証券取引所
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証券取引所(しょうけんとりひきじょ、仏Bourse、英Stock exchange)は、主に株式や債券の売買取引を行うための施設であり、資本主義経済における中心的な役割を果たしている。
経済の発展に欠かせない資金調達と資本運用の双方が効率的に行われるようにするため、株式および債券の需給を取引所に集中させ、流動性の向上と安定した価格形成を図ることがその主な役割である。
日本国内では元来は証券取引法で認められた特別法人であったが、株式会社への移行が進んでいる(→後述の#証券取引所の形態参照)。
株式および債券の購入や売却について、一般の投資家(個人投資家、取引所会員証券会社以外の機関投資家)が証券取引所で直接取引を行うことはできず、会員である証券会社を通じて取引を行う(委託売買)か、直接当事者間で取引を行う相対売買で取引することになる。
目次 |
[編集] 歴史
12世紀頃、フランスにおいて、銀行が代表して農村の債務を、取引し管理する「courratiers de change」と呼ばれるシステムが存在している。そして、現在でいう株式仲介人(ブローカー)と呼ばれる人達が、こういった所で債権の取引きを行っていった。
欧米圏での「証券取引所」の語源でもあるフランス語「Bourse」は、13世紀頃にラテン語で鞄を意味する「bursa」から派生して誕生したとも言われている。また、13世紀後半頃に、ベルギーのブリュッヘの取引業者は「Van der Burse」と呼ばれる男の家で集会が行っており、これを1309年に制度化し、「Bruges Bourse」が開催された。 この制度は近隣諸国に広がり、「Bourse」は「証券取引所の名称」となって、次々にゲントとアムステルダムで開かれていくようになる。
13世紀中頃イタリアでは、ヴェネツィアの銀行員が政府の証券の取引きを行っていることが知られており、他にもピサ、ヴェローナ、ジェノヴァ、フィレンツェ等でもそれぞれの政府の証券を取引きされていた。
株主に企業へ投資させて、その利益と損失を共有する株式会社のシステムはオランダから始まった。1602年にはオランダ東インド会社がアムステルダム証券取引所で最初の株券を発行し、有価証券を発行した最初の会社となっている。
[編集] 日本国内の証券取引所
[編集] 3取引所(3市場)
[編集] 地方取引所
[編集] 新興企業向け証券取引所
- ジャスダック証券取引所(JASDAQ)
[編集] 廃止された証券取引所
- 神戸証券取引所(1967年10月に廃止)
- 広島証券取引所(2000年3月に東京証券取引所に吸収合併)
- 新潟証券取引所(2000年3月に東京証券取引所に吸収合併)
- 京都証券取引所(2001年3月に大阪証券取引所に併合)
[編集] 世界の主要証券取引所
現在の取引高ランキングでは1位:ニューヨーク証券取引所で、2位東京証券取引所、3位ロンドン証券取引所、4位フランクフルト証券取引所と続く。
2007年末に予定されているナスダックと北欧に本拠を置くOMXとの合併で、ナスダックOMXグループが世界2位の証取グループになる。
またロンドン証取がイタリア取引所を買収することで誕生する新会社の規模は、東証を抜きニューヨーク証券取引所、ナスダックOMXグループに次いで世界3位となる見通し。
- ニューヨーク証券取引所 所在地:アメリカ・ニューヨーク
- ナスダック(NASDAQ) 所在地:アメリカ・ニューヨーク
- ロンドン証券取引所 所在地:イギリス・ロンドン
- フランクフルト証券取引所 所在地:ドイツ・フランクフルト
- ユーロネクスト 所在地:フランス・パリ(パリ・アムステルダム・ブリュッセル各証券取引所が合併し発足)
- 韓国取引所 所在地:韓国・ソウル特別市(旧韓国証券取引所・旧コスダック・韓国内の先物取引所が合併し発足)
- タイ証券取引所 所在地:タイ・バンコク
- 上海証券取引所 所在地:中国・上海
- 深圳証券取引所 所在地:中国・深圳
- 香港証券取引所 所在地:中国・香港
- ムンバイ証券取引所 所在地:インド・ムンバイ
※証券取引所の一覧参照のこと。
[編集] 証券取引所の形態
日本の証券取引所は証券会員制法人又は株式会社でなければならないと証券取引法に規定されている。証券会員制法人とは証券会社を会員とする社団である。以前は全ての証券取引所が証券会員制法人であったが、2001年4月に大証、同年11月に東証、2002年4月に名証がそれぞれ株式会社に組織変更している。ジャスダックも株式会社形態である。
また、近年は私設取引システム(PTS)による取引形態も現れてきた。私設取引システムは1998年12月施行の金融システム改革法で証券会社にその開設と運営が認められたもので、時間外取引市場(主に夜間)として機能している。
[編集] 売買立会い時間
証券取引所では売買立会い時間が定められており、日本の場合、通常は午前9時から午後3時まで行われる。その内午前9時から11時を「午前立会い」(前場)、午後12時30分から3時を「午後立会い」(後場)と称している。なお、毎年通常1月4日に開かれる大発会と、12月30日の大納会の開催日は前場のみで後場の立会いは行われない。しかし、取引の電子化により半日にする意義が薄れたため、現在半日立会いを廃止する方向で議論が進んでいる。
[編集] 休業日
日本の場合、1989年1月までは土曜日(第2土曜日は全面休場)にも前場のみ取り引きが行われたが、金融機関の完全週休二日制への移行に伴い、現在は毎週土曜日・日曜日・祝日・12月31日~1月3日は全面休場となっている。
天災・戦争・元首の死去等の国家的事態が発生した場合に臨時に休場となる場合もある。日本では1989年1月7日の昭和天皇逝去や、1995年1月17日には阪神・淡路大震災のため大阪証券取引所のみ全日休場となったことがあった。
2001年のアメリカ同時多発テロ発生の際には、被害を受けたニューヨーク世界貿易センタービル(WTC)近在にあるニューヨーク証券取引所を含め、アメリカのすべての証券(金融)市場が数日間に渡り停止したことがある。
[編集] 関連項目
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