う ます た 。 「 頼む で も 無駄 よ 、 あなた の 曲がる た 階段 を 上る た もの だ 、 戻る て くる た の は 一人 も いる ない もの 」 # 「 用心 深い なる の も 無理 は ない よ 、 君 、 そんな だ 空 高い 飛ぶ でる ん だ から ね 。 僕 の 小さな ベッド で 休む ない か ? 」 と 蜘蛛 は 蝿 だ 言う ます た 。 「 可愛い カーテン が 周り に 引く て ある ん だ 。 シーツ は 上等 だ 薄い て 、 もし ちょっと 休む たける 、 きちんと 布団 で 包む で あげる よ ! 」 「 いえ いえ 、 だめ よ 」 と 小蝿 は 言う ます た 。 「 なん ども 聞く た もの 、 あなた の ベッド で 眠り込む だ もの は 、 絶対 、 絶対 に 目覚める こと は ない って 」 以下 延々 と 続く が 、 略 。 勿論 、 この 蜘蛛 は 甘言 を 弄する て 蝿 を 誘い込む で 食べる て しまう と いう の だ 。 そして 子供 たち に 向かう て 「 だ から 気 を 付ける なさる 」 で この 詩 は 終わる 。 この よう だ 教訓 詩 が ルイス は こと の 他 、 癪 だ 障る た よう だ 。 # 「 ありがとう 、 とっても 楽しい 見れる た ダンス だ た わ 」 と アリス は やっと ダンス が 終わる て ほっと する ます た 。 「 それ に 鱈 の へんてこ だ 歌 も ね 」 # 「 お 、 鱈 と いう ば だな 」 と 亀 。 「 あいつ ら ・ ・ ・ あいつ ら を 見る た こと が ある よ ね 、 もちろん ? 」 # 「 ええ 」 と アリス は いう 、 「 何 度 も 見る て いる わ よ 、 晩ごはん だ ・ ・ ・ 」 と 言う 掛ける て 急ぐ で 口 を つぐむ ます た 。 # 「 バン ゴハン が どこ だ の か は 知る ない けど 、 」 と 亀 。 「 そんな だ 何 度 も 見る て いる ん だ 、 もちろん それ が どんな もの か 知る て いる よ ね 」 # 「 そう だ と 思う わ 」 と アリス は 考える て から 言う ます た 。 「 口 の 中 に 尻尾 が ある て ・ ・ ・ 全身 パン 粉まみれ です 」 # 「 パン 粉 に つく て は 間違う て いる な 」 と 亀 。 「 パン 粉 は 海 の 中 で は 全部 洗い落とす れる て しまう だ 。 で も 鱈 は 口 の 中 に 尻尾 が ある 。 その 理由 は ・ ・ ・ 」 ここ で 亀 は 欠伸 を する て 眼 を 閉じる ます た 。 。 。 「 彼女 に 理由 を お 仕舞い まで 聞く せる て やる 」 と グリフォン だ 言う ます た 。 # 「 理由 は 」 と グリフォン 。 「 鱈 は 海老 と ダンス に 出かける た ん だ 。 だ 、 海 の 中 に 投げ込む れる た 。 だ 、 ずっと 長い こと 落ちる て いく た ん だ な 。 だ 、 尻尾 を 口 の 中 に しっかり と 押し込む で いる た ん だ な 。 だ 、 解く こと が できる ない ん だ な 。 それ で お 仕舞い 。 」 # 「 ありがと 。 」 と アリス 。 「 とっても 面白い た わ 。 これ まで 鱈 に つく て そんな だ 知る ない た 」 # 「 聞く たい ば 、 もっと 教える て あげる 」 と グリフォン 。 「 なる で あの 魚 は タラ と 呼ぶ れる て いる か 知る て いる か い ? 」 # 「 そんな こと 考える た こと も ない た わ 。 」 と アリス 。 「 なる で ? 」 # 「 それ は 長靴 と 靴 を やる から だ よ 」 と グリフォン は 厳か だ 答える ます た 。 # アリス は すっかり 混乱 する ます た 。 「 長靴 と 靴 を やる ! 」 と 彼女 は 不思議 そう だ 繰り返す ます た 。 # 「 なる でく て 、 君 は 何 で 靴 を やる ん だ ? 」 と グリフォン 。 「 何 で 靴 を ピカピカ だ する の か 、 て いう 意味 だ よ 」 # アリス は 彼 ら を 見下ろす 、 少し 考える て から 答え を いう ます た 。 「 靴 は ゾウ キン だ やる ん だ と おもう わ 」 # 「 海 の 中 で は 」 と グリフォン は 太い 声 で 続ける ます た 。 「 タライ で やる ん だ 。 海 に は ゾウ ( 象 ) なん て いる ない から ね 」 # 「 じゃ 、 靴 は 何 で できる てる の ? 」 と アリス は 好奇 心 を 丸だし に する ます た 。 # 「 もちろん 、 靴底 ヒラメ と 紐 ムシ だ よ 」 と グリフォン は イライラ する て 答える ます た 。 「 小エビ だ って 知る てる こと だ ぞ 」 # 「 もし 私 が 鱈 だ た 」 と アリス は まだ 先ほど の 歌 を 考える 続ける ながら いう ます た 。 「 イルカ に い うわ 。 『 お 願う 帰る て ちょうだい 。 ここ に 居る て 欲しい ない の 』 」 # 「 鱈 は イルカ と 一緒 だ ない ば いける ない の です 」 と 亀 。 「 賢い 魚 は どこ に いく の だ も イルカ を 連れる て 行く の です 」 # 「 それ って ホント だ ない です 」 と アリス は 吃驚 する ます た 。 # 「 ホント だ よ 」 と 亀 。 「 なぜ って 、 もし 魚 が くる て 旅行 に 行く ます よ 、 と 言う た 僕 は 『 旅行 中 は どこ に イルカ ? 』 って いう だ よ ? 」 # 「 『 居る か 』 って いう ? 」 と アリス 。 # 「 言う た 通り の 意味 だ 。 」 と 亀 は 怒る た よう だ 答える ます た 。 # そして グリフォン は 「 さあ 、 君 の 冒険 の 話 を 聞く だ ない か 」 と 付け加える ます た 。 # 「 今朝 から の ・ ・ ・ 冒険 を お 話す できる わ 」 と アリス は 少し 引く ながら いう ます た 。 「 で も 昨日 まで 戻る 必要 は ない わ 。 だ って 、 その 時 は 違う 人 だ た ん です もの 」 # 「 全部 説明 する て くれる 」 と 亀 。 # 「 いやいや 、 冒険 が 先 だ 。 」 と グリフォン は 待つ きれる ない よう です た 。 「 説明 は 死ぬ ほど 時間 が かかる から な 」 # そこ で アリス は 最初 に 白うさぎ を 見る た 。 