地球は太陽系のなかの一つの惑星です。恒星の太陽を一定の軌道で回っています。地球に生命が誕生するには地球の大きさ、太陽との距離が現在の在りようでなければならず、地球が現在の軌道を回るにはそれぞれの惑星が現在の在りようでなければならず、生命の誕生進化には海(水)の存続と二酸化炭素の循環がなければならず、更に地球の中心部には個体の核と液体の外核があり、この作用で地球には磁場が存在します。この磁場のお陰で生物に有害な太陽からの高エネルギー粒子の太陽風がさえぎられています。そして ・・・・・ 、30億年ぐらい前に浅い海の中に光合成生物が生まれ、爾来海から大気へと酸素がたまり、大気中にたまった酸素は大気の上層で酸素原子に分解され、それが酸素分子と反応してオゾン層ができました。オゾン層は太陽からの有害紫外線を吸収し、生物の陸上生活が可能となって今に至るまで生命の進化につながっています。
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このオゾン層がどんどん破壊されています。オゾン層が少なくなれば紫外線が増えて皮膚ガンや白内障などの諸原因にもなるともいう。オゾン破壊は北極や南極の問題ではありません。日本上空でも平成13年で30%の減少が指摘された。南米のチリ南部では2000年10月、地上に降り注ぐ紫外線が人体に危険なレベルに達したため、チリ保健当局は紫外線警報を出し、日差しの強い時間帯の外出は控えるよう呼びかける報道があった。
怖い話ですが、現在オゾン層を破壊しているフロンガスは15年前のフロンガスというのです。フロンガスは重い気体のため成層圏に達するには15年かかるといわれています。信じたくはないのですが、あるデータでは現在、成層圏のオゾン層を破壊しているのは、いままでに生産された10%のフロンガスによるものだとされていますが、それでもすでに30%のオゾン層破壊です。NASAは、このままでは15年後20年後にはオゾン層の3分の2が破壊されると発表していますが、この報告をどう受けとめればいいのか。
又、近年特に「環境ホルモン」(内分泌かく乱化学物質)が注視されています。これは、人間の体内に元々有るホルモンに似た物質だそうですが、あまりに似ているために逆に人間の生理機構を騙して身体に作用してしまう。この毒性はさまざまな障害をもたらすというのです。ダイオキシンもこの環境ホルモンの一つです。
強い毒性を持ち、はっ水剤や界面活性剤に使われる有機フッ素化合物、パ−フルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)による汚染が、東京湾など各地の海や湖で広がっていることを産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の山下研究委員らが突き止めています。PFOSはダイオキシンやPCBと違って水に溶けるのが特徴。環境中でほとんど分解されず、生殖障害との関連や発ガン性が疑われ、「21世紀のPCB」とも呼ばれています。
自分には関係ないという問題ではないのです。野草や犬、バクテリアに至るまで同じDNAの鎖を持って連鎖しているのですから人間だけ離れて存在する訳にはいかない。湖や海で例えれば、わずかな殺虫剤であってもそれがまずプランクトンに作用する。プランクトンを草食魚類が食べる。それを小さな肉食魚類が餌食にする。それを大きな肉食類が食べる。そして・・・、この連鎖はしっかり人間まで繋がっているのです。
地球環境がどんどん悪化しているにもかかわらず先進国や大国がそれを放置すれば因果は歴然・・。発展著しい中国では劣悪5類の汚染水の垂れ流しも各地で増加しているようだ。5類は農業水で工業水は4類という・・一類のきれいな水だけに気をとられているとたいへんなことになる。
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玉簾の滝 平成17年2月8日 |
◇アンデスの氷15年で消滅か【サンフランシスコ2001.2.18共同】アフリカ・キリマンジャロの山頂付近を覆う雪氷や南米・アンデス山脈の氷河は地球温暖化の影響で急速に縮小しており、あと15年で消滅するだろうとの予測を米オハイオ州立大のロニー・トムソン教授がまとめ18日、サンフランシスコで開催中の米科学振興協会総会で発表した。 同教授は「これら熱帯地域の氷は鉱山のカナリアのようなもの。温暖化に敏感に反応し、我々に警告を送っている」と指摘した。同教授らが調査を続けているペルーのアンデス山脈の氷河は、1963年以来約20%が消滅。一部地域では、2000年1年間だけで氷河の先端が155メートル後退しているという。キリマンジャロでは1912年に雪氷の地図が作られて以来、現在までに雪氷の5分の4がなくなった。南極半島のラルセン棚氷はウエッデル海に張り出し北からABCの三区域に区分されていたが、ラルセンAは1995年の夏に1600平方キロが流出して消滅。ラルセンBは2002年三月に75%にあたる3200平方キロが一挙に崩壊。一万二千年もの間、氷におおわれていた一帯は青い海に変化した。自然というシステムはたくさんの生物が影響しあって絶妙なバランスをとっているのですが、棚氷の消滅によって氷の下に繁殖する植物性プランクトンの育成は阻害され、それをエサにするオキアミの生成が損なわれる。オキアミの減少とは、オキアミが欠けるだけというのではないのです。大陸棚に乗っている南極の氷でさえそうなんですから北極の氷は尚更なことです。
地球の生態系に多大の影響を及ぼす脅威を前に国際社会の姿勢が1997年12月の京都議定書だったはずだが、二カ国だけで世界の温室ガス排出量の四割を占める米国と中国の加わらない議定ではたして実効性のある対策がとれるものなのか・・、温暖化で海面1メートル上昇なら、5600万人が「環境難民」との試算もある。
道元禅師は「人人大なる非あり」、人間には誰しもが陥りやすい欠点、いのちの癖、ないし傾向があると指摘されます。科学技術の進展により暮らしやすさは向上しましたが、その結果として温暖化は加速している。今や人間の食料や家畜飼料として栽培された穀物がエタノールなどの燃料につぶされる。地球の肺といわれる南米の熱帯雨林もどんどん伐採され畑地化が進む。それは皮肉にも温暖化を加速させることにもつながる。
家庭でも自動で動く掃除機が現れ、トイレはフタの開閉から掃除不要の洗浄機能、臭い消しまで全自動というように便利になっていますが、その「ゆとり」の反面人は「鈍感」になるものです。「足るを知る」という自覚、内面の世界である人人の「非」には益々気づきにくくなるかもしれません。
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秋田十文字町 皆瀬川(後方は鳥海山) 平成16年12月撮影 |
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私たちが、いま、ここに、こうしてあること、生かされている背景を知ること、それこそが釈尊の示されるところの「天上天下唯我独尊」です。これは「ただ我独り尊い」という独善的な意味ではなく、「空」や「無」で示すところの絶対的なこの「いのち」のことです。普遍的な誰でももっている人間性の尊厳を宣言されたものでしょう。
道元禅師の言葉(辨道話)を借りれば「人々の分上にゆたかにそなわれりといえども、いまだ修せざるにはあらわれず、証せざるには得ることなし」です。気づく気づかないにかかわらず、最初からすごいいのちをいただいているというのです。「成仏」とは亡き人を意味するのではなく、釈尊の法(摂理)と人間が出会いひとつになるということであり、「仏に成るのではなく、成れる仏である」と示されるところです。
「我々にはまだチャンスがある。しかし、これまでと同じ過ちを繰り返す時間がない」
地球サミット事務局長
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真室川町 高坂地区 後方は鳥海山 |
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