会社
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会社(かいしゃ)は、企業形態の一種である。 狭義には、「株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社」を指す(会社法2条1号)。 広義には、これらに類似する団体(外国会社など)も含む(外為法など。)。 かつては営利目的の社団法人という内包に着目した定義もなされていたが、現在ではこれは狭義の会社の性質を示すものとして理解されているようである。 以下において、「会社」は特に断らない限り狭義の会社とする。
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[編集] 会社と企業
「会社」という概念は日常的な用語法では、「企業」と同じような意味で使われるが、法律用語としては全く異なるものである。会社とは、企業形態の一つに過ぎない。また、会社は、(日常用語としてはともかく、法律用語としては、)役員・従業員や各種設備により人的・物的に組織された事業体を意味するものではなく、出資者たる社員のみから構成される観念的な存在である。したがって、その構成員(社員)は従業員(日常用語でいう「社員」)ではなく出資者(株式会社では株主。持分会社では社員。)である。会社と競合する企業形態としては個人、組合、有限責任事業組合、匿名組合、各種協同組合、相互会社、信託、外国会社などがある。
[編集] 概説
設立には、一定の要件を満たせば、設立できる準則主義を採用していることから、官庁の認可を必要とせず、公益法人等と比較すると設立が容易である。会社法の制定により最低資本金制度が廃止されたこともあり、所定の手続を経て設立登記を行えば、会社は設立することができる。
[編集] 「会社」の概念
[編集] 会社と組合の関係
組合を参照。
[編集] 会社の性質
会社は、以下の性質を有しているものとされる。
- 営利性
- 営利性とは、一般には、利潤を追求するために事業を営むことを指すものであるが、会社における営利性とは、得た利益を社員に分配することを目的とする。
- 社団性
- 人の集まりであることを意味する。ただし、ここに人の集まりとは、会社の場合、会社と雇用契約を結び働いている従業員を意味するものではなく、当該会社に出資している出資者を指す。ただし、一人会社も認められており、この性質はむしろ構成員の存在を要求するものに過ぎないものとも理解できよう(構成員が存在しなければ社団でなく財団となる。)
- 法人性
- 会社は法人格を有する(会社法3条)。詳細は、法人の項を参照。法人格があることで、会社を構成する社員とは別個の権利義務の帰属主体となる。
[編集] 会社の商人性
[編集] 広義の会社の種類
[編集] 日本
(括弧内は根拠法)
- 人的会社(総称して持分会社という。)
- 物的会社
- その他
- 特定目的会社 (資産の流動化に関する法律)
- 投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律)
- (なお、相互会社(保険業法)は利益分配を目的としないため会社とはいえない。)
- 廃止された会社形態
[編集] ドイツ
- アクティーエンゲゼルシャフト(Aktiengesellschaft、AG) 日本の株式会社に相当するが実態は異なる
- GmbH(Gesellschaft mit beschränkter Haftung) 日本の有限会社に相当
[編集] アメリカ合衆国
(会社に関する立法は各州により異なるが、一般的なものについて記述する。)
[編集] 一人会社(いちにんがいしゃ)
小規模事業を営む者が会社を設立する場合や、ある会社が100%出資の子会社を設立する場合、会社の出資者(株式会社の場合には株主)が1名である場合があり、この場合、当該会社を一人会社と呼ぶ。典型的な例としては、個人が単独出資して会社を設立した場合や、親会社が100パーセント出資の子会社を設立した場合の子会社が挙げられる。
[編集] 一人会社と社団性
一人会社には、講学上、「社団性を有せず会社と呼べないのではないか」、という問題が提起されていたが、社員が1名である会社も新たな出資者を得ることで社団となりうるのであるから、潜在的には社団性があり、一人会社も社団性を有すると考えられている。 会社法成立以前の旧商法においては、合名会社・合資会社においては、社員が一人のみとなった場合を会社の解散事由としていたが、会社法施行後、全ての会社において、一人会社は認められている。