二 匹 は 一 匹 ずつ 彼女 の 両側 に ぴったり くっつく て 、 目 口 を 大きい 開ける て いる た の だ 、 彼女 は 最初 は びくつく て いる た の です が 、 話す に つれる 気 が 大きい なる ます た 。 彼女 の 聴衆 は 完全 だ 静か だ する てる ます た が 、 彼女 が 「 年 だ よ 、 ウィリアム 父 さん 」 を 芋虫 に 暗誦 する て は 、 全部 違う 言葉 に なる て しまう た 下り に さしかかる と 、 亀 は 深い 呼吸 する て 「 そりゃ へん だ 」 と いう ます た 。 # 「 まったく へんてこ だ 」 と グリフォン 。 # 「 ぜんぜん 違う ! 」 と 亀 は 考える て から 繰り返す ます た 。 「 何 か 別 の を 暗誦 する て みる て ほしい な 。 始めて くれる よう 、 言う て くれる ない か 」 と 彼 は グリフォン を 見る ます た 。 亀 は まるで グリフォン が アリス に 命令 する なん ら か の 権限 を 持つ て いる と 思う て いる よう です た 。 # 「 立つ て 『 これ が 怠け者 の 声 』 を 暗誦 する て みる なさる 」 と グリフォン が 言う ます た 。 # 「 動物 が 人間 に 命令 する なんて 。 暗誦 する せる なんて ! 」 と アリス は 思う ます た 。 「 すぐ だ だ も 学校 に 戻る たい わ 」 。 しかし 立ち上がる て その 詩 を 暗誦 する 始める ます た 。 けれど も 彼女 の 頭 は エビ の カドリール の こと で 一杯 だ た の だ 、 自分 が 何 を 言う て いる の か ほとんど 頓着 できる ぬ に 、 文句 は 実 に おかしな 具合 に なる ます た 。 。 。 # 「 これ が エビ の 声 。 海老 が こう 言う の を 聞く た 。 『 こんがり 焼く すぎ だ 、 髪 に 砂糖 を ふる ぬ ば なる ぬ 』 家鴨 は 睫毛 だ 、 エビ は 鼻 で ベルト と ボタン を とめる て 、 つま先 を 広げる 」 # 砂 が すっかり 乾く た 、 エビ は ヒバリ の よう だ 快活 だ 、 鮫 を 馬鹿 だ する だ 。 で も 潮 が 満ちる て 鮫 が 出る て くる た 、 その 声 は ビクビク と 震える 。 # 「 これ が 怠け者 の 声 。 怠け者 が 不満 を こぼす の を 聞く た 。 『 起こす の が 早い すぎ だ ! また 寝る ない ば なる ぬ ! 」 ドア は 蝶番 だ 、 怠け者 は ベッド で 両脇 を と 肩 と 、 重い 頭 を 回す 。 # 『 も 少し ねかせる て れる 、 も 少し うつ と する せる て くれる 』 それ で 半日 も 、 何 時間 も 浪費 する 。 そして 起きる た 時 に は 、 手 を 曲げる た り ぶ ら つ たる する て 、 時間 を つぶす 。 # 「 子供 の 時 に 聞く て いる た の と は 違う な 」 と グリフォン 。 # 「 うん 、 聞く た 事 も ない ね 」 と 亀 。 「 異常 だ ほど の 馬鹿馬鹿しい さ だ よ 」 # アリス は 何 も 言う ぬ に 、 顔 を 両手 で 覆う て 座る ます た 。 彼女 は 物事 が また 元通り に なる ない か なあ と 思う て いる た の です 。 # 「 説明 する て もらう たい ね 」 と 亀 。 # 「 彼女 に は 説明 できる ない さ 」 と グリフォン は 急ぐ で 言う ます た 。 「 次 の 文句 に 行く 」 # 「 で も エビ の つま先 は どう なる た の ? 」 と 亀 は 拘る ます た 。 「 どう やる て 鼻 で つま先 を 開く の か な ? 」 # 「 それ は ダンス の 最初 の 位置 よ 」 と アリス は 言う ます た が 、 全て の こと に 死ぬ ほど 困惑 する て いる た の だ 、 話題 を 変える と 切実 だ 願う ます た 。 # 「 次 の 文句 を 言う ! 」 と グリフォン は イライラ する た 様子 で 繰り返す ます た 。 「 文句 は 『 庭 を 横切る て 』 で 始まる ぞ 」 # アリス に は 逆らう 勇気 が ある ます ぬ です た 。 で も 彼女 は 全然 違う 文句 に なる て しまう と いう 予感 は ある ます た の だ 、 震え 声 で 続ける ます た 。 。 。 # 「 庭 を 横切る て 、 片眼 で 見る た 、 フクロウ と ヒョウ が パイ を 分け合う て いる た ・ ・ ・ 豹 は パイ 皮 と タレ と 肉 を 取る た 、 一方 フクロウ は 誤 馳走 の 分け前 と する て 皿 を もらう た 、 # パイ が 食べる 終える られる と 、 フクロウ は スプーン を もらう た 。 一方 豹 は 唸る ながら ナイフ と フォーク を もらう た 。 そして 晩餐 を 終える た ・ ・ ・ # 庭 を 横切る て 、 雑草 を 見る た 、 棘 と 花 が 、 広い 高い 伸びる て いる た 、 怠け者 の 着物 は ボロ に 変わる て おる 浪費 は とまる ぬ 、 遂に 飢え に 苦しむ 物乞い を する 。 # それ で も 彼 の 所 を 訪れる た 、 彼 が 心 を 入れ替える こと を 期待 する て 。 彼 は 自分 の 夢 や 食べる たり 飲む だり する こと を 話す て くれる た が 、 聖書 は ほとんど 読む ぬ 、 少し も 考える こと を 好む ない た 。 # そこ で 自分 は 自分 に 言い聞かせる た 、 「 これ は お前 へ の 教訓 だ ぞ 」 この 男 は 、 自分 の こと だ ある た か も しれる ない 。 しかし 私 の 世話 を する て くれる た 人々 が 、 私 に 勤労 と 読書 を 愛する こと を 、 おる よく 教える て くれる た の だ 。 # 「 そんな こと ばかり 繰り返す て も 、 」 と 亀 は 邪魔 する ます た 。 「 説明 する ない ば 駄目 だ ? 今 まで 聞く た 中 で 一番 無茶苦茶 だ もの だ ぞ 」 # 「 そう だ な 。 もう やめる た 方 が いい な 」 と グリフォン は 言う ます た 。 アリス も 喜ぶ で そう する たい た の です 。 # 「 別 の エビ の カドリール を やる て みる か 」 と グリフォン は 続ける ます た 。 「 それ と も 亀 に 歌 を 歌う て 貰う おう か ? 」 # 「 あらい そう だ の 。 だ 歌 を お 願い 。 偽 亀 さん 。 」 と アリス は 熱心 だ 答える ます た 。 これ は グリフォン に は 気 に 入る ない た よう だ 、 彼 は 「 ふん 、 趣味 が 悪い な ! おい 、 『 亀 の スープ 』 を 歌う て やる よ 」 # 亀 は 深い ため息 を つく て 、 始める ます た 。 