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関係代名詞は先行詞あり,位置を持ち,形容詞節を導く |
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関係代名詞は先行詞があり,形容詞節をつくります。そして関係代名詞自信がその文節の中で代名詞としての位置をもっています。
1.関係代名詞とは?
関係代名詞とは簡単に言ってしまえば,接続詞と代名詞の2つの機能をもったものといえます。関係代名詞の導く節の中でその名のとおり代名詞として働きますので名詞の働きのうちのどれかの働きをします。つまり主語・動詞の補語・動詞の目的語・前置詞の目的語のうちのどれかになるわけです。そして一部の代名詞と同様に格変化をします。また関係詞節の働きは,通常は形容詞節として先行詞である名詞を限定修飾します。これも極端にいってしまえば,後から名詞にかかる形容詞と同じといえます。次の実例でいくつかの名詞の働きと格変化をみてみましょう。
1)名詞としての働き(名詞の5つの働き:主語・自補・他目・前目・他補)
I know a lot of people who live in New York.
私はニューヨークに住んでいるたくさんの人々を知っている。
関係代名詞whoは動詞liveの主語
He is not the man which his father wants him to be.
彼は父親が望んでいるような(性格の)男ではない。
関係代名詞whichは自動詞beの補語
This is the book which I bought yesterday.
この本は昨日買った本です。
関係代名詞whichは動詞boughtの目的語
This is the house in which Shakespeare was born.
これはシェイクピアがうまれた家です。
関係代名詞whichは前置詞inの目的語
I'm not the idle woman that you once thought me.
私はかつてあなたが考えていたような怠惰な女ではありません。
関係代名詞thatは他動詞thoughtの補語
2)格の変化
The man whom I spoke to is my English teacher.
私の話しかけた人は私の英語の先生です。
関係代名詞whomは前置詞toの目的語
who → whose →whomtと格変化を起こす代名詞なので注意が必要です。ここでは前置詞の目的語になっていますので,目的格であるwhomになっています。口語表現ではwhomはめったに使われず,代わりにwhoが使われます。
2.先行詞の種類と関係代名詞
1)先行詞が人の場合
関係代名詞として,who(主格),whose(所有格),whom(目的格)とthatが使われます。thatは限定性が強いので先行詞を追加的に説明する非制限用法には使うことができません。またthatは前置詞の目的語としても使うことができません。whoseは代名詞として形容詞的に働き名詞を修飾することから,関係形容詞に分類することもあります。
I know a lot of people who live in New York.
私はニューヨークに住んでいるたくさんの人々を知っている。
He is the guy whose dog got the first prize at the dog show.
彼が飼い犬がドッグショーで一位をとった人です。
Do you know the doctor whom (who) I visited lastnight?
私が夕べ行った医者をしっていますか?
2)先行詞が人以外の時
使われる関係詞代名詞はwhich(主格・目的格),that(主格・目的格),whose(所有格)またはof whichです。
This is the book which (that) is selling well now.
これが今よく売れている本です。
which (that)はisの主語
I cannot find the watch which (that) I bought last week.
先週買った時計がみつからない。
which (that)はboughtの目的語
Look at the house whose roof is red.
Look at the house the roof of which is red.
Look at the house of which the roof is red.
赤い屋根の家をみてごらん。
Do you have anything that (which) I can cut this with?
Do you have anything with which I can cut this?
何かこれが切れるもの持っていますか?
that (which) はwithの目的語,with が前に出た場合はthatは使えません。
3)先行詞が人と人以外を含む場合,先行詞にall, any, every, no, little, much, the same, the first, the last, 最上級のような限定性の高い語や疑問詞が含まれている場合,関係代名詞が節のなかで補語になっている場合
このような場合には一般にthatが使われます。
I saw a man and a dog that wore matching clothes walking in the park.
おそろいの服を着た人と犬が公園を歩いているのを見た。
All that glitters is not glod.
光るものすべて金にあらず。
Who that knows him will believe it?
彼を知っている誰がそれを信じるというのか?→彼を知っているものは誰も信じない。(修辞疑問)
He is not the generous fellow that he used to be.
彼は昔のように寛大な人ではない。
3.関係代名詞の省略
節の中で関係代名詞が動詞の目的語・前置詞の目的語になっている場合は省略することができます。また,There is ... , Here is ... , That is ... , Who is ... , It is ... で始まる文,関係代名詞が節の中で補語のとき,および関係詞節の中にI think,I know等が挿入されているときは主格の関係代名詞も省略できます。
This is the book (which) I bought yesterday.
この本は昨日買った本です。
関係代名詞whichは動詞boughtの目的語→目的格の関係代名詞
The man (whom) I spoke to is my English teacher.
私の話しかけた人は私の英語の先生です。
関係代名詞whomは前置詞toの目的語→目的格の関係代名詞
There is no one (who) works harder than you.
あなたほどよく働く人はいません。
whoはworksの主語→主格の関係代名詞
This is the best picture (that) there is on dispray.
これが展示中の最高画です。(節がthere isで始まる場合も省略可)
関係代名詞thatはisの主語→主格の関係代名詞
He is not the generous fellow (that) he used to be.
彼は昔のように寛大な人ではない。
関係代名詞thatはbeの補語(自動詞の補語:主格補語)→主格の関係代名詞
She is the very type (that) I think would be to his taste.
