奈落の底に突き落とされたような気分になった。ケートさん(34)は、心と体の性が一致しないトランスジェンダーであることに苦しみながら、人一倍勉学に励んできた。2015年、名門タマサート大の社会学部講師の採用試験に合格。だが大学側は、採用を拒否した。理由は「SNS(ネット交流サービス)に不適切な投稿をしていた」からだった。ケートさんは憤る。「大学は説明しないが、私の性別が理由であることは明らかだ」
外国人や観光客には、性的少数者(LGBTなど)に寛容に見えるタイ。だが、国内ではLGBTの権利を守る法や政策は整備されていない。多くのLGBTは、幼いころから家庭や学校で差別されて育つ。ほとんどの官公庁や大企業は門戸を閉ざし、歓迎されるのはエンターテインメントや美容業界に限られる。
タイの英字紙記者から実業家に転身し、タイ・サッカー協会の会長候補にもなったポーリンさん(53)も、「社…
この記事は有料記事です。
残り760文字(全文1153文字)
毎時01分更新
新型コロナウイルス感染症の第3波が猛威を振るい、貧困相談窓…
数多くのアナウンサーやタレントを輩出してきた大学ミスコンは…
第100回の節目となる全国高校ラグビー大会(毎日新聞社、日…