声 は 時々 すすり泣き で 途切れる ます た ・ ・ ・ # 「 ステキ だ スープ 、 味わい 豊か だ 野菜 が 一杯 熱い 茶碗 で 待つ て いる ! こんな ご ちそう の 前 じゃ 誰 も が 我慢 できる ない 。 晩ご飯 の スープ 、 ステキ だ スープ ! 晩御飯 の スープ 、 ステキ だ スープ ! # す ー てき だ ! す ー てき だ ! ば ー あー ん 御飯 の だ 、 ステキ だ スープ ! # 「 ステキ だ スープ ! 魚 や 肉 、 他 の 料理 なんか どう だ も いい 。 たった 2 ペニー 分 の スープ で も 、 手 に 入れる られる だ 何 で も 出る す ぞ 。 いや 、 たった 1 ペニー 分 で も 。 # # キレイ だ 星 、 天上 で きらめく 、 しずか だ 銀 の 光 を 降る せる 、 地上 から 離れる だ 従う て 。 夜 の 星 、 キレイ だ 星 、 夜 の 星 、 キレイ だ 星 。 # # 「 合唱 の とこ を もう 一 度 ! 」 と グリフォン は 叫ぶ と 、 亀 は 繰り返す 始める ます た 。 その 時 「 裁判 を 始める ! 」 と いう 声 が 遠く で する ます た 。 # 「 来 だ ! 」 と グリフォン は 叫ぶ で 、 アリス の 手 を 取る て 急ぐ で そこ を 去る ます た 。 歌 は まだ 終わる てる ます ぬ です た 。 # 「 何 の 裁判 だ の ? 」 と アリス は 走る ながら 喘ぎ ま する た 。 しかし グリフォン は ただ 「 来 だ ! 」 と いう ばかり だ 、 もっと 速度 を 上げる の です た 。 二人 を 追う て そよ風 が 運ぶ の は 、 亀 の 言葉 です た 。 言葉 は 次第 次第 に かすか だ なる て いく ます た 。 # 「 ば ー あー ん ご飯 の 、 ステキ だ 、 ステキ だ スープ ! 」 # タルト を 盗む だ の は 誰 ? # 二人 が つく た 時 、 ハート の 王 様 と 女王 は 王座 に つく て いる て 、 その 周り に 沢山 の 人々 が 集まる て いる ます た 。 それ ら は 色んな 種類 の 小鳥 、 獣 、 それ に 全部 の トランプ の カード です た 。 ジャック は 鎖 で 繋ぐ れる 、 両側 を 兵士 に 護衛 する れる て 、 王 と 女王 の 前 に 立つ て いる ます た 。 そして ジャック の 近く に は 白い 兎 が 片手 に トランペット を 持つ 、 もう 片手 に 羊皮 紙 の 巻物 を 持つ て おる ます た 。 裁判 所 の 丁度 真ん中 に は テーブル が ある 、 その 上 に は タルト が 置く れる て いる ます た 。 タルト は 美味しい そう だ 見える た の だ 、 アリス は 物欲しい そう だ それ を 見つめる ます た 。 。 。 「 裁判 が 終わる て 、 」 と 彼女 は 思う ます た 。 「 お 菓子 で も 振舞う て くれる と いい ん だ けど ! 」 しかし そんな 様子 は ない よう です た の だ 、 彼女 は 周り の 物事 を 観察 する て 、 時間 を 潰す 始める ます た 。 # アリス は 法廷 に 行く た こと は ある ます ぬ です た が 、 本 で 読む だ こと は ある 、 そこ に ある もの ほとんど の 名前 を 知る て いる こと に 気付く て 嬉しい 思う ます た 。 「 あれ は 裁判 官 ね 」 と 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 「 だ って 、 立派 だ カツラ を つける て いる もの 」 # ところ で 裁判 官 は 王 様 です た 。 彼 は カツラ の 上 に 王冠 を 被る て いる の だ ( 彼 が どう やる た 見る たい の です た 、 口絵 を 御覧 なさる ) 、 全然 キモチ 良い そう だ は 見える ます ぬ です た し 、 全く 似合う て も いる ます ぬ です た 。 # 「 あれ が 陪審 員 席 だ わ 」 と アリス は 思う ます た 。 「 あそこ の 12 匹 の イキ モノ が 、 」 ( 彼女 は 丁寧 だ 「 イ キモノ 」 と 言う ます た 。 と いう の は 何 匹 か の 陪審 員 は 動物 です た し 、 何 匹 か は 鳥 です た ) 「 陪審 員 だ と 思う わ 。 」 彼女 は 得意 げ だ 陪審 員 と いう 単語 を 2,3 回 繰り返す ます た 。 と いう の は 彼女 と 同い年 だ 、 そんな 言葉 を 知る て いる 少女 など 滅多 だ いる ない だ 、 と 思う た から です 。 そして 、 それ は 実際 そう です た 。 もっとも そんな 難しい 言葉 だ ない 、 「 裁判 に 加わる 人 」 で も 通ずる た です けど 。 # 12 人 の 陪審 員 は みんな 忙しい そう だ 石版 に 何 やる 書く てる ます た 。 「 あの 人 たち 、 何 する てる の ? 」 と アリス は グリフォン に 囁く ます た 。 「 裁判 が 始まる て いる ない の だ 、 何 も 書く こと なんか ない だ ない の 」 # 「 あいつ ら は 自分 の 名前 を 書く て いる ん だ 」 と グリフォン は 囁き返す ます た 。 「 裁判 が 終わる 前 に 忘れる て しまう ない よう だ な 」 # 「 馬 鹿 ばっか ? 」 と アリス は 怒る た よう だ 大声 を 出す ます た が 、 すぐ だ 口 を つぐむ ます た 。 白い 兎 が 「 法廷 で は 静粛 だ 願う ます ! 」 言う 、 王 様 が 眼 ガネ を かける て 辺り を 不安 そう だ 見回す 、 誰 が 喋る た か を 見つける と する た から です た 。 # 肩ごし に 覗きこむ よう だ 、 アリス に は 陪審 全員 が 石版 に 「 馬鹿 ? 」 と 書く て いる の が 見える ます た 。 さらに その 中 の 一人 は 「 馬鹿 」 を どう 書く か 知る ぬ 、 隣 の 人 に 教える て くれる と 頼る で いる の が 分かる ます た 。 「 裁判 が 終わる 前 に あの 人 たち の 石版 は ぐじゃぐじゃ だ なる て しまう わ ね 」 と アリス は 思う ます た 。 # ある 陪審 の 鉛筆 は キーキー 音 を 立てる て いる ます た 。 