彼女はまさに彼の好みと思われるようなタイプだ。
関係代名詞thatはwould beの主語→主格の関係代名詞
4.関係代名詞thatの副詞的用法
In Moulmein, in Lower Burma, I was hated by large numbers of people-the only time in my life that I have been important enough for this to happen to me. (この英文全体の解説はBulletin Boardの英文法フォーラムをご覧下さい。)
南ビルマの,モールメインでは,私は多くの人々に憎まれていた―これが(私が多くの人々に嫌われていたこと)私にふりかかるに足りるほど 私が高い地位についたことは,私の人生のなかでもこの時だけである。
意訳:これが(私が多くの人々に嫌われていたこと)私にふりかかるに足りるほど→人々に憎まれるほど高い地位についたことは
通常関係代名詞は原則として形容詞節をつくり先行詞を修飾します。また節の中で,代名詞としての役割(位置)をもっていなければなりません。この文節の中でのthatは形容詞節をつくりtimeを修飾していますが位置(代名詞としての役割)はありません。このように関係代名詞thatが時・方法・理由を表す語を先行詞とする時,節の中で代名詞としての機能を持たず,関係副詞のように機能することがあります。辞書ではこれを関係代名詞と説明しているものが多いですが,文法書では関係副詞と説明しているものが多いようです。
ジーニアス英和辞典ではthatを関係代名詞と解釈
That was the day (〜) she left(on).
それは彼女が出発した日だった
onがあればthatは純粋の関係代名詞であるが,省略するのが普通. (ジーニアス英和辞典より引用)
英文法解説(金子書房)では thatを関係副詞と解釈
thatは関係副詞としてwhen,where,whyなどの代わりに使えるが,用例が多いのはwhenに相当する場合で,常に省略が可能である。
(1)when
She didn't say a word all the time (that) I was there.
He looked me up the last time (that) he was in Tokyo.
(2)その他
Do you know anywhere (that) we can get nice seafood?
5.古谷メソッドでの関係代名詞のまとめ
古谷メソッドではあまり複雑にならないように,関係代名詞を教えています。ここでは古谷メソッド以外の説明も若干加えましたのでやや複雑になりました。繰り返しになりますが,古谷メソッド「関係代名詞」のまとめとして次の3つの要件を確実に覚えておいて下さい。
関係代名詞が成立する3つの要件
(1) 先行詞を伴っています。
(2) 形容詞文節をつくって,先行詞を形容しています。
(3) 節の中で,代名詞(名詞)としての6つ(形容詞の目的語を除けば5つ)の働きのうちどれか一つの働きをしています。 |
6.その他の関係代名詞
1)先行詞を含む関係代名詞 What
常は関係詞節は,先行詞を修飾する形容詞節ですが,先行詞が含まれる場合は名詞節となります。先行詞と関係詞節の関係は,修飾される語(先行詞)と修飾する語(関係詞節)の関係で,先行詞は名詞(相当語句)なので,先行詞を含んでいる関係詞は名詞の機能を持つことになります。例えばa sleeping baby, a baby sleeping in the crib, a baby who is sleeping in the cribで,それぞれsleeping (前位の形容詞), sleeping in the crib(後位の形容詞句), who is sleeping in the crib(関係代名詞が導く形容詞節)という修飾語が a baby を修飾していますが,その中心は名詞である a baby なので語群全体でみれば名詞(名詞句)となるのと同じことになります。
先行詞を含む関係代名詞はWhat はthat which, those which, a thing which, things thatなどと 「先行詞+関係代名詞」で置き換えられます。また主格と目的格とがあり,節の中で名詞としての役割(動詞の主語・目的語・補語・前置詞の目的語)があり,作る節全体も名詞(名詞節)としての役割(動詞の主語・目的語・補語・前置詞の目的語)になります。
What happened next was more amazing.
( The thing which happened next was more amazing. )
次に起こったことは,さらに驚くべきことであった。
※whatは節の中ではhappendの主語,whatの作る節全体ではwasの主語になっています。
This is what I have been looking for.
( This is that which I have been looking for. )
これが私がずっと探していた物です。
※whatは節の中では前置詞forの目的語,whatの作る節全体でis の補語になっています。
2)複合関係代名詞 whatever, whichever, whoever, whomever
関係詞に-everのついている強調形を特に複合関係詞といいます。機能により複合関係代名詞・複合関係副詞・複合関係形容詞に分かれます。主に名詞節を作り関係代名詞whatと同様に先行詞anyone, anything, any. . .等を含んでいます。また副詞節を導く場合は「no matter + 疑問詞」で置き換えられ,譲歩節(副詞節)になります。
You can give the ticket to whoever wants it.
( You can give the ticket to anyone who wants it. )
だれでも欲しい人にチケットをあげていいよ。
※whoeverは節の中ではwantsの主語,whoeverの作る節全体で前置詞toの目的語。
You can give the ticket to whomever you like.
( You can give the ticket to anyone whom you like.)
だれでも好きな人にチケットあげていいよ。
※whomeverは節の中ではlikeの目的語,whomeverの作る節全体で前置詞toの目的語。
I'll give you whatever you need.
( I'll give you anything that you need.)
あなたの必要なものを何でもあげるよ。
※whateverは節の中ではneedの目的語,whateverの作る節全体でgiveの目的語(直接目的語)。