日本の小学生の登校風景と言えば、子ども達が数人のグループで通学する姿を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。こうした光景は日本中どこでも見ることができるものだが、中国では全く異なる光景が見られる。

 中国で見られる小学生の登校風景と言えば、普段から子どもの世話をする「祖父母」が子どもの鞄を背負って、子どもの手を引いて学校まで送り届けるという光景だ。日本と中国で小学生の登校風景がこれほど違うのはなぜだろうか。中国メディアの今日頭条は25日、「日本人の親たちは子どもが誘拐される心配はしないのか」と問いかける記事を掲載した。

 中国で日本と異なる通学風景が見られる理由は「共働きの家庭が多く、祖父母が孫の世話をする習慣があること」の他に、今でも子どもを狙う誘拐事件が多発しているためだ。祖父母が毎日送り迎えをするのは防犯の要素もあるのだ。記事は、「日本では家族による毎日の送迎が全く必要ないことを知って驚く中国人は多い」と指摘した。

 続けて、日本人の親が子どもの誘拐を心配せず子どもだけで登校させることができる理由について、記事は「子どもの誘拐と誘拐された子どもの売買に関わるすべての人に、厳しい処罰が科されるためだ」と主張し、この罪の重さが大きな抑止力となっている」と独自の分析を展開。また、「警察官が地域に密着した治安維持に力を注いでいること」も、日本で子どもを狙った誘拐事件がほとんど起きない理由ではないかと論じた。

 国によって制度や習慣の違いがあるのは確かだが日本では子ども達だけで通学できる様子を見て「子どもが突然連れ去られる心配をしないなんて羨ましい」と吐露する中国人の親たちは少なくない。しかし、日本でも子どもが被害に遭う犯罪は毎年発生しているのは事実であり、子どもが安心して生活できる環境はどの国の親にとっても切実な願いと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)