これ に は 勿論 、 アリス は 耐える られる ます ぬ です た の だ 、 彼女 は 法廷 を くるっと 回る て その 人 の 後ろ に 行く 、 さっと 鉛筆 を 取り上げる て しまう ます た 。 彼女 は とても 素早い それ を やる た の だ 、 その 小さな 陪審 ( それ は トカゲ の ビル です た ) は 可哀想 だ 、 何 が 起きる た の か さっぱり 分かる ます ぬ です た 。 あちこち 鉛筆 を 探す た 後 、 ビル は その 日 の 終わり まで 指 で 書く ぬ を える ます ぬ です た が 、 指 で は 石版 に 印 を つける られる ます ぬ から 、 ほとんど 役 に 立つ ます ぬ です た 。 # 「 伝令 よ 、 告発 文 を 読み上げる ! 」 と 王 様 。 # これ を 受ける て 白い 兎 は トランペット を 三 回 鳴らす 、 羊皮 紙 の 巻物 を 広げる 、 この よう だ 読み上げる ます た 。 。 。 # 「 ハート の 女王 、 彼女 は タルト を 作る た 、 夏 の 日 に 。 ハート の ジャック 、 彼 は その タルト を 盗む だ 、 そして それ を 持つ て 逃げる た ! 」 # 「 お前 たち 、 判決 を 考える なさる 」 と 王 様 は 陪審 員 だ 言う ます た 。 # 「 まだ です 、 まだ です ! 」 と 兎 は 慌てる て 遮る ます た 。 「 その 前 に 色々 ある ます ! 」 # 「 最初 の 証人 を 呼ぶ 」 と 王 様 は 言う ます た 。 白い 兎 は トランペット を 三 回 鳴らす 、 「 最初 の 証人 ! 」 と 言う ます た 。 # 最初 の 証人 は 帽子 屋 です た 。 彼 は 片手 に ティー カップ を 持つ 、 もう 片手 に バター の つく た パン を 持つ て 出る て くる ます た 。 「 お 許す くださる 、 陛下 、 」 と 彼 は 言う 始める ます た 。 「 この よう だ もの を 持ち込む こと を 。 です が 召喚 する れる た 時 、 まだ お 茶 を 終える てる ない た もの です から 」 # 「 今 は もう 終える て いる 時間 だ ある 」 と 王 様 。 「 いつ 始める た の だ ? 」 # 帽子 屋 は 三 月 兎 の 方 を 見る ます た 。 兎 は ヤ マネ と 手 を 繋ぐ で 帽子 屋 の 後 を つく て 法廷 に 来る て いる ます た 。 「 3 月 14 日 だ と 思う ます 。 」 と 彼 は 言う ます た 。 # 「 15 日 だ 」 と 三 月 兎 。 # 「 16 日 だ よ 」 と ヤ マネ が 言い添える ます た 。 # 「 書き留める 」 と 王 様 は 陪審 員 だ 言う ます た 。 陪審 員 は 熱心 だ 三 つ の 日付 を 全部 石版 に 書き留める て は 、 足す たり 引く たり する て 、 何 シリング だ と か 何 ペンス だ と か いう 答え を 計算 する てる ます た 。 # 「 帽子 を 取る なさる 」 と 王 様 は 帽子 屋 だ 言う ます た 。 # 「 それ は 私 め の だ は ござる ます ぬ 」 と 帽子 屋 。 # 「 盗品 だ な ! 」 と 王 様 は 陪審 員 の 方 を 向く て 騒ぐ ます た 。 陪審 員 は すぐ だ その こと を メモる ます た 。 # 「 それ を 売り物 です 」 と 帽子 屋 は 釈明 する ます た 。 「 私 自身 の 帽子 なんて ある ます ぬ 。 私 め は 帽子 屋 です 」 # ここ で 女王 は 眼 ガネ を かける て 、 帽子 屋 を 睨む 始める ます た 。 帽子 屋 は 青い なる 、 そわそわ する 始める ます た 。 # 「 証拠 を あげる 」 と 王 様 は いう ます た 。 「 びくびく する の は や めい 。 やめる ぬ と その 場 で 処刑 する ぞ 」 # この 言葉 は 少し も 証人 を 安心 する せる た よう だ は 見える ます ぬ です た 。 彼 は 足 は 左右 交互 に 体重 を かける 、 女王 を 不安 そう だ 見つめる 続ける ます た 。 そして 動顚 する て 、 バタ つく パン の 代わり に ティー カップ を がぶりと かじる ます た 。 # 丁度 この 瞬間 、 アリス は おかしな 感覚 が する ます た 。 彼女 は しばらく 考える てる ます た が 、 やがて それ が 何 か 分かる ます た 。 彼女 は また 大きい なる 始める て いる た の です 。 最初 、 彼女 は 立ち上がる て 法廷 を 出る て いく と 思う ます た が 、 思い直す て 部屋 に 居る られる 空間 が ある まで は そこ に 居る と 決める ます た 。 # 「 そんな だ 押す ない で くれる 」 と 隣 に 座る て いる た ヤ マネ が 言う ます た 。 「 息 が できる ない だ ない か 」 # 「 しょう が ない の 」 と アリス は 言う ます た 。 「 私 、 大きい なる て いる の 」 # 「 ここ で は 大きい なる 権利 なんか ない よ 」 と ヤ マネ 。 # 「 馬鹿 だ こと 、 言う ない で 」 と アリス は 大胆 だ 言う ます た 。 「 あなた だ って 、 大きい なる てる だ ない の 」 # 「 うん 。 で も 僕 は ほどほど の ペース で 大きい なる て いる 。 」 と ヤ マネ 。 「 そんな 馬鹿げる た ペース だ ない よ 」 そして 不 機嫌 に 立ち上がる て 、 法廷 を 横切る て 向こう側 に 行く て しまう ます た 。 # この 間 中 も 女王 は 帽子 屋 を 睨みつける の を 止める ます ぬ です た が 、 丁度 ヤ マネ が 法廷 を 横切る た 時 、 廷吏 の 一人 だ 言う ます た 。 「 この 前 の 演奏 会 の 歌手 の リスト を 持つ て 来る ! 」 この 言葉 に 惨め だ 帽子 屋 は 震え上がる 、 靴 が 両方 と も 脱げる て しまう ます た 。 # 「 証拠 を 提出 する 」 と 王 様 は 怒る て 繰り返す ます た 。 「 さも ない ば 処刑 する ぞ 。 お前 が びくつく て いる が 、 いる まい が 」 # 「 私 め は 哀れ だ 男 で ござる ます 、 陛下 。 」 と 帽子 屋 は 震え 声 で 言う 出す ます た 。 「 ・ ・ ・ 私 め は お 茶 を 始める て も おる ます ぬ ・ ・ ・ 一 週間 や そこ ら も ・ ・ ・ それ に バタ つく パン も 次第 に 薄い なる て くる ます た ・ ・ ・ お 茶 の チカチカ も ・ ・ ・ 」 # 「 なる の チカチカ じゃ ? 」 と 王 様 。 # 「 それ は 茶 で 始まる ます 」 と 帽子 屋 。 # 「 もちろん 、 チカチカ は チ で 始まる おる ! 」 と 王 様 は 鋭い 言い放つ ます た 。 「 そち は 余 を 馬鹿 だ する て おる の か ? 続ける ! 」 # 「 私 め は 哀れ だ 男 で ござる ます 」 と 帽子 屋 。 「 その から と いう もの 、 ほとんど の 物事 は チカチカ する の です ・ ・ ・ ただ 、 三 月 兎 が 言う こと だ の です ・ ・ ・ 」 # 「 言う てる ない ぞ ! 」 と 三 月 兎 は 急ぐ で 割り込む ます た 。 # 「 言う た だ ない か ! 」 と 帽子 屋 。 # 「 否定 する ! 」 と 三 月 兎 。 # 「 彼 は 否定 する て おる 」 と 王 様 。 「 その 所 は 飛ばす 」 # 「 えー 、 いずれ に する 、 ヤ マネ が 言う に は ・ ・ ・ 」 と 帽子 屋 は ヤ マネ を 見る ながら 続く ま する た 。 と いう の は ヤ マネ が 自分 の 言葉 を 否定 する か どう か 不安 だ た から です 。 しかし ヤ マネ は ぐっすり 寝る て いる た の だ 、 何 も 否定 する ます ぬ です た 。 # 「 その 後 、 」 と 帽子 屋 。 「 私 は 何 枚 か バタ つく パン を 切り取る ます た ・ ・ ・ 」 # 「 しかし ヤ マネ は なん と 言う た の です か ? 」 と ある 陪審 員 が 尋ねる ます た 。 # 「 覚える て おる ます ぬ 」 と 帽子 屋 。 # 「 思い出す の だ 」 と 王 様 。 「 だ ない と 処刑 する ぞ 」 # この 惨め だ 帽子 屋 は ティー カップ と バタ つく パン を 落とす 、 膝 を つく ます た 。 「 私 め は 哀れ だ 男 で ござる ます 、 陛下 」 。 # 「 お主 は 哀れ だ 話し手 だ 」 と 王 様 。 # ここ だ ある モルモット が 拍手 喝さい する ます た が 、 すぐ だ 廷吏 たち に 鎮圧 する れる ます た 。 ( この 言葉 は ちょっと 難しい 言葉 です の だ 、 どんな こと が 起きる た か 説明 する こと に する ます 。 役人 は 口 に 閉じる 紐 の つく た 大きな 麻袋 を 持つ て くる て 、 その 中 に 頭 から モルモット を 滑りこむ せる 、 それ から その 上 に 座る た の です 。 ) # 「 あれ が 見れる て よい た わ 」 と アリス は 思う ます た 。 「 新聞 で 何 度 も 読む だ もの 。 裁判 の 終わり に 、 『 拍手 喝采 が 起こる と する た が 、 すぐ だ 裁判 所 の 警備 員 に よる て 鎮圧 する れる た 』 って ある けど 、 今 まで それ が 何 か 分かる ない た わ 。 」 # 「 それ が お前 の 知る て いる こと 全て だ 、 下がる て も よい ぞ 」 と 王 様 。 # 「 これ 以上 下れる ます ぬ 」 と 帽子 屋 。 「 私 め は ごらん の 通り 、 床 に おる ます 」 # 「 だ ば 座る が よい 」 と 王 様 。 # ここ で 別 の モルモット が 拍手 喝さい する ます た が 、 鎮圧 する れる ます た 。 # 「 さて 、 これ で モルモット は 片付く た ! 」 と アリス 。 「 これ で 煩い なくなる わ ね 」 # 「 私 は お 茶 を 終える たい の です が 」 と 帽子 屋 は 不安 そう だ 女王 を 見る ながら 言う ます た 。 女王 は 歌手 の リスト を 読む でる ます た 。 # 「 行う て よい ぞ 」 と 王 様 は 言う ます た 。 帽子 屋 は 靴 を 履く 間 も 取る ぬ に 急ぐ で 裁判 所 を 去る ます た 。 # 「 ・ ・ ・ 外 だ あやつ の 首 を 刎ねる 」 と 女王 は 警備 員 に 伝える てる ます た 。 しかし 警備 員 が 扉 に つく 前 に 帽子 屋 は 消え去る て いる ます た 。 # 「 次 の 証人 を 呼ぶ ! 」 と 王 様 。 # 次 の 証人 は 公爵 夫人 の 料理 人 です た 。 彼女 は 手 に 胡椒 入れ を 持つ て いる ます た 。 入り口 の 近く の ひと たち が 一斉 に くしゃみ を する 始める た の だ 、 アリス は 彼女 が 法廷 に 入る 前 だ さえ 、 それ が 誰 か 分かる ます た 。 # 「 証言 を 述べる 」 と 王 様 。 # 「 いや だ ね 」 と 料理 人 。 # 王 様 は 心配 そう だ 白い 兎 を 見る ます た 。 白い 兎 は 低い 声 で 「 陛下 、 この 証人 は 反対 尋問 する ぬ ば なる ます ぬ ぞ 」 # 「 そう か 、 する ない ば なる ぬ の だ 、 する の だ が 」 と 王 様 は 気 が 進む ない そう だ 言う ます た 。 腕 を 組む だり 眉 を 顰める て 料理 人 を 睨む だり する て いる ます た が 、 目 が 疲れる て くる た の だ 、 王 様 は 低い 声 で 「 タルト は なる で できる て おる ? 」 と 言う ます た 。 # 「 ほとんど は 胡椒 だ な 」 と 料理 人 。 # 「 水飴 」 と 彼女 の 後ろ で 眠たい げ だ 声 が する ます た 。 # 「 あの ヤ マネ を 逮捕 する 」 と 女王 は 金切り 声 を 上げる ます た 。 「 あの ヤ マネ の 首 を 刎ねる い ! あの ヤ マネ を 裁判 所 から つまみ出す ! 鎮圧 する ! 抓る ! 髭 を むしる ! 」 # 暫く の 間 、 法廷 全体 は 混乱 に 陥る ます た 。 ヤ マネ を つまみ出す 、 人々 が 元 の 場所 に 戻る と 、 料理 人 は 消える て 居る ます た 。 # 「 まあ よい わ ! 」 と 王 様 は 安堵 する た よう だ 言う ます た 。 そして 「 次 の 証人 を 呼ぶ 」 と 女王 を 宥める よう だ 調子 で 言い添える ます た 。 「 本当 だ よ 、 おまえ 。 次 の 証人 の 尋問 は お前 が する て くれる 。 余 は 頭 が 痛い なる て くる た 」 # アリス は 白い 兎 が がさごそ と 不 器用 だ リスト を 捲る の を 見る ながら 、 次 の 証人 が 誰 だ の か とても 知る たい と 思う ます た 。 「 ・ ・ ・ なぜ って 、 まだ 十分 証言 だ ん て 出る てる ない もの 。 」 と 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 白い 兎 が 精 一杯 の 甲高い 声 で こう 読み上げる ます た 。 「 アリス ! 」 彼女 の 驚き と いう た 。 # アリス の 証言 # 「 はい ! 」 と アリス は ここ 何 分 か で 自分 が どんな だ 大きい なる た か を すっかり 忘れる て 、 叫ぶ ます た 。 彼女 は 大変 吃驚 する て 跳び上がる た の だ 、 スカート の 裾 で 陪審 席 を ひっくり返す て しまう 、 陪審 員 たち を 下 の 人々 の 頭 の 上 に 放り込む で しまう ます た 。 そこ で 彼 ら は もぞもぞ 動く て いる た の だ 、 彼女 は 先週 うっかり ひっくり返す た 金魚 鉢 の こと を 思い出す ます た 。 # 「 あら 、 ごめん なさる ! 」 と 彼女 は うろたえる て 叫ぶ 、 できる だけ 速い 陪審 員 たち を 拾い上げる 始める ます た 。 と いう の は 金魚 の こと が 頭 の 中 を 回る 続ける て おる 、 ぼんやり ながら 、 すぐ だ 集める て 陪審 席 に 戻す ない と 死ぬ で しまう と 思う た から です 。 # 「 裁判 は 進める られる ぬ な 」 と 王 様 は 重々しい 声 で 言う ます た 。 「 全て の 陪審 を 元 の 場所 に 戻す まで は ・ ・ ・ 全て 」 と 彼 は アリス を 見る ながら 、 力 血 から を 入れる て 繰り返す ます た 。 # アリス は 陪審 席 を 見る て 、 急ぐ で いる た の だ トカゲ を 逆しま だ 入れる て しまう た こと に 気付く ます た 。 可哀想 だ 小さな 生き物 は 全く 動ける ぬ 、 悲しい げ だ 尻尾 を 振る て いる ます た 。 彼女 は すぐ だ それ を 取り出す 、 きちんと する せる ます た 。 「 余り 重大 だ こと で は ない わ 」 と 彼女 は 独り言 を 言う ます た 。 「 どっち が 上 で も 、 裁判 に は 余り 関係 ない と 思う し 」 # 陪審 員 たち は 騒ぎ から 気 を 取り戻す 、 石版 と 鉛筆 を 見つける られる て 手渡す れる や 否 や 、 生真面目 だ この 事件 の 顛末 を 書き記す 出す ます た 。 ただ トカゲ だけ は 余り の 出来事 に すっかり 動顚 する 、 口 を ぽかんと 開ける て 法廷 の 天井 を 見つめる て いる だけ です た 。 # 「 この こと に つく て 、 知る て いる こと は ? 」 と 王 様 は アリス だ 言う ます た 。 # 「 何 も 」 と アリス 。 # 「 何 も 知る ない と な ? 」 と 王 様 は 重ねる て 聞く ます た 。 # 「 何 も 知る ます ぬ 」 と アリス 。 # 「 これ は 大変 重要 だ ある な 」 と 王 様 は 言う て 、 陪審 員 の 方 を 向く ます た 。 彼 ら が 石版 に この こと を 書き止める 出す と 、 白い 兎 が 遮る ます た 。 「 重要 だ は ない 、 と 陛下 は 意味 する て いる の です 、 もちろん 」 と 彼 は 大変 丁寧 だ 調子 で 言う ます た が 、 言う ながら 王 様 に 眉 を ひそめる 、 しかめっ面 を する ます た 。 # 「 重要 だ ない 、 勿論 、 そう いう 意味 だ た の だ 」 と 王 様 は 急ぐ で 言う 、 「 重要 だ ・ ・ ・ 重要 だ ない ・ ・ ・ 重要 だ ない ・ ・ ・ 重要 だ ・ ・ ・ 」 と まるで どっち の 単語 が 語呂 が 良い か を 試す か の よう だ 、 低い 声 で 独り言 を 続ける ます た 。 # 何 人 か の 陪審 員 は 「 重要 」 と 書く ます た し 、 何 人 か は 「 重要 だ ない 」 と 書く ます た 。 アリス は 石版 の 近く に 居る た の だ 、 この こと が 見る て 取れる ます た 。 「 で も ちっとも 構う ない わ 」 と アリス は 思う ます た 。 # 暫く 自分 の ノート だ 忙しい そう だ 何 か 書く て いる た 王 様 は 、 この 時 「 静粛 だ ! 」 と 大声 を 上げる て 、 ノート を 読み上げる ます た 。 「 第 42 条 。 1 マイル 以上 の 高い さ の 人 は 全て 法廷 から 退去 する こと 」 # 全員 、 アリス を 見る ます た 。 # 「 私 は 1 マイル も ない わ 」 と アリス 。 # 「 ある ぞ 」 と 王 様 。 # 「 2 マイル 近く は ある ぞ え 」 と 女王 は 付け加える ます た 。 # 「 そう 、 どう ある て も 、 私 は 出る て いく ない わ よ 」 と アリス 。 「 大体 、 それ って 正規 の 条項 だ ない です 。 あなた が 丁度 今 創り出す た ん だ ない 」 # 「 それ は 一番 古い 条項 だ ぞ 」 と 王 様 。 # 「 だ た 第 一 条 の はず だ ない 」 と アリス 。 # 王 様 は 青い なる て 、 急ぐ で 自分 の ノート を 閉じる ます た 。 「 評決 を 審議 する 」 と 彼 は 低い 、 震え 声 で 陪審 だ いう ます た 。 # 「 恐れる ながら 陛下 。 まだ 提出 する 証拠 が 済む でる ます ぬ 」 と 白い 兎 は 急ぐ で 跳ぶ 跳ねる ながら 言う ます た 。 「 この 紙 は 只今 届ける られる た もの です 」 # 「 何 が 書く て ある の だ ? 」 と 女王 。 # 「 まだ 開ける て おる ます ぬ 」 と 兎 。 「 しかし ながら 囚人 から ・ ・ ・ から 誰 か に 宛てる られる た 手紙 の よう だ ござる ます 」 # 「 そう だ 違う ある まい 。 」 と 王 様 。 「 誰 に も 宛てる られる て いる ない の だ ない ば の 話 だ が 、 それ は 尋常 だ は ある まい 」 # 「 誰 に 宛てる られる た もの です か ? 」 と 陪審 員 の 一人 が 言う ます た 。 # 「 誰 に も 宛てる られる て おる ます ぬ 」 と 白い 兎 。 「 実際 、 外側 に は 何 も 書く れる てる ます ぬ 。 」 彼 は 話す ながら 紙 を 開く 、 「 これ は 手紙 で は ない です な 。 これ は 一連 の 詩 です 」 と 付け加える ます た 。 # 「 囚人 の 手書き です か ? 」 と 別 の 陪審 員 が きく ます た 。 # 「 いや 、 違う ます 」 と 白い 兎 。 「 そして 、 それ が 最も おかしな こと だ の です 」 ( 陪審 員 は 皆 困惑 する た よう だ 見える ます た ) # 「 奴 は 誰 か 他 の 人 の 筆致 を 真似 する た だ 違う ない 。 」 と 王 様 。 ( 陪審 員 は 皆 明るい 顔 に 戻る ます た ) # 「 恐れる ながら 陛下 」 と ジャック は いう ます た 。 「 わたし は 書く て 居る ます ぬ し 、 誰 も 私 が 書く た と 証明 できる ます ぬ 。 最後 の 所 に 署名 が ない だ は ない です か 」 # 「 もし お前 が 署名 する てる ない と いう の だ 、 」 と 王 様 。 「 それ は 事態 を 悪化 する せる だけ だ ぞ 。 お前 は 何 か 悪い 事 を 企む で いる た だ 違う ない 。 さも ない ば 正直 者 の よう だ 自分 の 名前 を 署名 する た はず だ 」 # これ に は 観衆 全体 から 拍手 が 起こる ます た 。 それ は その 日王 様 が 言う た 最初 の 本当 だ 賢い こと です た 。 # 「 これ は ヤツ の 有罪 を 証明 する ぞい 」 と 女王 。 # 「 何 も 証明 なんか する てる ない わ ! 」 と アリス 。 「 それ が 何 か か さえ 、 あなた たち は 知る も する ない の だ ! 」 # 「 それ を 読みあげる 」 と 王 様 。 # 白い 兎 は メガネ を つく 、 「 どこ から 始める ば よろしい の です か 、 陛下 」 と 尋ねる ます た 。 # 「 最初 から 初める 」 と 王 様 は もったいぶる て 言う ます た 。 「 そして 最後 まで 続ける て 、 そこ で 止まる の だ 」 # これ が 白い 兎 が 読む だ 詩 です ・ ・ ・ # 「 君 は 彼女 の とこ へ 行く て 、 僕 の こと を 彼 だ 言う た そう だ ね 。 彼女 は 僕 の こと を 人 が いい と 言う た が 、 泳げる ない の ね と 言う た 。 # 彼 は 彼 ら に 僕 が 行く ない と 伝える た 。 ( みんな 、 それ は 本当 だ と 知る て いる ね ) もし 彼女 が それ で も ごり押し する て くる た 、 君 は どう なる ん だ い ? # 僕 は 彼女 に 一 つ 、 彼 ら は 彼 に 二 つ あげる た 、 君 は ぼく たち に 3 つ か それ 以上 あげる た 。 それ ら は 皆 彼 から 君 に 戻る て くる た 、 けれど も それ ら は 元 は 僕 の 物 だ た ん だ 。 # もし 僕 や 彼女 が この こと に 係わる て しまう た 、 彼 は 君 を 信頼 する て 彼 ら を 手放す さ 、 ちょうど 僕 たち が そう だ た よう だ 。 # 僕 が いう たい こと は 君 は ( 彼女 が 嵌る て しまう 前 に は ) 彼 と 、 我々 と 、 それ と の 間 の 障害 物 だ た て こと さ 。 # 彼女 が 彼 ら を 一番 好き だ って 事 を 彼 に 悟る れる な 、 なぜ って これ は 永遠 に 、 他 の 人 たち に 悟る れる ない よう 、 君 自身 と 僕 と の 間 の 、 秘密 だ する て おく ない なる ない から 。 # 「 これ は 今 まで 聞く た 中 で は 最も 重要 だ 証言 だ ある ぞ 」 と 王 様 は 手 を こする ながら 言う ます た 。 「 それ で は 、 陪審 員 に ・ ・ ・ 」 # 「 もし 誰 か が その 詩 を 説明 できる ん だ 」 と アリス は 言う ます た 。 ( 彼女 は ここ 数 分 で とても 大きい なる て いる た の だ 、 少し も 話 を 遮る の を 恐れる ます ぬ です た ) 「 私 は その 人 に 6 ペンス あげる わ 。 その 中 に は 意味 の かけら も ない と 思う わ 」 # 陪審 員 たち は 皆 、 石版 に 「 彼女 は その 中 に 意味 の かけら も ない と 思う 」 と 書きこむ ます た が 、 誰 も その 紙 を 説明 する と は する ます ぬ です た 。 # 「 もし それ に なる の 意味 も ない の だ 」 と 王 様 。 「 世界 は 災難 から 救う れる ぞ 。 これ 以上 犯人 を 探す 必要 が ない から のう 。 しかし 余 に は 分かる ぬ 」 と 彼 は 続ける 、 膝 の 上 に 詩 を 広げる 、 片目 だ それ を 見る ます た 。 「 結局 の ところ 、 この 中 に 何 か 意味 が ある よう だ 見える と 、 余 は 見る ぞ 。 『 ・ ・ ・ 泳げる ない の ね と 言う た ・ ・ ・ 』 そち は 泳げる ぬ の じゃ ? 」 と ジャック の 方 を 向く て 付け加える ます た 。 # ジャック は 悲しい げ だ 頭 を 振る 、 「 泳げる そう だ 見える ます か ? 」 と 言う ます た 。 ( 彼 は 確か だ 泳げる ます ぬ です た 。 全体 が ボール 紙 で できる てる ます た から ) # 「 よろしい 、 これ まで の ところ 」 と 王 様 は 言う て 、 詩 を ブツブツ 呟く 続ける ます た 。 「 『 みんな 、 それ が 本当 だ と 知る てる ね ・ ・ ・ 』 これ は 陪審 員 ら の こと だ な 、 もちろん ・ ・ ・ 『 僕 は 彼女 に 一 つ 、 彼 ら は 彼 に 二 つ ・ ・ ・ 』 うむ 、 この 所 は 彼 が タルト に する た こと に 違う ない な ・ ・ ・ 」 # 「 で も 、 『 それ ら は 皆 彼 から 君 に 戻る て くる た 』 と 続く て いる わ よ 」 と アリス 。 # 「 うむ 、 そこ だ ! 」 と 王 様 は 勝ち誇る た よう だ 言う て 、 テーブル の 上 の タルト を 指差す ます た 。 「 そこ 以上 に 明白 だ もの は ない ぞ 。 そして また ・ ・ ・ 『 彼女 が 嵌る て しまう 前 に は ・ ・ ・ 』 お前 や 、 ものごと に 嵌る た こと は ない だ ろ ね ? 」 と 彼 は 女王 だ 言う ます た 。 # 「 ない わ ! 」 と 女王 は 怒る て 、 インク 壷 を トカゲ に 投げつける ます た 。 ( 不幸 だ ビル は 印 が 残る ない こと に 気付く て 、 指 で 石版 に 書く の を やめる て いる ます た 。 しかし 顔 から インク が 滴り落ちる て くる た の だ 、 それ が 続く て いる 内 に 、 今 や また インク を つかう て 急ぐ で 書く 始める て いる ます た ) # 「 それ で は この 言葉 は お前 に はあて 嵌る ない わけ だ な 」 と 王 様 は 言う て 、 笑う て 法廷 を 見回す ます た 。 辺り は 死ぬ だ よう だ 静か だ なる ます た 。 # 「 これ は 洒落 だ ! 」 と 王 様 は ムッと する た よう だ 付け加える ます た 。 する と みんな 笑う ます た 。 「 陪審 に 評決 を 審議 する せる 」 と 王 様 は 言う ます た 。 その 言葉 は その 日 に 大体 20 回 目 の もの です た 。 # 「 いや 、 いや ! 」 と 女王 。 「 判決 が 先 ・ ・ ・ 評決 は 後 だ 」 # 「 バカ と アホ ! 」 と アリス は 大声 で 言う ます た 。 「 判決 を 先 に する なんて どう いう 考え ? 」 # 「 口 を 慎む ! 」 と 女王 は 真っ赤 だ なる ます た 。 # 「 慎む ない わ ! 」 と アリス 。 # 「 首 を 刎ねる ! 」 と 女王 は ある ぬ 限り の 声 で 叫ぶ ます た 。 誰 も 動く ます ぬ です た 。 # 「 誰 が あなた に 遠慮 する って の ? 」 と アリス は 言う ます た 。 ( 彼女 は この 時 まで に 元 の 大きい さ に 戻る て いる ます た ) 「 あなた たち は ほんの トランプ の カード だ ない の ! 」 # この 言葉 を 聞く と 、 カード たち は 空中 に 舞い上がる 、 彼女 めがける て 飛び込む で くる ます た 。 彼女 は 半分 は おびえる て 、 半分 は 怒り で 小さな 悲鳴 を あげる ます た 。 そして 自分 が 姉 の 膝 の 上 に 頭 を 乗せる て 、 土手 に 寝転ぶ で いる の だ 気づく ます た 。 姉 は 木 から 顔 に ひらひら 落ちる て くる た 枯葉 を 優しい 取り払う て いる ところ です た 。 # 「 おく て 、 アリス ! 」 と 姉 は 言う ます た 。 「 長い お 昼ね だ た わ ね 」 # 「 うん 、 とても ヘン だ 夢 を 見る た の 」 と アリス は 言う て 、 あなた が 今 ちょうど 読む で くる てる た この 不思議 だ 冒険 を 全て 、 覚える て いる 限り 、 姉 に 伝える ます た 。 話す 終える と 、 姉 は 彼女 に キス する て 、 「 それ は ヘン だ 夢 ね 、 確か だ 。 で も 今 は お 茶 が 先 。 遅れる わ よ 」 と 言う ます た 。 そこ で アリス は 立ち上がる て 走り去る ます た 。 走る ながら 、 もっとも だ 事 ながら 、 なんて 不思議 だ 夢 だ た の かしら 、 と 思う ます た 。 # しかし 姉 は アリス が 去る た 後 も 、 ほおづえ を つく て じっと 座る て 、 陽 が 沈む の を 見る ながら 、 小さな アリス の こと と 、 彼女 の 冒険 の こと を 考える て いる ます た 。 そして 考える ながら 、 眠り に 落ちる て 行く ます た 。 彼女 の 夢 は この よう だ もの です た ・ ・ ・ # まず 、 彼女 は 小さな アリス の こと を 夢見る ます た 。 も 一 度 小さな 手 は 彼女 の 膝 を 抱き締める 、 明るい 瞳 は 彼女 に じっと 注ぐ れる て いる ます た 。 。 。 彼女 は アリス の 声 の 調子 さえ も 聞く たり 、 動き回る て いつ も 目 に 入る 髪の毛 を どかす ため に 彼女 が 奇妙 だ 小さい 頭 を 揺り動かす の を 見る たり する こと が できる ます た 。 さらに アリス が 聞く た よう だ 、 或いは 聞く た と 思う た よう だ 、 彼女 の 周り 全体 が 、 妹 の 夢 の キテレツ だ イキ モノ たち で 賑わう て いる の が 聞こえる ます た 。 # 白い 兎 が 走る て いく に つれる 、 彼女 の 足元 の 長い 草 が サラサラ 言う ・ ・ ・ ・ 驚く た ねずみ が 近く の 水溜り めがける て 水飛沫 を あげる て 泳ぐ で いる たり ・ ・ ・ 彼女 は 三 月 兎 と 彼 の 友達 が 決して 終わる ない 食事 を 分け合う て いる 際 の ティー カップ の がちゃがちゃ いう 音 や 、 女王 が 彼女 の 不幸 だ 客 に 死刑 を 言い渡す て いる 金切り 声 が 聞こえる ます た 。 。 。 もう 一 度 、 ブタ の 赤ちゃん は 公爵 夫人 の 膝 の 上 で クシャミ を する 、 大皿 小皿 は その 周り で 砕ける て いる ます た ・ ・ ・ もう 一 度 グリフォン の うなり声 、 トカゲ の 石版 を こする 音 、 鎮圧 する れる た モルモット の 窒息 する 声 が 空気 を 満たす 、 遠く から の 惨め だ 偽 亀 の すすり泣き の 声 と 交じり合う ます た 。 # そこ で 彼女 は 目 を 閉じる て 座る なおす 、 半ば 自分 が 不思議 の 国 に いる と 思う ます た 。 しかし 彼女 は 眼 を 開ける ない ば なる ぬ 、 そう する た 全て の 物事 は 退屈 だ 現実 に 変わる て しまう 、 と いう こと を 知る て いる ます た 。 草 は ただ 風 だ そよぐ で いる だけ だ しか 過ぎる ぬ 、 水溜り は 葦 の そよぐ に 波 を 立てる て いる だけ だ あり ・ ・ ・ ティー カップ の がちゃがちゃ 言う 音 は 羊 の 鈴 が チリンチリン 言う 音 だ ある 、 女王 の カナ きり 声 は 羊飼い の 少年 の 声 だ あり ・ ・ ・ 赤ん坊 の クシャミ 、 グリフォン の うなり声 、 そして その 他 の 奇妙 だ 音 は 、 忙しい 農場 の 様々 だ 物音 に 変わる て しまう ( 彼女 は その 事 を 知る てる ます た ) ・ ・ ・ 遠く の 牛 の 低い 鳴き声 は 偽 亀 の 重おもしい すすり泣き に 取る て 代わる の です 。 # 最後 に 、 彼女 は この 小さな 妹 が 、 後 に 大人 の 女性 に どう 成長 する て いく の か 、 想像 する て みる ます た 。 彼女 は 後年 、 子供 時代 の 素朴 だ 愛らしい 心 を どう 保つ て 行く の か 。 どう 彼女 は 子供 たち を 集める て 、 遠い 昔 の 不思議 の 国 の 夢 の よう だ 、 不思議 だ 話 を 聞く せる て 彼 ら の 眼 を 輝く せる 、 夢中 だ する せる の か 。 どう 彼女 は 子供 たち の 小さな 悲しみ を 感じとる 、 小さな 喜び に 楽しみ を 見出す 、 自分 自身 の 子供 時代 と 楽しい 夏 の 日 を 思い出す の か 、 思い描く ます た 。 #